フルーツとしての梅の話。
みなさんは、スーパーマーケット、お好きですか。私は好きです。「これ買ってきてほしいんだけど」と妻から食材の買い物を頼まれれば、雨の日でも雪の日でも喜んでスーパーに行きます。
そのため、1日1回行くのは当たり前。下手したら、帰宅して子供連れて別のスーパーをハシゴしたりする。それくらい好きです。もはや大好きのレベルかもしれない。
もちろん色んな食材を見て、値段を比較して「おっ、こんなのあるんだ」と発見したりするのも楽しいけれど、一番の楽しみは、「頼まれていたものとは別に、こっそり自分の好きなものを買う」こと。
なかでも、果物が私は大好きなので、手ごろなお値段で気に入ったものがあれば即買う。今の時期、私の住んでいる関東では、ぼちぼちアレが出回ってきている。
そう、「青梅」だ。
東京の西のほうにある市のことじゃない。青く、まだ完熟していない緑色の綺麗な梅のことだ。
今回の記事は、スーパーの話かと見せかけて、梅の話です。梅が主役。
「えっ、青梅なんて食べないでしょ」
「いや、そもそも果物じゃないし」
そのような批判もあるだろう。
しかし、誰が何と言おうと、梅はフルーツなのだ。
私の勝手な判断で「甘くてジュースになったりするもの」は全てフルーツに該当する。木になるとかならないとかは関係ないのだ。スイカもフルーツ、イチゴもフルーツ。花梨(かりん)は味は渋いけど香りが甘いし、ジュースにすることもあるから、ぎりセーフでフルーツ。でも、サツマイモは甘いけどさすがにジュースにするのは聞いたことないからフルーツじゃない。あっ、でもキッコーマンの豆乳で、たしか焼き芋味があったような気がする。うーん、じゃあフルーツ、なのか・・?
閑話休題。今回はフルーツの定義の話ではない。
青梅だ。青梅が店頭に並び始めると私が嬉しくなる理由はただ一つ。
これで梅シロップを作れるから、だ。
梅シロップ、作ったことがあるだろうか。もしかしたら、おばあちゃんの家で作っていたのを見たよ、って人も居るかもしれない。梅酒のようにビンに漬けておいて濃ゆくなった梅のエキスを抽出するのだ。ただそれだけ。
しかし、ただそれだけなのに、それを水で割って飲めばもう、そんじょそこいらのフルーツジュースじゃ太刀打ちできない。手作りの旨さが極まる。100%生絞りで作ったフルーツジュースも美味しいけれど、飲んだらすぐに終わってしまう。その点、この梅ジュースは違う。シロップつまり原液を薄めて飲むタイプなので、何杯でも楽しめるのだ。
したがって、梅は、誰が何と言おうと私の中ではフルーツ、なのだ。
大体、私はフルーツ全般大好きなのだけれど、頂いたらすぐに無くなってしまうのが悲しいと思っていた。私が大好きなフルーツランキングは「1位.スイカ」「2位.梨」「3位.柿」なのだけれど、どれも全てほぼ1回で食べ終えてしまうボリュームだ。
「切り分けて食べればいいだろ」という意見も分かるが、長く、じっくり味わいたい気持ちを理解してほしい。それはスイカであっても同じだ。
たしかに、まずはスイカは四等分にする。でも、その4分の1のものは、一日で食べきる。あまり明らかにはしたくないが、私はどうしようもないほどのスイカ狂いなのだ。スイカが出されたらとりあえず皿の上にあるすべての切れ端を平らげてしまう。だから、幾ら大玉のものであっても、4分の1にすれば、理論上は最短4日しかもたない。もちろんそれよりも小分けにしてもいいのだが、やっぱり早く食べきるほうが美味いのだ。切って保存したとしても、時間が経てば経つほど傷んでくる。そういうわけで、やはり長くは楽しめないわけである。
それが梅シロップならどうだろうか。もつのだ。水で割ってもよし、ソーダで割ってもよし、かき氷にかけてもよし。やったことないけど、たぶん牛乳で割っても旨いはずだ。作る量にもよるが、恐らく一か月は持つ。他のフルーツで一か月持って楽しめるものなんてあるだろうか?無いでしょ。いや、ちょっと待てよ。あるか。私の大好きフルーツランキング第二位の梨には、「にっこり梨」さんが居る。あれはかなり持つ。冷蔵庫に入れて一か月持つことがある。しかもそれほど味も落ちないし、なんなら熟成されて甘くなっている感さえあるのだ。いやぁ食べたくなってきたなぁ。でもなぁ、まずはこれからの時期はスイカが美味しくなってくるもんね。小玉も良いが、個人的には大玉が好きだ。大味だとしても豪快にかぶりつくあの快感。ああ食べたい・・!
