老害という言葉の居心地の悪さ。他人に不安を与える者に年齢は関係なかろう。

こたろうの怒った顔を見るのは初めてだった。

10代からの長い付き合いだが、草を食む牛のようにおだやかで物静かな男だ。
知らない人から道をよく聞かれるし、ヤバめの連中とも仲がいい。女子には「ちゃんと体操服たたみなよ～」とか小言をいう割に、あとからお菓子配ったりする気遣いもあるので地味にみんなから好かれている。
そんなこたが
『モンスター高齢者』　『キレる老人』　などという見出しのネット記事にやたらと食いついて怒りをあらわにしている。
「多数の意見て、結局はこいつらの主観的な感想だろう。老人てひとからげに論じるのはどうかと思うぞ！」
「へえ、こたろうもヤフーのクソコメとか読むんだ」
「読むさ。ぷんぷんキイイ！」
「そこまで怒るなよ。矛盾が生じるというか整合性がなくなるというか痛し痒しというか・・・」

こたろうの、かつてのあだなは
　”おじいちゃん”
好きなアイスはバニラとあずきバー

※話のフレームが掴めなかった人はあとで職員室に来るように。

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