読書に集中できない人、集合〜!複数の本を組み合わせる「かけざん読書」を試してみて
こんばんは。
一箱本屋「PLOW(プラウ)」が本との付き合い方を考えるnote、今日も始まりました!
突然ですが、あなたは一冊に集中して読む派ですか?
それとも複数冊を行ったり来たりして読む派ですか?
そもそも集中できずに読みきれない派ですか?
なかなか読書に集中できない人にぜひ勧めたい!のが「かけざん読書」。
本によって変わりますが、私はテーマを設けて複数冊を「かけざん」して読むスタイルでして。
飽きっぽい私がじっくり読み進められるのは、この読み方のおかげ……。
ということで、今日は「かけざん読書」のお話をしたいと思います!
かけざん読書のメリットは?
ごめんなさい、これは私が勝手に名付けました。(もっといいネーミングほしい)
ちょっと難しそうだし、かけざん読書の旨みってなんなのよ?って話ですよね。
個人的な見解ですが↓
かけざん読書には、こんな良さがあると思っています◎
同じテーマを取り扱っていても、著者によって見解や考え方は違うので、ひとつのテーマを掘り下げる楽しみがあります……!
そして、一冊では集中力が続かなくても、異なる視点を入れつつ読めば、飽きずに読み進められます。
飽きっぽい人、集中できる時間が短い人(私もそう、集中力が年々続かなくなってきています)にこそ、ぜひ試していただきたい!
その組み合わせ、どうやって見つけた? 本の見つけ方
実は、最初に本を選ぶ段階で、組み合わせを考えているわけではないんですよね。
私が「かけざん読書」をするときは、下記のパターンが多いです。
「読んでいた物が偶然似通ったものだった」「同じジャンルから選んだ」は、もともと関心のあるテーマがあって、本のタイトルや装丁にに吸い寄せられてるのかな、と思います。
再現性を考えると「書店のオススメから選んだ」が1番試しやすいかもしれません。
書店で選ぶならぜひ試してほしいのが「古本屋や独立書店に行ってみること」。
古本屋や独立書店は、従来のジャンル別ではなく、テーマが似ているものが一緒に並んでいることがあります。
そんな書店に当たったら、その棚から選べば必然的に「かけざん読書」が楽しめるはず。
その店主さんのカラーが出るのもおもしろいですよ。
例えば、こんな本の組み合わせ
と言っても、実際どういうことよ、と思う方も多いと思うので、私が実際に読んだ本の組み合わせをご紹介していきます◎
(バリバリ主観が入るので、あくまで参考に!笑)
◆「ナリワイをつくる」 × 「年収90万円で東京ハッピーライフ」 = 生活・お金・仕事
お金持ちになる、高い地位につく、それが幸せ!そんな価値観にイマイチハマれないのが悩みでした。けれど、生きるうえで「こんな生存戦略もアリか!!」と思わせてくれた2冊。
社会の中で、争うことが苦手な人、バリバリ働くことが向いていないと感じる人もいると思うんです。その価値観を優先してもいい。
じゃあどう暮らす?と視点を広げてくれます。
私の場合は、この2冊と出会って、自分の固定概念ががらがらと崩れたんですよね。
生活、お金、移住で悩んでいる人に良さそうな組み合わせ。
◆「異性」 × 「ラヴァーズ・キス」 × 「オシャレな人って思われたい!」 = 恋愛・家族・ジェンダー
男女の違いや関係性にフォーカスして選んだ3冊です。
「ラヴァーズ・キス」では、男女・女女・男男の組み合わせで、それぞれの恋愛模様が描かれています。
「オシャレな人って思われたい!」では、オシャレに関する男女の視点の違いがなかなか興味深い。
そこから「異性」を読むと、男女の物事の捉え方の違いに気付いたり、なにかしら発見があるんじゃないかと思います。
「異性」では、作家の角田光代さん、歌人の穂村弘さんが、「異性」をテーマに往復書簡のように短いエッセイをやりとりしていきます。
しかし、読んでいると、だんだん穂村さんのパートなのか、角田さんのパートなのかがわからなくなってきます(笑)
私がアホなだけかもしれませんが。
なにかと「男女」と括ってしまいがちですが、案外、思考に男女って関係ないのかも? と思わせてくれた組み合わせでした。
恋愛、家族、ジェンダーといったトピックに関心がある人におすすめの組み合わせです。
あと全然関係ないのですが、「ラヴァーズ・キス」「海街diary」「詩歌川百景」は全部リンクさせて読むべき…! 実は、同一の世界線で話が進んでいるんですよね。
そのうち一箱本屋の棚の方にも、3部作を揃えたいと思っています。(ただの吉田秋生さん好き)
◆「日本奥地紀行」 × 「木村伊兵衛 昭和を写す」 = 地元・土着文化・民俗
最近読んで、なるほど、と思った組み合わせ。
明治時代に、1人のイギリス人女性が日本を旅したのはご存知でしょうか?その人こそ「日本奥地紀行」を記したイザベラ・バードさん。
この本は、彼女が東京〜北海道まで旅をした記録で、私の地元、秋田の農村部の描写が出てきます。
イザベラ・バードさんの感想が「秋田が1番気に入った」な一方で、結構辛辣でちょっと苦笑い。
一方「木村伊兵衛 昭和を写す」は、同じく地元秋田の農村の風景を撮影した写真集です。
舞台は戦後の昭和30年代。
それにも関わらず、日本奥地紀行に出てきた描写とそこまで変わらないのでは?とも思えるような生活風景がちらほらと出てくるんです。
農村部の写真、ということを加味しても、戦前とそんなに変わっていなそう。
今まで、親や祖父母世代の話や祖父母の家にあった昔の暮らしの痕跡に実感が伴っていなかったんです。大学時代、文献研究やったのになぁ……。
うん、私たちの生活の礎にあるものは、素朴な暮らしの営みでした。
ご先祖たちがこういう生活をしていたのかと思ったら、自分のルーツに触れた気がして涙が出ました。(私情がハンパない)
読書は自由でいい! 辿るのも楽しみ
かけざん読書をし始めると、本を行ったり来たり、さらに違う本を読みはじめたりするかもしれません。
一冊に集中できないってどうなんだろう……?と思う人もいるかもしれませんが、読書は自由に楽しんでいい世界です。
どんどん本を辿っていくのも読書の楽しみの1つ。
自分なりの読書を楽しみましょうね!
お知らせ:来週の更新はお休みしますZZZ
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