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【IB子育て・日々悶々】すべての評価がすべての基準を網羅しているわけではない: 国際バカロレアの「アセスメント」

おはようございます!

11歳の長男が、この夏から国際バカロレア(IB)のMYP(中学に該当)に進級しています。授業の内容はもちろん、クラス構成も何もかも新しく、母は息子が一気に大人になったように感じています。

一方子どもは、PYPx(初等教育の最終プレゼン)を経験したおかげで、増えた学習量や複雑化したコンテンツでもちゃんと適応しているようです。(クラスメイトたちもみんな!)

これまで、宿題もテストもない中で育ってきた息子ですが、MYPになってから、Quiz(小テスト)やAssignment(課題)が頻繁に行われ、個人的には日本の大学生みたいな生活を送っている、と感じています。

そんな中、親である私自身の適応が求められているのが「Assessment(アセスメント)」です。

Assesment =評価、アセスメント

日本の学校における、評価というと「成績表」や「通信簿」といわれますが、今私が体感する限り、このアセスメントは、成績表とはちょっと感触が違うと思っています。

その一番の理由は、

集団における個を評価するという考えが
背景にない。

という点です。
アセスメントは、あくまでも「個人の成長」を記録しているものです。評価の基準はあくまでも期待値に対する「絶対評価」ではあるのですが、ABCDで評価分けされるのとは違い、もう少し複雑な評価指標が入っているようです。

何しろ、同じテストの中でも評価の内容が多岐にわたって記されることもザラだからです

MYPにおけるアセスメントについて、先日参加した息子たちの先生の言葉を借りて説明すると、

「子どもの学習におけるスナップ写真」

だというのです。つまり、何ができて、何ができない、それに対してダメ、すごいというのではなく、出来るだけ客観的に今の状況を把握するための資料だという考えです。

そしてアセスメントを受け取った生徒やその家族が、どうしたいか、どうしていきたいかを考える材料にするためのものといいます。

私にとって、自分が子どもの頃、学校の成績表に対して抱いていた感覚は、「クラスの中で自分がどんな位置にいるのか」を意識するものと考えていました。これは正直にいうと、母集団のレベルに非常に全てが評価されてしまうことを意味しています。特に大学時代はそのように感じていたと記憶しています。

アルファベットのAをどれだけ沢山取れるか。CやDがなかったからよかったで終わっていたように思うのです。アルファベットが並ぶ成績表を見て、自分の学習方針をどうしたらいいのか、と言うことを考えるきっかけにはならなかったように思います。

小中高時代でさえ、成績が良くも悪くもない場合、そこに書かれているメッセージは記憶に残るものではありません。

一方MYPのアセスメントの場合、ゴールはないともいえます。これをとったからよかった、というわけにはならないのです。

たしかに評価として「応用的な考えができている」といった評価をされることで、親的には安心するかもしれません。しかしその評価を得たからと言って、抜きん出て優秀と言えるわけでもないわけです。一方「基礎的な考え方ができている」と評価されれば、ではこれから応用部分に進んで行こうと考えられます。

親としてははっきり言って見守ることしかできない状況ですが、子どもとの距離を見計らい、理想的な距離感を考えながら応援できる体制で生活していきたいと思います。

あいにく日本語で書かれたこのアセスメントに関する考え方が書かれた資料が見つからないため、英語版貼っておきます。

下記国際バカロレア/中等教育のアセスメントについて(英語)

https://www.ibo.org/programmes/middle-years-programme/assessment-and-exams/

生徒や保護者のためのガイド(英語)


IBOのサイトに書かれているアセスメントの目的:

Identify knowledge, inform instruction, connect with parents:

何を理解しているかを把握し、指導への反映させるとともに、保護者と連携をするためのもの

Help students to state where they are in their Learning.

生徒が自分の学習状況を説明できるようにするためのもの

Wholistic connection of delivered content, actual learning, and the application of knowledge.

配信されたコンテンツ、実際の学習、そして知識の応用が全体的につながっていることを確認するためのもの

For continuous and consistent learning at school and home

学校や家庭での継続的で一貫した学習のためのもの

そしてポイントになる点として書いておきたいのが、IBOは

It might be worth mentioning that not every asessment will cover all criteria

すべての評価がすべての基準を網羅しているわけではない

と言っている点です。あくまでも一つの考察だと言っている。

このくらいのスタンスで、学校の成績を捉えられたら、多くの子どもも親も気が楽になるのではないかなぁと深く思った朝でした。

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