編集者になりたくて出版社に入ったのに、気付けば別部署で7年。転職を決意する前に考えた、自分のやりたい事と能力の関係。
私はマンガ編集がしたく、大手総合出版社に就職しました。
行きたい部署があるのに、やりたい仕事があるのに、そこにはなかなか異動できない。そして、こればかりは、自分の意志ではどうにもできない。
それじゃあ、「自分の意志でどうにかできるものって何だろう」と考えた時、浮かんだ”転職”という選択肢。
そして現在、したい仕事を楽しく目一杯やれています。
同じような状況の方に、なにか役にたつと幸いです。
石の上にも・・・・・もう7年!?
私は元々、【ものを創る・表現する】ということに興味があり、コンテンツをより良いものになるよう支援していきたいという思いがありました。
それが長年触れてきた「マンガ」で出来れば、と思い、美術大学に行き、編集職をずっと希望していました。
就活の時も「希望部署はマンガ編集部」と言っていたのですが、大きな出版社に就職したのもあり、「希望配置はなかなか叶わないよ」と言われていました。
予想通り、別部署に配属されましたが「まあ1年目はそうだろうな」くらいの感じでいました。
3~4年程度で異動、というパターンが多いと聞いていたので、いまかいまかと辞令を待つ日々・・・。
しかしながら、私はそのパターンに当てはまらないケースで、全く異動できる気配がありませんでした。
その時は、「仕事が全然楽しくない!!!」とやけ食いし、4キロ太りました。
最初に転職しようと思ったのは2年目の時
別部署に配属されましたが、やっぱり私はマンガ編集をやりたい。
どうしたらマンガ編集に異動できるだろうとずっと考えていたのですが、編集職に異動願を出せるのは”編集経験者”のみ・・・。
私はもちろん編集経験がないので、異動願は出せず、人事の采配を待つしかありません。
このとき、自分の意志ではどうにもできないことに気づきました。
じゃあ、自分の意志でどうにかできるものって何だろう、と考えた時に選択肢の一つとして”転職”が浮かんできました。
それと同時に、未経験の私が今から”マンガ編集”という、特殊な仕事で戦えるのか不安にも思いました。
2年目から転職を思い始めてはいたのですが、編集部に異動できたらラッキーと思いながら働き、なかなか異動できず、7年が経ちました。
”したい仕事ができない”
”でも、今からでは遅くないか?”
この悩みの板挟みにより、モチベーションもだいぶ低下し、あの頃の自分は本当にヤバかったと思います(笑)
さらに6年目の異動は自分の苦手な業務がメインの部署。
「遅いとか言ってられない!」「流石にこの環境を変えないとまずい!」と思い、転職を決意しました。
業界的な話になってしまうのですが、転職を決意できたのには、”Webtoon”というタテヨミ漫画の流行もあります。
Webtoonは、新しい形式のマンガなのもあり、7年 別部署で勤めた私でも戦えるのではと思いました。
いざ、転職活動へ
転職する、と決めてからは早かったです。
転職の軸は
・自分がやりたい仕事に挑戦できるか
・良い環境・素敵な仲間がいるかどうか
の2つでした。
2~3社並行して受け、最終的に今いる「ファンギルド」に決めました。
「なぜ今の会社を辞めるのか」「なぜ転職先にその会社を選んだのか」「自分はどのようなことを貢献できるのか」ということは、どの会社でもよく聞かれたと思います。
実感としては、自分の軸とその3点ががっちり噛み合った会社は、選考が通りやすかったです。
逆にその3点さえしっかり固まっておけば、転職活動はうまくいくと思います。
ちなみに、今いるファンギルド以外にも内定をもらっていた会社があったのですが、ファンギルドが一番自分の転職の軸に合った環境だったので、ここに決めました。
私は、マンガ編集がしたくて転職を決めたので、そこが一番大事な軸だった訳です。
また、雰囲気がいいな~と思ったのも印象に残っています。
例えば、面接の会議室に入る時も、笑顔でフランクに対応してくれたりと、こちらの緊張を緩めて自分を出せるよう、配慮してくれてるんだろうな、というのを感じました。
もちろん、”マンガ編集ができる”というのが一番大事だったのですが、人と働くので、雰囲気は良いに越したことないですよね。
(転職時、一番不安になるところでもある気がします)
実際の会社の雰囲気なんて、入社しないとわからないだろうと思っていましたが、面接だけでも割とわかる部分は多いんだなあと感じました(笑)
例えば、自社の強みだけ言って、弱みはあまり言わない会社もあれば、弱みまで包み隠さず言ってくれる会社もある。どちらの会社も一長一短だと思います。
私の場合は、その会社の弱みを知ることで、貢献できそうな業務がイメージでき安心したので、後者のほうが合っていたんだと思いました。
気になった会社があれば、まずは受けてみて現場の雰囲気を感じるのもいいかもしれません。
実際にしたかった仕事を目一杯できる環境で
実際に編集業務を始めてみると、楽しさだけでなくもちろん大変さも沢山あります。
楽しさで言うと、「より魅力的になるのはどんな表現か」と作家さんと打合せをして、より良い作品にしていくところはとても楽しく、やりがいがあります。
やはり長年触れてきた「マンガ」と、美術大学で表現に向き合った経験は大きいと思います。
大変さで言うと、仕事を受けてくれる作家さんを探すところ。やはり新規レーベルということもあり、作家さんに私が何を返せるのかというところは面接を思い出してもう少し明確にしていかなきゃなと思っています。
ただ、したかった仕事を目一杯できる環境では、モチベーションが全く違います。
大変さすら楽しくなります(無敵状態)。
私は”編集”というカテゴリーでしたが、どのカテゴリーでも”自分がどうやって役に立つか”をきちんと考えて伝えられる人は、絶対に必要にされると思います。
「興味はあるけど経験がないから…」ということは考えずに、したいことがあればその熱意をぶつけてみると、あなたにとっていい結果が待っているのかもしれません。
私も中々動けなかったので、その気持ちはとてもわかりますが、私はあの時、行動して良かったなと心から思います。
余談:次の転職先に行く前には、絶対休める会社にしたほうがいい。
私は前の会社の有給を使い切りたいなと思っていて、いつ入社したらいいですか?と聞くと「いつでもいいよ」と割と偉い方がフランクに答えてくれました(笑)
入社時期について、融通を利かせてくれたのはありがたかったです。
そのおかげで、前の会社の引継ぎをさっさと終わらし、1か月半くらいの間は、ほぼ自由に過ごしていました!
ゆっくり休めたからこそ、新しい会社で初めからフルパワーで動けたんじゃないかなと思っています(笑)
転職時くらいにしか沢山休みをとれることはないので、ゆっくり休んでリフレッシュしてくださいね~~~!