『ディストピア』著者・杉野アキユキに聞く、コミックヒットの裏側!~こぼれ話
累計DL数 70万突破、電子書店でも上位にランキングしている人気コミック『ディストピア~移住先は不貞の島でした~』の単行本(紙・電子)が8/17に発売いたしました!
発売を記念し、著者・杉野アキユキ先生に制作の裏側についてインタビューを行ったのですが、収録しきれなかったお話もありました。
今回はその中から、攻めた企画はどう立ち上がったのか、レビューで話題の「不気味な怖さ」はどのようにつくられているのか、を中心にお届けします。
ヒット作の裏側に隠された制作秘話を、ぜひお楽しみください。
※この記事は「ほんのひきだし」に掲載された記事のインタビューを元にしており、一部重複した内容がございます。
「最高です!これしかないです!」の言葉で、攻めたテーマに挑戦できた。
――攻めた内容かと思うのですが、この企画はどのように立ち上がったのでしょうか?
最初に担当編集・Nさん(以下、Nさん)に企画を5つほど提出すると、Nさんが「このテーマ、面白いですね」と。
「面白い」と言ってもらえたのもあり、結構過激な内容の1話プロットを提出してしまいました。正直、攻めすぎたかも…と思っていました。
ただ、Nさんが「ラスト度肝を抜かれました。最高です!これしかないです!」と不安だった部分を肯定し面白いと言ってくれ、この攻めたテーマに挑戦することになりました。
後から聞くと、初めてNさんと電話でお話した時に映画「ミッドサマー」の話で盛り上がったのですが、その会話の内容から人間の怖さが出るこの企画が一番私に合いそうと思ってくれたみたいです。
また、Nさんは編集部内の他の方にも色々意見を聞いたり、どんなものが売れているのかをちゃんと分析して、「この企画であれば、読者さんにも喜んでもらえる」と思い決めたとのことでした。
私もそのことは、さっき初めて知りましたが(笑)
ギアの強さを調整し、反動を利用することでより恐怖を感じさせた。
――ディストピアの”不気味な怖さ”に関するレビューが多くありますが、お話をつくる上で気をつけた点はありますか?
極端に過激にしすぎないように、というのは気を付けました。
Nさんとも相談し、じわじわ人の怖さを感じる方が不気味だよね、と。
例えば当初の構想では、最初のページでいきなり人が殺されるシーンも考えていましたが、Nさんのアドバイスもあって変えました。
もちろん過激なシーンも怖さを感じるのですが、表情はニコニコしながらいきなり無遠慮に女性の肩を抱いてくる町長のような男性のほうが、薄気味が悪く心理的に怖いんですよね。
ギアの強さを調整し、じわじわと心理的な不気味さを感じさせ、ここぞという時に過激な描写を使うことで、今までの反動でより恐怖を感じる。
Nさんと一緒にその塩梅を何度も相談し、調整を行いました。
その結果、こんなにも読者の方が怖さを感じてくれたのかなと思っています。
イメージ通りに描けると、いいシーンになる
――杉野先生が一番好きなシーンはどこですか?
4話の最後の町長のシーンですね。
このシーンはネームから原稿の仕上げまで、イメージ通りに描けました。
実は、このシーンはNさんも褒めてくれたんです!
読者さんからも反応がありました。
やはり、イメージ通りに描けるといいシーンになるのかもしれませんね。
描いている時はずっと不安だった。単行本発売は、人生で一番嬉しい。
――単行本発売について聞いた時、どのように感じましたか?
人生で一番、と言っていいほど嬉しかったです。
攻めた内容だったので、描いている途中もずっとずっと不安でした。
Nさんにも大丈夫かよく相談をしていました。
一部の人でもいいので楽しんでもらえれば…と思って世に出しましたが、多くの読者のみなさんに面白いと言ってもらえて、嬉しくて嬉しくてたまらなかったです。
単行本発売は読者のみなさんが読んでくれたこそだと思っています。
本当にありがとうございます。
これからも、ぜひ楽しんでいただけると、とても嬉しいです。
杉野先生、ありがとうございました!
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ISBN:978-4-910617-10-7
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