1月の短歌まとめ 少しの寂しさを詰めて。
泣きたくなるよ君が笑うから
泣いてしまうよ君が見せないから
私はあなたの避雷針で、
あなたは魂の揺かごで眠る
夢が醒めるのを待つ。
獏が悪夢を食べてくれるのを夢見て、
待つ。
そこが痛いそこに居たい
僕の願いは置いてけぼりで、生きてくの
幸せだと繕いながら
僕を縛り逃がさない
まるで呪いだ
陽だまりの中を生きたいだけ、
幸せになりたいだけ、
ただそれだけ
赦してと誰に乞う、誰に問う。
わからないまま僕たち生きてきた
にわか雨みたいだね
降っては止んでを繰り返し
生きてゆくのでしょう
透明な雨が降る
僕だけに見える雨
僕の肩を濡らす雨
好きになりたくないよって言う
嫌いになりたいよって言う
どっちも同じ
爪先の芯まで凍えそうで誰でもいいから
温めてほしい
あと少しだけ生き延びて
何をしよう、誰と会おう、
と手紙に書く
馬鹿だなって愛おしむ
仕方ないなって溜め息を吐く
好き、だから好き
1ヶ月の間と考えたらそこそこの数を詠めたのかもしれない。ポンってフレーズが浮かぶ時もあれば、全く浮かばない日もあるし、せっかく浮かんだフレーズを活かした歌にしたいのに、31文字にまとまらなくて断念したり、入れたかったフレーズを削って全く違う歌に変えてしまったり、そんな感じで言葉を捏ねくり回して四苦八苦している。まさに言葉遊びっていう感じがするな。ちなみに一月に詠んだ歌は、私が大好きな作品の大好きなキャラクターをオマージュした歌だったりする。その作品の世界を思いながら浮かんだフレーズを繋いでいった。大好きだという願いや想いを込めて。
私が短歌を詠む時に大事にしていることは、言葉は鋭く尖らせるけど世界観は曖昧で抽象的に。というところだ。31文字というのは、多いようで少ないし、少ないようで多い。その文字の制限の中で、自分が表現したい事象を形にしなくてはならない。だから鋭く曖昧なくらいが私には丁度いいし、私にだけ分かるフレーズと世界の真実で構成したいという欲もある。
飾り過ぎて作り過ぎたなとか、研ぎ澄まされていないなって思うこともあるけど、そのカッコつけて着飾った部分がその瞬間に私がしたかったことだから、多分正解なんだなとも思う。31文字の中に私の好きの欠片や曖昧さが詰まっていて、誰にも分からない私だけの世界に誰かが共感したりいいなぁって思ってくれたらちょっとだけ救われるな、と思う。