売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密/木下勝寿(2021/06/16)【読書ノート】
『超効率経営の極意』がついに解き明かされる
成功する経営者は、どのようにしてゼロから会社を立ち上げ、上場までこぎつけるのだろうか。この問いに答えるべく、ある一人の社長がその秘密を明かした本がある。その本には、「超効率会社の作り方」が15の公式、44の図表、47の計算式で誰でも再現できるように徹底的に解説されている。
全国から寄せられる絶賛の声
この本は、すでに多くの経営者たちから絶賛されている。たとえば、「『5段階利益管理』であっという間に利益が6000万円増えた」という声や、「経営者として“売上10倍はリスク10倍”に深く共感した」という意見がある。中でも、「売上を下げたほうが利益が出るなんて!」という驚きの声や、「売上ゼロでも生き残れる『無収入寿命』という概念に目からウロコが落ちた」といった感想が印象的だ。
たちまち9刷! 日経新聞続々掲載!
この本はたちまち9刷に達し、日経新聞でも続々と取り上げられている。さらには、中国、台湾、ベトナムから翻訳オファーが殺到しているという。
株価上昇率日本一(1164%)の超効率経営
この本の著者は、無一文から会社を創業し、わずか4年で上場させた人物だ。その会社は、株価上昇率日本一を記録し、コロナ禍でも盤石の経営を維持している。その秘密は「売上を下げる」という逆説的な戦略にある。
売上を半減させ、利益を1.5倍、利益率を3倍にする方法
売上を10倍にすることが必ずしも利益を増やすわけではない。不況下では、売上10倍はリスク10倍となることがある。著者は、売上を半減させつつ、利益を1.5倍、利益率を3倍にする方法を明かしている。さらに、売上ゼロでも生き残れる「無収入寿命」の概念を紹介している。
5段階利益管理で会社の弱点を一発で見抜く
「5段階利益管理」は、会社の弱点を一発で見抜くためのツールだ。売上総利益(粗利)、純粗利、販売利益、ABC利益、商品ごと営業利益の5つの段階に分けて管理することで、どの部分に問題があるかを特定できる。
少数精鋭で他を突き放す「5つの戦略」
著者の会社は、少数精鋭の集団で他を突き放す「5つの戦略」を駆使している。商品戦略、販売戦略、顧客戦略、人材戦略、そして経営×マーケティング戦略の5つだ。これにより、著者の在任期間中に株価は113.7倍に上昇し、「市場が評価した経営者ランキング」でも第1位に輝いた。
無収入寿命の概念と利益最小化、利益最大化
著者は、「売上最小化、利益最大化」を新しい経営のキーワードとして提唱している。現代の変化の激しい市場では、売上が上がっても必ずしも利益が上がるわけではない。むしろ、売上が増えると同時にトラブルやアクシデントも増えるため、無駄な売上アップを目指すべきではないという。
この本は、eコマース企業だけでなく、全業種で使える「5段階利益管理」の考え方を詳しく解説している。自らの会社を盤石にしたいと考える経営者にとって、必読の一冊だ。
木下社長が語る商売の原理原則
木下社長が提唱する商売の原理原則は、以下の3つに集約される。「売上を減らせ」「有名になるな」「時代の波に乗るな」。これらの原則は、一見すると逆説的に思えるかもしれないが、現代のビジネス環境では非常に重要な戦略だ。
売上を減らせ
企業の目的は利益を上げることであり、売上はその手段に過ぎない。売上を追求することは必ずしも利益に繋がらず、むしろ固定費の増加や管理コストの増加を招く可能性がある。例えば、木材をそのまま売るよりも、おしゃれな椅子に加工して付加価値をつける方が利益は増える。同様に、売上を上げるための安売りや広告費の増加は、一時的な効果しかもたらさない。現代ビジネスでは、売上最小化利益最大化を目指すべきだ。
有名になるな
ターゲットに対してピンポイントで認知を広めることが重要だ。かつて、木下社長が「北の達人」の商品をメディアに取り上げられた際、期待された売上増加は実現しなかった。逆に、競合が増え、存在感が薄れてしまった。今では、木下社長はWeb広告を活用し、特定の興味を持つ顧客に絞ってプロモーションを行っている。これは、テレビCMや新聞広告に比べて、非常に効果的でリスクが少ない。
時代の波に乗るな
一時的なブームに惑わされず、長期的に愛される商品を提供することが重要だ。北の達人コーポレーションでは、実際に効果が確認された健康食品だけを取り扱っている。ブームに乗る商品は、競争が激しくなりやすく、長期的な利益を得るのは難しい。LTV(ライフタイムバリュー)を重視し、長期的な利益を追求することが求められる。
LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の重要性
LTVとは、お客様が生涯を通じて企業にもたらす価値のこと。少額でも継続して購入してもらうことで、企業は安定した収益を得ることができる。北の達人コーポレーションは、定期購入を主体としたサブスクリプションモデルを採用し、LTVを最大化している。これにより、高い利益率を維持し続けている。
結論
木下社長の原理原則をまとめると、以下の通りだ。
売上を減らせ
売上の急拡大はリスクであり、固定費の急増を招く。売上は少なければ少ないほど良い。
有名になるな
Web広告を活用し、知ってもらいたい人にだけ知ってもらう。ターゲット以外の人に知られることはリスク。
時代の波に乗るな
一時的なブームに惑わされず、ずっと愛され続ける商品を売る。LTVを重視し、長期的な利益を追求する。
これらの原理原則は、現代ビジネスにおける成功の鍵となる。売上や知名度を追いかけるのではなく、長期的な利益と顧客価値を重視する戦略が求められる。
◎第1章:売上ゼロでも生き残れる「無収入寿命」という考え方
◆売上ゼロでも現状維持できる「無収入寿命」
◆無収入寿命=純手元資金÷月額固定費
◆資本金1万円、PC1台でスタート
◆「無収入寿命0か月」と無一文からの再出発
◎第2章:売上OSが利益OSに変わる! 売上最小化、利益最大化の法則
◆売上と利益をセットで管理する思考法
◆売上10倍は「リスク10倍」
◆史上初の4年連続上場
◆「多産多死」から「少産少死」
◆矢沢永吉の言葉に触発された「D to C」×「サブスクリプション」モデル
◆利益は目的、売上はプロセス
◆新入社員に社長がしている「利益」の話
◎第3章:会社の弱点が一発でわかる「5段階利益管理」
◆5段階利益管理の導入法
◎第4章:小さい市場で圧勝する商品戦略
◆「生活者視点での品質」を評価する750項目
◆サブスクを促す秘策
◎第5章:利益率29%を実現する販売戦略
◆「上限CPO」と「時系列LTV」をマネジメントする発想
◆「イノベーター理論」で考える顧客獲得戦略
◎第6章:ファンの心をつかんで離さない「演歌の戦略」
◆必要な人だけに広告を届ける「マーケティングファネル」の発想法
◎第7章:未経験者でも利益を上げ続ける人材戦略
◆総合職社員中心とアルバイト・一般社員中心では組織のつくり方は変わる
◆優秀な人材の見極め方
◆広告運用にはIQ130の人を採用
◎第8章:売上1000億・利益300億円を実現する戦略
◆AIを核にしたデジタルマーケティング戦略
◆広告におけるハッピートライアングル
◆企業の成長段階に応じた利益戦略
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