自由が丘 ネコ日記 「プリンは引き下がらず、必死のクリボー」 外猫に戻ったクリボー編
前回の記事から、クリボーは毎日必死です。
以前のクリボーであれば、朝1度、夕1度、深夜1度、というだいたい日に2、3度来ては、気が向けば1時間ほど部屋にいる感じでしたが、ここ1週間は、1度来ると、4、5回は出たり入ったりを繰り返します。
テラスにいて、うちに入りごはん、家庭菜園に行きトイレ、またうちに来てごはん、テラスでひと休み、またうちに入りごはん、隣のうちの庭でトイレ、のような事を繰り返しています。
自分の家のように過ごしているようです。
テラスで腹を見せてゴロゴロと転がり、一説によるとこれは飼い主を守るポーズだとか。どうにも心許ない守り神なんですが、、、。
プリンが現れるようになってから、こうして、うち(僕)との結びつきを深めるかのような行動に出ています。かといって、ひと晩うちに泊まるわけでもなく、部屋やキッチンや廊下やらを必ずひと回りして出ていきます。窓越しにテラスで一旦、僕に挨拶をすると、どこかへと行ってしまうのです。
どうも遠くにいるような感じは無く、すぐ近くにいて、じっとしているようではあります。しかし、今回、プリンが舞い戻り、事態は一変しています。プリンはクリボーと大きく性格が違い、非常に独占欲が強く、気性も荒く、僕を目の前にしても怯むことは無いので、波乱がありそうです。
プリンも僕にシャーと言いますが、これはごはんくれ!のサイン。わかっています。2年前からそうです。うちにくるノラ子達も共通して、ごはんくれ!のシャーをするようになりますが、そのうち、そこまでしなくてももらえるとわかると、シャーを言わなくなってきます。
プリンは昼間来て、長いと2時間くらいはテラスに居座り続けます。僕が見つかれば、近くに来ます。庭掃除をする時も、傍で掃除が終わるまで、待っています。どうしてもという勢いではありますので、基本的には自分の家(プリンの家)でごはんをもらってくれと言いつつ、ひと皿だけ出します。
するとすぐに急いで食べ始めます。他のノラ子と同様に、食事中も前後左右に注意を払い、家庭菜園を睨みつけたり、自分の後方を振り返り、他ねこいないか確認したり、耳も360度に向けています。
この常に緊張し、注意を払い続ける、この状態で長生きできるはずも無いのですが、いつ誰が襲ってくるもかもわからない外の世界なのです。
というのも、プリンも他ねこが食事の時に飛びかかって追い出していました。ごはんの確保に必死。
だから、家猫は何て幸せなんだろうかと思うのです。友人たちの飼い猫の写真を見るたびに、僕は、このノラ子たちにも安心と安全を与えることは出来ないのだろうかと考えているのです。
その一つの方法が保護だったわけですが、その保護を拒否するノラ子もかなりの数います。
僕は犬猫シェルターへ何度かボランティアに出向き、掃除や犬の散歩を手伝いました。様々な理由があって、飼うことを拒否された犬猫は殺処分寸前にシェルターに引き取られます。先ほどのノラ子が必ずしも飼い猫になるとは限らないの通りで、シェルターに引き取った犬猫たちもまともに暮らしていけるか、これまた難しいのです。ボランティアの人は、家を犬猫のために提供したりと献身的にいるにも関わらず、犬猫たちは人間の思うようにはなりません。僕はどうにも心が崩壊しそうになってしまい、これは出来ないと考えてはいました。
今、熊が人を襲う事件が多発しています。食料が無く、いつ牙を剥くかわからない動物たち。信用はしているものの、犬や猫がいつそうなるかもわからないのです。
僕は小さい頃、動物にかなりの恐怖心がありました。なぜかわかりません。犬も猫もダメだったのです。その野生の本質が見えていたのかも知れません。変な夢を見続けていました。
アフリカゾウが僕を追いかけてくる夢。ずっとその夢を見続けるのです。こんなことがあり、僕は動物たちへの恐怖心が生まれたのかも知れません。
動物と共生していくこと、同じ屋根の下で暮らす難しさを僕は知らされています。今は外猫のクリボーと、さらに通いくるプリン。この猫の世界をどうすれば平和になり、ノラ子たちが寿命まで生きられるにはどうしたら良いのでしょう?
今日も答えが出ないのです。そして、クリボーは元気に帰ってくると信じています。