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頭の中に男根のことしかない娘がすべてを滅ぼす我が名はヴェンデッタ

我が名はヴェンデッタの感想です。ヘッダ画像をお借りするかどうか迷ってかりました。

言い訳

まず言い訳したいんですが
1、別にぼくは女の人を悪く言いたい癖(へき)があるわけではないということです。
2、そしてぼくはこの映画を見てジョン・ウィックの子供がいるバージョンかな、と思った。そして
3、男根に興味がありすぎると看做すかどうかは、それぞれの視点から大きく変わってくることでしょう。

この3点に自分でも留意して色々書いていきたい。

男根

まず男根の件ですが、映画の主役は殺し屋であるとぼくは思っています。つまり親父だ。親父がジョン・ウィックなわけです。

そして、男根のことしか考えていないのはその娘です。

この娘が、現代的思春期たる理由において家族を滅亡に導くわけです。つまり
・アイスホッケーでそこそこ強くて調子乗ってる
・調子乗りついでに親の眼前で男と抱き合うだの舌を入れ合うだのする
・家族は車の運転にまだ反対しているが、押し切る(これだけは後で功を奏す)
・承認欲求を標準装備しており、頑なに写真を撮るなと明言している親父の写真を撮って個人情報ガン付きの状態でアップロードする(直接的な家族全滅要因)
・既に八方塞がりである状況を認められず、親父に当たり散らす、物に当たり散らす
・既に八方塞がりである状況を認められず、親父に親父との会話以外に使ってはならない携帯で男を呼び出す(せっかく生き残った男が死ぬし隠れ家の意味がなくなって自分の命を失う寸前まで行く)

どうっすか?これを男根主義と言わずしてなんとする。それが言い過ぎならマセガキでも良いけど、このマセガキは19歳らしかったがそれは大して意識していない限り最後らへんにわかる。だから19歳をしてマセガキと見做すかどうかには疑問が残る向きもあるでしょうが、話が進まないので一旦置いておく。

それぞれの立ち位置からの見方

で上記段落はマセガキ視点から見るとあまりにも一方的だと言えるでしょう。

ただ、こと視聴者に限っては娘じゃない方に感情移入する舞台装置が揃っている。

それは先にも書いた
>・調子乗りついでに親の眼前で男と抱き合うだの舌を入れ合うだのする
について。

せっかく両親が見に来ているというのに、こんな調子乗りあります?……というのはまた話が吹っ飛ぶので置いておいて、この光景を見せつけられた親父があの野郎が娘を傷つけたら俺が命を刈り取ってやろう的なせりふを遠隔から言うわけです。そんなんこっちに感情移入するでしょう。

でマセガキ視点から見ると、自分は恵まれていると。どう見ても幸せな家庭だ。

山のログハウスを巨大化させたみたいなすんばらしいまんまとインスタ映えしそうな景観と家に住んでいて、クラブで強くて男がいて、(そこまでは書かれてないけど)SNSも問題なく使えている。いじめとかにもあってない迫害もされてない。成績は知らない。

こんな最上位クラスまで鍛え抜かれた温室で育っていたら、まさか親父が自分を産む以前に殺し屋でありマフィアのトップの子供なり手下なりをぶっ殺しまわっていて警察にではなく裏の世界で全世界に指名手配されており、イタリアの政治は腐敗していてカス以下のマフィア程度が監視カメラなりSNSなりの画像サーチみたいなシステムを牛耳ってしまっているという不幸と表裏一体で自分のその幸せが確保されているのだとは夢にも思わないだろう。

だから男だか家族だかを殺されてようやく落ち着いたマセガキが親父に「親が殺し屋だったなんて知らなかった」的なことを言った時、ぼくも「確かに……」と一応思うことにはなってしまった。

その後さらに自分のせいで(SNSで承認欲求丸出しの薄汚い性格を晒してしまったがために)一族郎党皆殺しになったことを反省するんだけど、もしそこで開き直ってたらぼくはもうこの映画を継続視聴できなかったと思うので、そのあたりを薄氷を踏むバランスで造られているのだなあ、偉いよなあと思った。そうじゃない、監督が薄氷を踏む―――――監督の中ではまだ踏んでないのだろう―――――映画だったらぼくらはそれぞれ自己判断で見なくなるのでしょう。言わないほうがいいんでしょうが、ぼくはそれがTed2だった。

Ted2はモーガン・フリーマンが出るというからみたんだけど、口が悪い生き物たちが口の悪さを褒め称えあってげらげら笑っているだけの映画だった。二倍速ぐらいで見た。

ジョン・ウィック

ぼくはジョン・ウィックに対しても並々ならぬ不信感を持つことになってしまい残念なことがあった。それはお知りになりたい方だけがプロフィール検索あたりで探していただければいいでしょう。

結局一人ぼっちになったソフィア(マセガキ)がひとりでもやっていけそうな終わり方をしているので、それこそジョン・ウィックみたいに我が名はヴェンデッタ2を作ろうと思えば作れるんでしょうが、上記の通りソフィアに何の魅力も感じないためいいんじゃないかなという感じです。

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中村風景
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