失礼。ちょっと熱くなってしまった。
というわけで、梅シロップなわけです。去年自分で作ってハマってしまったので、今年も作ろうと。
用意するのは、ビン、青梅、氷砂糖、この3つ。よく聞くレシピというか作り方としては、4リットルの保存用ガラスビンに、1kgの青梅と、氷砂糖1kgを詰めていき、熟成させるだけ。
ただ、細かい下準備というかポイントはある。
以下にご紹介する。
1.ヘタを取るべし
まず、梅のヘタは一つ一つ取っていく。竹串で取れ、という情報もあるが、普通に爪楊枝を使っても取れる。ヘタの端っこの部分をチクッと刺せばすぐにヘタごとポロッと取れる。慣れると簡単だしちょっと楽しい。我が家の子供たちにもやらせてみたら、遊び感覚でやってくれた。助かる。
何でも、市販の梅ジュースと、手作り梅ジュースの違いは、このヘタをいかにきちんと丁寧にとるかというところに現れるものらしい。梅1kgって、個数としては結構あるけれども、きっといつかこの細かく地味な作業が報われる時が来ると信じて、1kg分ひたすらポチポチと取り除いていく。
2.一晩凍らせるべし
全てのヘタを取り終えた梅は、ジップロックなどの食品保存用パックに詰めて、そのまま冷凍庫に入れる。24時間待つ。
理由は知らん。多分旨味が凝縮するんじゃないかな。出来上がりが美味しいので詳しいメカニズムはいいのだ。
3.ミルフィーユにすべし
そうしたら、梅をビンの底のほうから、梅を一面敷いたら、その上に砂糖を一面敷いて、さらにその上に梅をまた一面敷いて・・といったようにミルフィーユ状態にして敷き詰めていく。私はこのやり方しか知らないが、氷砂糖ではなく、上白糖やハチミツでも作れるらしい。いつか試してみようかな。
4.ひたすら寝かせ、でも時にはゆするべし
ビンに詰めたら、常温で寝かせる。直射日光の当たらない、高温多湿にならないところで。今回のレシピでは梅を凍らせておくので、放置しておくとビンに結露がめっちゃ出る。収まるまでは二日間くらいかな。なので、タオルを下に敷いたりしてあげてもいいと思う。
で、日を追うごとに砂糖が解けて、梅のエキスが染み出て、水分が出てくるので、たまにビンを揺らすというか、ゆすってあげる。適度にかき混ぜてあげるのもいいとどこかで聞いたこともある。
そうやって10日~一か月ほど待つ。結構待つ。早く飲みたいと思うけれど、待ち遠しいと気になっちゃうので、一回忘れたりしてみる。
5.できあがりと注意点
氷も全部溶けて、梅もヒタヒタになって、十分にシロップ感が出てきたら完成。
シワシワに小さくなった梅を取り出して、シロップを一回沸騰させて冷まして、別の容器に入れて使う。(私はズボラなのでこの工程をすっ飛ばして飲むが)
それと、1点注意。私は経験がないけれど、梅の入ったビンの中に泡が出てきたら、それは発酵している証拠らしい。アルコール分があるようなので、飲むときにはご注意を。
いかがだったろうか。恐らく私のゴミカスのような文章力では、梅シロの魅力は1%も伝わらないことだろう。でもそれでいいのだ。こちらで、こっそり楽しませてもらうから。
ちなみに、我が家にはすでに、昨年シロップを作った際に使用した4リットルのビンがあるが、今回、5リットルのビンも購入した。去年に比べて、より多く作ってみたいと思う。今年は合計で梅3kgと氷砂糖3kg。内訳は、それぞれのビンに梅1.5と氷砂糖1.5で作ってみます。というか今週の頭から作り始めました。一か月ほど寝かせるつもりなので、出来上がりは6月下旬予定。楽しみ。
この頃は毎日、梅のことばかり気になって、何も手につきません。おわり。
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