誰かが私を殺した/東野圭吾(オリジナルレコーディングAudible版)【読書ノート】
加賀恭一郎シリーズの新展開がついに始まる。
今回は耳で楽しむ新感覚、東野圭吾がオーディブルのために書き下ろした完全オリジナル作品だ。1400万部を超える大人気シリーズに、新たなバディが登場し、さらなる進化を遂げる。
物語は、亡き夫の月命日に墓前で祈りを捧げていた私が、突然の衝撃を背中に感じたところから始まる。気がつけば、肉体はこの世に残して魂だけが浮遊していた。どうやら私は誰かに撃たれたようだ。
警察の遺体安置所で目にしたのは、警視庁捜査一課の加賀恭一郎警部とその部下、新澤という女性刑事。彼らの捜査を見守りながら、なぜ自分が命を奪われたのか、思いを巡らせる。
私は国重ホールディングスの「女帝」として、全てを完璧にこなし、母親としても、来月結婚を控えた一人息子に深い愛情を注いできた。しかし、信頼する者はとことん守り、逆に信用を失った者は容赦なく切り捨ててきたのも事実で、その過程で恨みを買った人間も少なくない。果たして、その中の誰かが私の命を奪ったのだろうか。
やがて加賀は、わずかな手がかりを積み重ね、事件の真実へと近づいていく。その推理の果てに明らかになる真相は、私の想像をはるかに超えるものだった……
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