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悩みすぎたら、思考をほぐす「お守り本」をそばにおこうよ
こんなことを言ってしまうと非常に大人気ないのだが、悩みすぎているときに正論を突きつけられると、つい反発してしまいたくなってしまう。
悩みを周りの誰かに打ち明けて、「〇〇してみたらいいんじゃない?」と意見をもらう。
でも「それができないから困ってるんじゃん!」と内心モヤモヤしてしまう(アドバイスは、後から反芻してみたら納得できることばかりで非常にありがたいので、実際に反論はしないで心にしまっておく)。
さらに落ち込む。
われながら、めんどくさいやつすぎる。
しかも、周りの人に対してだけじゃないのが、またやっかいなところ。本でも同様の事件が起こってしまう。
私は、会話がとっても苦手だ。
「会話が苦手だから会話術の本、読んでみよ!」
そう思って、読んだ本に何度打ちのめされたことか。
「会話が苦手だから本を読んでいるのに、こんなのできるわけないじゃん」と、つい悪態をついてしまう。
本の内容が悪いんじゃなくて、それは私の受け入れ体制が整っていなかっただけなんだけど。
欲しいのは自分に寄り添ってくれる「お守り本」
どうやら私の場合は、悩みすぎているときには、答えを求めて本を選んじゃダメみたいだ。
欲しいのは、自分の気持ちに寄り添ってくれる本。
今の自分を受け入れ、次のステージへ進むための体制を整える本。
まるでお守りのような本。
すぐに答えを探してしまいがちだけど、悩んで凝り固まった頭を、まずはほぐすところから始めたい。
さっきの「会話が苦手」の例で言うと、悩んでいるとき、「会話が苦手」=ダメなこと、と捉えている。
でも、本当にそうだろうか。よく周りを見渡してみると、会話が苦手だという人でも、活躍している人や楽しそうな人はたくさんいる。
だから、「会話が苦手」=ダメなこと、なんかじゃない。
そのはずなのに、私たちはどうしてもマイナスな部分にひっぱられがちだ。
だから、凝り固まった思考に気づかせてくれる「お守り本」の力を借りたい。
本で思考をほぐしたら、行動の選択肢が広がる
本を通して、もし「会話が苦手でもそれが私!」と思えたら、会話術を磨く、以外の選択肢も生まれる。
沈黙を恐れない・話を聞き方を強みにする・言葉数は少なくても行動で示す人になる、など、人によって、いろんな行動パターンが出てきそうだ。
「会話が苦手でも大丈夫」と今の自分を認めて、それでも話し方を研究する!と向上心をもって頑張る人だっているかもしれない。
あるいは、もっと壮大な悩みを抱える人の本を読んで、自分の悩みなど大したことがなかった、そう思う人もいるかも。
周りのアドバイスもほどよい距離感で受け入れられそう。
「お守り本」の力を借りて、ニュートラルな目線で自分の悩みを捉えられたら、もっと素直に考えて、行動できる気がする。
自分の「お守り本」は身近にあるかもしれない
「お守り本」は、自分の気持ちに寄り添ってくれる本。
今の自分を受け入れ、次のステージへ進むための体制を整える本。
凝り固まった思考をほぐしてくれる本。
「いやいや、そんな本、なかなか出会えないのでは?」と思うじゃん?
実は、私の場合は、過去に読んだ本が実は「お守り本」だったパターンが多い。(ちなみに、次点は、書店でふらっと手に取った本)
家の本棚を見返したり、思い入れのある本を読み返したりしてみては。案外近くにあるかもしれない。
どんな本がいいのかは人それぞれかと思うけど、私は、小説や歴史、生活関係の本に惹かれる傾向が強いみたいだ。参考にならないかもしれないが、いくつか紹介してみようと思う。
「天才たちの日課 女性編 自由な彼女たちの必ずしも自由でない日常(メイソン・カリー)」
書店をふらっとしていたら、たまたま出会った本。
出てくるのは、世界のクリエイターの女性たち143人。日課やスケジュール、困難など、日常について触れている本。
「昔の人も現代の人と同じような悩みを抱えているんだな」「正しいかどうかわからなくても、覚悟を決める人は素敵だな」
四方八方に考えを巡らせているうちに、私なりの困難を抱えたままでいいんだ、それもひっくるめて私だわ、と思えるようになった。
「イグアナの娘(萩尾望都)」
昔、眼科で読んで、おもしろかったなあ、と思って、5年ぐらい前に購入した。
周りから見ると美人、なのに自分の姿がイグアナに見えてしまう主人公と、自分の娘がイグアナにしか見えない母。そんな親子の葛藤を描いた物語。
親とのかかわりにわだかまりを感じていた私に、それでもいい、という視点をくれた本。
「hologram(伊藤紺)」
直近で「うわ!」と思ったのがこれ。
下北沢の本屋、B&Bで装丁にひかれて手に取った、伊藤紺さんの歌集。
短歌をこんなに真面目に読んだのは初めてかもしれない。
『「はい」とだけ送ってくるあなたの すごくきれいな「はい」を見ている』
句読点や絵文字なしで送られてきたメッセージに、不思議と親密感を感じる。短歌は想像の余地が大きい。この歌も「はい」とLINEで送ってきたのか? あなたって家族?恋人?友人?と妄想が膨らむ。
それぞれの答えがあっていい。自分の思考くらい、自由にさせてあげよう。読んで妄想しているうちに、そんなことを思った。
伊藤紺さんの「ホログラム」をとうとう開封。下北沢のB&Bで手に入れてから、もったいなくて1週間開けられなかった、真空パックのパッケージ。
— こがふみ (@imusa_aries) February 12, 2022
こんなにときめく短歌の世界があるなんて知らなかった。#読書ノート pic.twitter.com/5oLxWaf1ZJ
よかったら、ぜひ手に取ってみてほしい。
悩みすぎてしまったときこそ「お守り本」を
世の中には「解決する本」がたくさんあふれているけれど、それが自分の気持ちとフィットしないときもある。自分ではどうしようもない悩み、葛藤、怒り、悲しみもある。
そんなときこそ「お守り本」の存在を思い出してほしい。
悩みに直結する答えにはならないかもしれないけれど、自分の気持ちに寄り添って、悩みに向き合う体制を整えてくれる。
頭の中の畑を耕して、ふかふかにしてくれる。思考環境を整える。そうすると、思考が育ちやすくなる。
難しい本でなくてもいい。小説でも漫画でも、自分がピンと思った本にぜひ触れてみて。それがあなたの「お守り本」かもしれない。
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