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増水した川を見に行く人の理由

これはいつもの妄想話ではないので、
お間違いのないようお願いします。

 
数年前。
ある取引先の年配の方との会話。
 
「今回の雨、
 凄かったですね」
「水上がった?」
 
「いいえ。
 うちはかろうじて大丈夫でしたけど、
 近所では土のう積んだって言ってました」
「場所によってはまだ水があふれるんだよな。
 でも昔はもっとひどかったんだよ。
 ここら一帯ちょっとの雨で、
 あそこの川が氾濫はんらんして」
 
「私は体験してないけど、
 知り合いの方からもその話、
 お聞きしました。
 特に地盤じばんが低い場所に、
 家があったとかでいつも大変だったって」
河川敷かせんじきの大工事があって、
 あれから洪水はなくなったけど、
 本当に雨が降っただけで、
 みんな大騒ぎだったんだ」
 
「そんなにですか?」
「うちは地区で当番があったんだよ」
 
「何の当番ですか?」
水位をみんなに知らせる当番
 
「そんなのあったんですか?」
「今みたいに予報が正確じゃなかったし、
 速報とかなかったからね。
 あとは農家が多い地区だから、
 直ぐに水かさを確認して、
 近所に知らせて回ったって聞いたな」
 
「そんなの危ないじゃないですか。
 よく川に行って流されたって、
 今でもニュース聞きますよ」
「うちの爺ちゃんの頃にもあったって。
 たぶんその当番の人か、
 その習慣がある人だろうな」
 
「今はもうないですよね?」
「俺も若い頃、
 一回だけ当番回ってきたけど、
 結局、治水されたから、
 当番制度もいつの間にか、
 なくなってたなあ」
 
「そういうことがあったんですね」
 
昔は防災目的で、
川の水位を調べる
当番制度
があったようです。
 
特に水が上がることで被害が出る、
農村部に自然とできた
組織的な動きだと思われます。
 
全国探せばもっとありそう…。
 
もちろん個人的な好奇心で、
行かれる方もいると思います。
 
ただネットではなぜ危ないのに、
川に近づく人が減らないのか、
不思議がって理由不明となっていたので、
私が知っていることをここに。
 
高齢者によっては、
昔していたことを、
条件反射で行う方もおられるので、
身近にそういう行動をする方がいれば、
尋ねてみるといいかもです。
 
今はこうこうこういうことで、
そんな必要はないんだよと…。
 
不可解な行動には理由があって、
それを解決してあげることで、
防げる被害もありますので。
 
口づてで伝わればいいなと思って、
書きました。
 
 

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