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自由が丘 ネコ日記 「二子玉川の花火で怯えるクリボー」 外猫に戻ったクリボー編

クリボーがチュールを食べる時、以前のように食べ切るまで落ち着いて食べることが少なくなっています。
途中で、さっと身を後ろに引いて、僕がチュールを皿に置くまで、距離を取り続けることもあります。
また徐々に、落ち着いてはきてはいるのですが、不思議です。
恐らく、外で誰かにチュールを与えられ、怖い思いをしたのかもしれません。僕もそろそろ大丈夫かと、手を伸ばしたわけですが、クリボーは触られることについては全く許しません。

庭でドアが開くのを待つクリボー

保護猫団体が、飼い猫の条件にあげる、抱っこ出来ることに程遠く、こうして順調にいっているようで後退してしまいました。
いや、僕はクリボーを飼い猫にしようとは思わないのですが、出来れば、室内で生活することを選んでくれないだろうかと考えています。

外でチュールを食べる時い怖い思いをしたのなら、人間の区別もあまり付かないのかもしれません。しかし、クリボーはうちを選んで毎日、何度も何度も通ってきますし、僕の目の前で、腹を見せることも多くなっているのにです。

うちの実家の飼い猫、チンチラゴールデンもやはり、触ることを無茶苦茶嫌うネコではありましたが、僕は短時間であれば大丈夫だったのです。

こんなことがあって、僕は、あぁクリボーはやはり、家猫修行時の状況も思い出され、飼い猫には馴染めない、ネコなのかと少し寂しい思いと、あの時、ケージから出して、窓からクリボーを外へリリースする時に、覚悟した、永遠の別れが蘇ります。

こうして何度もうちに来て、窓の前で待っています。

リリースした窓からクリボーは外に出た後で、そのフェンスを越えた先が今でもクリボーのテリトリーなのです。窓を開ける音に気がついて、クリボーはフニフニーと鳴きます。そしてうちに舞い戻ってくるのです。あれだけ、ケージで辛い思いをさせたのに、うちに戻ってきます。

ご飯が欲しいという欲求だけで、うちに通ってきている様にも思えない時があります。

生まれた頃からクリボーは、僕が庭掃除をすると近く寄ってきて、終わるまで待ちます。お腹が減っているのでしょうが、どの時間でも割とすぐにきて、そばで待っています。
クリボーには兄妹がいて、妹ネコのジュンちゃんも同じように待っていました。親から教えられたのかと思うこともあります。

クリボーの妹、ジュンちゃん

よく、仔猫を捕獲しても、親ネコはすぐに諦めてしまう個体も多い様です。ですが、うちの周りの仔猫は、親ネコと離れようとしませんでしたし、親もずっと仔猫を見守り続けていました。
これを見て、人間も同じなんだろうと思います。
親の愛情を受ける仔猫は自然に優しいネコへなっていくようで。まぁ甘えん坊ではあります。
しかし、人の場合、愛情を知るのは親とは限らないですけどね。

ネコの親子。グラタンとグラタンのママ。親子の絆はこんなにも強いとは知らなかった。

クリボーの社会性は完全に、親ネコの影響を受けて1歳半過ごしていますから、これを人間社会への適応は荒業と言いますか、確かに無理なのかなと。

二子玉川の花火大会は季節外れの今頃なんです。クリボーも遠くでなる花火の音に怯えていた様です。生きるための臆病なのですが、その壁は厚くなっていて、乗り越えられないかもしれないです。もう、ケージに入れて、ゴム手袋はめて、強引に家猫を覚えさせるなんてことは、僕には出来ないです。

クリボーは24時間、何かに怯えています。耳の動きが止まることはありません。部屋で熟睡した10分くらいでしょうか。
これでは寿命が3年だとしても、理解できる長さ。
3mくらいの壁を作って、家庭菜園をうちの庭に出来たならと妄想しています。

秋が終わりそうな頃に花火。少し高いところに行けば、自由が丘から二子玉川の花火が見えます。

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Hirolie  Matsumoto
サポート頂きました費用は、全て野良子たちに還元されます。日々の食事、健康管理のための医療費。人間の勝手から外で生きることを余儀なくされる彼らを少しでもサポートするよう活動しております。