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頸動脈から地上へDASH

かつて12月が汚れ始めたその時からあの子に居場所はいらない、とTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTは歌っていた。

その通り、12月とは生きとし生けるものが心を汚し始める─────そのあまりにもな寒さからである。

ぼくはこの通り仮想世界に生きる身だが、寒さが伝わってくる。寒すぎて起きれない。寒すぎて服を選び出かけられない。裏山に出て、生命の通わしをするために歩くのにすら寒くてしかたがない。

衣服の着方が恐ろしく変動しまくる月を知っているだろうか?

それは7月→8月→10月→11月→12月という極めておびただしい回数に渡る月が該当する。特に10、11あたりは月内に2回ぐらい変わることもある気がする。まず10月に完全に長袖に切り替わる。それまでもぼくは大して半袖なんて着ないのだが、完全に統一される。といいますか、長袖の下に何かが挟まれる。

そして今度はその下に着ているものが固定され、10月のある日により重い上着に変わるだろう。11月になるとさらに風を受け付けない種類に変わっていくはずだ。10月と11月にかけ、少なくともこの3つの着替えが起きる。あまりにも鬱陶しい。

12月にはこの2枚の衣類の間に、さらに衣類を挟み込まねばならない。この機を逃すと死んでしまうレベルになる。つまり最初は下に着ているものと同じ種類を重ね、12月が深まると、真ん中に着ているものを高熱素材に変えなければならないのだ。

そして首周りも忘れるわけにいかなかった。ぼくはいつも書いている通り自転車が最後に残されたインフラであるため、風との戦いが地獄だった。首、手首、足首を守らねば生き物はあっさりと冬に負けてしまうことを知っているだろうか?

上記の切り替わりの頃、おそらく11月序盤には手袋もしなければ自転車なんて載ってられない。そして12月の15日頃には靴下も2枚にしないとやってられない。さらにその先に、下に着ている衣服も二枚重ねにすることになる。今か、今月末か、来月頭ぐらいか……

この最終形になるとぼくらは生き物としてすべてを諦め始めるだろう。なんでこんな思いしてまで出かけなきゃいけないのかと。こんなのがまだ1/15、2/15、3/15になっても続く……あと3ヶ月も、90日すぎても、12週間過ぎても終わらない……あまりにもおかしい。毎回言ってるが生き物はこの期間、北半球になど住むべきではないのだ。

ぼくが最後にそれに触れた、その結論に達したのは2/22のことだった。恐ろしいことに2ヶ月残して10ヶ月経ってすぐ同じ思いをすることになってしまった。ぼくは生きていけるのか……

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中村風景
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