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「クラシック音楽コンサートの観客(聴衆)に、若い世代が少ない理由について

若年層がクラシックコンサートに少ない現象について、さらに詳しく考察


日本には世界的に見ても優れたオーケストラが数多く存在し、演奏技術の高さや音楽の多様性は一級品です。
しかし、18歳~35歳くらいの若い世代がクラシックコンサートにほとんど足を運んでいないのは、非常にもったいない現象だと思います。

では、なぜ若者はクラシックに興味を持ちにくいのか? どうすればもっと楽しんでもらえるのか?
さらに深く掘り下げてみましょう。


1. 若年層がクラシックコンサートを避ける背景

(1) 文化的な背景とライフスタイルの変化

日本では、クラシック音楽が一部の層に限られた文化として定着してしまっている側面があります。

  • 昭和~平成初期までは、家庭でピアノを習う子どもが多く、クラシック音楽への親しみが比較的あったが、最近は「子どもに習わせる音楽」がポップス・ボカロ・アニメソングなどに移行しつつある。

  • 若い世代の音楽視聴スタイルは「ストリーミングで短時間に気軽に楽しむ」形が主流になっており、クラシックのように1曲が長く、じっくり聴く音楽は馴染みにくい。

  • クラシックは「高尚な音楽」というイメージが強く、「勉強しないと楽しめないのでは?」と思われがち。

(2) コンサートの価格と経済的な要因

  • クラシックのコンサートは安くても3,000円~5,000円、S席だと10,000円を超えることも。

  • 一方で、ライブハウスのチケットは2,000~4,000円程度、フェス系イベントも10,000円程度でアーティスト多数出演のため、コスパ面で比べるとクラシックは割高に見える。

  • 「お金を払うなら、友達と盛り上がれるライブの方がいい」と考える人が多い。

(3) コンサートマナーの壁

  • 「途中で席を立てない」「静かにしなければならない」「拍手のタイミングが難しい」などのマナーがプレッシャーになり、未経験者が行きにくい。

  • 「ドレスコードがあるのでは?」と誤解している人も多い。(実際は普段着で問題ないコンサートがほとんど)

  • もし演奏中に咳をしてしまったらどうしよう…と気にする人もいる。(実際、クラシックファンの間でも咳エチケットは議論になるほど繊細な問題)

(4) クラシック音楽の「入り口」が見つけにくい

  • クラシックは「知っている曲なら楽しい」が、「知らない曲ばかりのコンサート」はとっつきにくい。

  • 「どのコンサートに行けばいいのか分からない」「曲を知らないと楽しめないのでは?」という不安がある。

  • クラシックの情報が、一般の若者向けメディアにほとんど載らない。(音楽雑誌・Webメディアの多くはJ-POP、K-POP、アニメ・ゲーム音楽中心)


2. それでもクラシックは面白い! 知るとハマるポイント

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