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リプトンのミルクティの味を知らない子供たち

それはぼくであり、リプトンのマーケティング失敗について知らなかったので感想を書いてます。ヘッダ画像をお借りしています。

まずぼくはリプトンの熱心なファンとか誠実なファンじゃないことに留意いただきたい。今回のことを知ってリプトンとはロイヤルミルクティーの企業だってわかったんだけど、ぼくにとっては唯一レモンティを売ってくれる企業としか思っていなかった。

それは清涼飲料に含有される精製糖の量がえげつないとぼくは思っていて、仕方なく脳が出先で紅茶を欲しているならせめて好きな柑橘系が含まれているレモンティを選ぶしかできないからでした。だからそんなにミルクティがうまいのか、と我が身の不明を恥じる。恥じたところで精製糖の含有量がよりえぐそうなミルクに手が伸びるとは思えないんだけど。

ことのあらましはちょうど一年前に「リプトン ミルクティー」が味を大幅に変更した「リプトン ロイヤルミルクティー」になったことだったらしい。マーケティングの間違いとは、長年売り続けられてきた前者が信じられないぐらい潜在顧客(といいますか可視化出来ない顧客ですね。500ml紙パックの顧客だと、多分母数が多すぎてお得意様もディープなファンもくそもないのだ)を抱えていたことにリプトンは一切気づいておらず、「もっと高級な味にしたろwそのほうが売れるに決まっとるw」という戦略で後者を売り始めて一気に顧客離脱が起きた。

これだけ見ると滑稽だけど本人たちにしてみたら会社存続の危機だったことだろう。

この戦略に落胆した顧客は最低でも667人いた。この数字はリプトンにこの戦略がいかにあほだったかを投書した人たちの数だ。

母数がコンビニ圏内の国民全員である飲料メーカーにとってたった667人からの投書なんて意に介すべきものではないと思えてしまうけど、結果的にこの数字そして全員の熱量に押されてこの失敗マーケティングをやめるまでに至った。つまり味がもとに戻った。

でぼくはことさらに「テレビ番組は見るけどテレビ番組然としたCMが流れる場所には関与しない」タイプの消費者であり、この顛末について一切知ることはなかった。だからリプトンにとってこの文はなんの参考にもなりません。

これはどっちかというとSNS寄りのマーケティングだったのでしょうか。いま言ったマーケティングとは、あほな味の改定をしたリプトンがさらに改めて元の味に戻したマーケティングのことを指します。

この味戻しでは、リプトンは青春恋愛映画みたいなものを造った。それがいま語っている意味のマーケティングの中身です。あと渋谷だかどこかでその1場面を切り取ったようなでかい広告を出した。あとつべで見れるようにしたんであれば、つべとはSNSなのでSNSマーケティングなんですかね。どちらでも良さそうです。

ぼくはワンピース……?だったか魔女の宅急便……?だったかの若返りCMだったか無理やり青春あてはめCMが心底きつかったので、自動的にこういった商売に視覚をシャットアウトする機能が備わってたのかも知れない。とにかく知らなかったわけです。こんなにも右往左往したマーケティングをリプトンは頑張っていたというのに。関わっているのはいま有名な電通。

それを踏まえてこの前ほしのこえの監督のインタビューを見たんだけど、とにかく何かを創造したい人にとっての励ましのメッセージという側面が強かった。自分と同じように映像を創りたい人とか、何らかのアートとか。

ぼくはこのリプトンの顧客カムバック施策がアニメーションで提示された意味についてずっと考えていたんだけど、アニメ業界のきつさとかが浮き彫りになった結果労働人口がもっと減ったりして余計薄給になってしまわないか勝手に一方的に心配していて大きなお世話だと思う。

だけど、普通のアニメーションだけじゃなくてこのようなCMを(今回はCMじゃないのかも知れないけど)造る人間に憧れて業界の門を叩く例があってもいいように感じた。つまりアニメーション企業も23分の映像だけでなくこういうのをガンガン作れるようになったら色々と回るからいいよねということです。

もっとCMにアニメーションを起用しましょう。

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中村風景
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