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ニューヨーク、ボイストレーナー嶋田あや先生とのラジオ収録での対談が面白すぎました。 〜全身が鳴っている Resonance〜

片側だけ音が鳴っている??

 ボイストレーナーあや先生との話で出てくる「片側だけ音が鳴っている」「音の鳴り方」といったことを対面でなくとも、オンライン上でもすぐ判断出来るというお話は大変興味深かったです。

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声帯(Vocal Cords)は喉にある左右二本のヒダ状のものです。弦楽器の弦の様なものです。なので左右の鳴り方が違うというのはこの左右声帯の鳴り方が違うと思われる方も多いかもしれません。

ただ、あや先生の話している左右の音の鳴り方というのは単純にこの声帯の話をしているわけではありません。

そう、体全体を楽器だとして左右の身体の響きが違うという話をされています。

多くの方が声帯が「あ、え、い、お、う」と言った言葉や声を作り出してると勘違いしていませんか?

実はそれは間違いです。

元々、声帯というのは音のベースとなる振動音(原音)しか作れません。

声は、声帯で作り出された振動音(原音)が、口腔、咽頭(上中下)、鼻腔、舌の形で共鳴して初めて「声」と呼ばれるものになるわけです。

さらにその響きというのは頭蓋骨、胸郭などでも共振しますので片側の音の響きが悪い、または左右で音が違うということが起きるわけです。(もちろん僕にはその差を聞き取ることは出来ませんが。。。^^;)

音響工学的に考える

私は音響工学を学んだことはないのであくまでも素人知識で話していきます。

音を上手く響かせるためにはまず、

 1) 振動エネルギーと「音」として伝道する。
 2) 振動を吸収させない。
 3) 音をかき消す共振を起こさない。

と言ったことが大切になってきます。皆さんもご存知の様に音は空気の振動です。その波長が共振して打ち消しあうことも強調し合うことも出来ます。

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なので音源(声帯)が同じでも相手に届く音量や響きが、部屋の状況によって変わってくるわけです。教会などで音が響くのは音を吸収する素材が少ないからです。

そして、身体の使い方によっても相手に届く音量や響きが違う訳です。

簡単な例えば「メガホン」を使った時は口の空いている方向の人には声は大きく聞こえますよね。これはメガホンで音を共振させ波長を倍増させているからです。

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音が全身で鳴る?

さて、全身が鳴るというのはどういうことなのでしょうか?

楽器で例えてみると、振動成分をロス無く伝えるために開発されてのが管体です。管内で共振させることで、振動が増幅され、大きな音となって管から外へ出てきます。ですので、大きく身体を広げて使った方が響きやすいということになります。

柔らかい物質は振動を吸収しますので、硬い素材の方が共振します。ですので筋膜や筋肉を広げて出来るだけ張った状態のほうが響きやすいですね。

また、身体のサイズや重さ、そしてコラーゲン繊維の硬さによって共振しやすい振動数というのは個体別に変わります。この辺りを上手く理解し体全体で一番共振する形を作っていくということが大切になってきます。

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少し話が音から変わりますが、

人間は何もしなくてもResonance(共振)を生み出しています。例えば歩く時に踵が地面をヒットすると全身にResonanceが起きます。そして周波数などは個々人全く違うものなのです。呼吸をする時も同様にResonanceが起きますし、さらには心臓が鼓動をする時もResonanceが起きています。

そしてそのResonanceは左右、前後で全く違ったものになるのです。なぜなら人間は神経的、筋骨的、ホルモン的、循環器系的に左右平等ではない生き物だからです。

ですので当然左右の響き方にも差が出てきますよね。

こうした個々の身体の特性、左右差をキチンと理解して、改善していくことが「左右バランスよく音が鳴り」奏でる音がより響くということの大切さだと思います。

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身体が広がる大切さ

音が全身でなるということは全身を使って上手く共振させているということになります。

個々人固有のResonanceを理解し、左右バランスを理解し、身体を響かせるためにはどうして使ったら良いかを理解し、それらを向上させることによってその人その人の最高の音の響きを得られるはずです。

そしてその身体をどの様に変えていくか、エクササイズや徒手療法を使って変化を生み出していくかというのは、私たちの様な身体の専門家の知識、そして技術、運動療法の理解力などがあって初めて達成されるものです。

繰り返しますが、発声を声帯、喉、口、胸郭だけでみていると体全体で音を鳴らすという感覚は得られないと思います。また上達の限界値がすぐにきてしまう訳です(もちろん才能があり元々身体をうまく使える人は世の中いますよ)。

ただ、この全身を広げ、全身で音を鳴らす。そんな指導者や治療家に巡り会えたらあなたの上達は無限大に広がるのではないでしょうか?

あや先生がなぜすごいか?

あや先生のすごいのは

 1) 体の使い方と音の響きを聞き取る力。
 2) 自身でも豪語する「身体オタク」で身体の知識が半端ではないこと。
 3) 自分自身で色々身体改造(人体実験)を繰り返し、奏でる音との関係性を徹底的に理解している。

普通、右の骨盤の広がりを良くしたら、胸郭がこう変わって、右の顎の軟口蓋が広がって、蝶形骨がこう動いたから「音がこう変わった」みたいな話は一般的な理学療法士もボイストレーナーも出来ないです^^;。

あや先生は「声帯に頼った歌い方」で歌えるのはある一定の年齢までであると結論付けています。実際、力任せに音を出すことができるのは精々40代ぐらいまででしょう。

その後は、声帯を痛めるか、音が出なくなるか、この2択です。

この全身を鳴らすことが出来れば90歳になっても素晴らしい響きの歌声でいられるのです。


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