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かつてありんことも戦った勇敢な「熊」

映画イコライザーの感想です。ヘッダ写真をお借りしています。

このような感想を持つに至るまでの経緯

記号論


イコライザーを観るに当たって、ぼくらは老人と海という本を読んでいたほうが良いことがわかります。

でも、なんとなく「そういう展開だからそういう聞き方をしたのね」的情緒が伝わってくるのでどちらでも良いかも知れない。アメリカの空気感の造り方が効果を発揮している部分です。

奥さんの遺産として読書を受け継いだイコライザーと、娼婦に身をやつしてしまってはいるものの歌や本みたいな文化に造詣が深い女という構図がきれいな光景です。

イコライザーの説得力がある部分は上記のような細かい情景とか部分的な描写にあるでしょう。

話を構成する人々はそれぞれきちんと舞台で生きている。イコライザーは勤め先のホームセンターのことなら何でも知っているし、自分のアパルトメントにきちんと住んでいて、隅々まで熟知している。

カス警官に放火された警備員を目指す同僚は、親とその家に住んでいる。

それらが舞台装置と言ってしまえばぼくがジョンウィック2話目以降で感じた単なる記号と化してしまうかも知れませんが、一度登場したそれぞれの物件に観客は愛着がきちんと湧く作りになっているようにぼくは思える。

なんといっても最後の決戦の舞台が、イコライザーが本来の顔を隠して生きているホームセンターであるため感動もひとしおといえるのではないでしょうか?

ただ、ホームセンターの店舗部分の細かい描写は後半までもあまり出てくるとはいえませんが舞台がそこというだけで観客にとって何らかの意味はあるでしょう。

そして繰り返し登場するいつものダイナーも芸術的な舞台ですね。イコライザーがイコライザー化する動機がそこで生成されるし、平和だった生活が(一度だけ)消え去るのもその場からだった。

余談

ところで前回褒め称えたクロエ・グレース・モレッツは当時18歳だったらしい。とんでもない色気でした。

そして音源はハリー・グレッグソン=ウィリアムズという人が担当していて、この人はメタルギアソリッドシリーズというゲームの音も作っていた。確かにだいたいのBGMが格好良かった。

次があるとしてぼくが見たいかどうかわからないことだけが怖い。次を作るということは、1の真逆をやらなければならない。1で圧倒的に強かったイコライザーが、その立場を危うくするようなところをぼくは見たくないためです。

もちろん、ご覧になられた方がいたとして「~な感じだから大丈夫」とかをご好意で教えてくださろうとする場合があるかも知れませんが、ぼくにとってはそれだけで内容をばらしてしまうことと同義なので仮にそんな方がいらした場合はなさらなくて大丈夫です。

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