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【ふるさと納税】リピート寄附とLTVの重要性

ふるさと納税市場は現在プラス成長を続けております。市場発展と競合自治体増加の影響もありますが、その一方で強豪自治体との格差は広がるばかりです。
また、令和5年度のルール改正の影響により広告予算に大きな影響が出ています。
ただ、予算削減があったとしても強豪自治体では数千万~数億円規模の広告予算を持っており、二極化はより一層進むと考えられます。

そろそろ、市場も天井を迎えるであろうという声も少なくなくなっており、新規向け広告での獲得が困難になってくることが予想されます。


○寄附者との関係は費用を掛けてでも大切

新規寄附者については、リレーションシップが全く無いところから寄附をいただくので、広告費がかかります。既存寄附者は、返礼品・自治体価値をすでに実感しているので新規寄附者よりもプロモーション効率がよく、利益率が高くなります。

出典:日本ダイレクトマーケティング学会 学会誌「Direct Marketing Review vol.18」 顧客との持続的な関係を形成するリテンション施策の検討―ふるさと納税による地域商品の需要創造とふるさと意識」喚起―
(著:岩永 洋平)
URL:https://dm-gakkai.jp/wp-content/uploads/pdf/dmr18_3iwanaga.pdf

寄附者との関係(リレーションシップ)が重要であると言われるのは、目の前の寄附を増やすため・売る姿勢を強く押し出す手法やコミュニケーション戦略を取ってしまうと、かえって寄附離反を招く結果になり、寄附者から得られる生涯の通算利益、LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)が減少してしまうからです。

そのため、初回寄附の寄附者を「それっきりのおつきあい」では終わらせず、一定のコミュニケーション(プロモーション)コストを掛けてでも寄附者との関係を維持して、末永く応援を継続いただく方がLTVが高くなるのです。


○“認知”をもらうことがリピート増加への鍵

現在のふるさと納税は「お得なインターネット通販」となってしまっています。
寄附者は「何を頼んだか」は覚えていますが、「どこに頼んだか」は覚えていないことが圧倒的に多くなっています。

ではなぜそのような状態になってしまったのか。

それは現在のふるさと納税が「自治体」よりも「返礼品」が目立っているからです。
また、返礼品が入り口となり寄付を頂いても返礼品を送付後、自治体側と寄附者との関係継続がないことも大きな要因の一つと言えます。

寄附者に対して、継続的な関係交流を持ちかけていますか?

リピーターに繋げるための第一歩として、“認知”をもらうことが重要です。
“認知”をもらうにあたって「継続的」「定期的」「効果検証可能」この3つのフレーズが大変重要です。


○今後のリピーターの重要性

現在はふるさと納税市場が上昇傾向にありますが、必ずいつかは市場が天井を迎えます。
あと数年のうちに天井を迎えるだろう。といった声は徐々に増えています。

市場が天井を迎えた際に安定的な寄付を頂くためには「リピーター」が最重要だと考えます。

市場が天井を迎えると市場の中にいる方のパイの取り合いとなります。
他の自治体以上に寄付を得ようとすると他自治体以上の広告投資が必要です。
また、広告を打ったとしても最終的な寄付を頂ける保証もないですし、
勿論、ふるさと納税が「お得なインターネット通販」になっている今、価格競争により他自治体への流出は極めて高いと言えます。

では、何をすべきか。
現在、自治体に矢印が向いている既存寄附者に対し、アプローチをする必要があります。
ただ、アプローチをするだけではなく「ファン」を獲得する必要があります。

ふるさと納税に限らず、観光などを含めた情報配信を行い、自治体への興味、ロイヤリティを向上させる必要があります。

リピーター・ファンに繋がる既存寄附者にフォーカスすることが今後重要となります。


ふるさと-Lab
https://ltv-lab.jp/furusato/


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