3000円の使い方
書店に入って欲しかった本を手に取り、店内をウロウロしてなんか他にいいのあったら買おうかな〜なんて思っていたら見つけた
原田ひ香さんの3000円の使い方
このようなタイトルは、経済とか節約とかそんなジャンルの棚に置かれていそうなのに、これは普通に文庫本の棚に置いてあって吸い取られるように手に取った。目次を確認すると、
73歳のハローワーク
なんてページがあった。
私の祖母もそのくらいの年齢で最近また仕事を始めた。自分と近しい出来事でもあったからというのと、73歳で新たにチャレンジする人に興味を持った。
あと、垣谷美雨さんの言葉が表紙?(帯というのかな?)に
この本は死ぬまで本棚の片隅に置いておき、自分を見失うたびに再び手に取る。そういった価値のある本です。
と。もう買わない理由が私にはなかった。
私の本棚に一生残る本か。と思うと買うのも読むのもワクワクで楽しみになった。
そんなこんなで前置きが長くなったが、自然と手に取り中身を少し見て買うことを決めた。
買ってからバタバタで読み始めるまでに2週間ほどたったが読み始めてからは早かった。勢いで言うと1日で読み切れるくらい好みの表現と内容と進み方だったが、2日かかりしっかり読み切った。
結論から言うと、お金に関する悩みはどの世代にもあって、一生付き合っていかないといけない(悩み続ける)問題なんだなぁと思った。
というのも73歳で1000万円持っているというのに不安だというシーンがあったから。
その年齢でそれだけあれば不安になるのか!?と純粋に思った。
旦那さんが亡くなり年金額がグッと下がってから貯金を切り崩しながらやらないとやっていけなくなり1000万円があったとしてもある程度年数が経てば無くなってしまうことが計算をするとわかったらしい。
そんなことがあり、漠然とした不安に襲われ、悩む日々が始まったそう。
ハローワークに行って、働く先を見つけようにもやはり年齢が年齢というのもあって、
「身近に自営業をされてる方はいませんか?もしそのような方がいたら紹介していただくのもありかもしれません」のようなことを言われたそう。やはりそう簡単には決まらない。
コンビニに面接に行ったが(募集の紙に高齢者歓迎と書いていたからチャレンジした)、でもその人の前にやられてた方が機械等に慣れることが難しくやめてしまったこともあり結局は不採用。
ただ、この面接がきっかけで、そこの店長さんから後々連絡がかかってきてあるお店が働ける方を募集している。そこのお店の雰囲気にあなたがあってると思ったからどうか。と連絡をしてくれた。
それがきっかけとなり働くことが決まった。月に数万円でも稼ぐことができたら貯金に手を出すこともなく暮らせるということで心が軽くなった。
物語に出てくるのは4人。
その4人も祖母、母(母からすると祖母は義母)、娘2人。
それぞれの悩み(お金のことや自分のこと)を、解決していく過程が自分ごととして捉えやすく読みやすい。実際に、節約方法や考え方とかも書いてるから実践もできるし、一石二鳥だと思う。
恋人と結婚が決まりそうな時にわかった奨学金返済額500万以上。利子含めると700万を超える。さてこれはどう解決されるのか、、、
家族の絆も感じ、家族ってやっぱり家族だなと思える場面でもあった。
こんなことがあるから大事にするわけではないが、なんかあった時に手を差し伸べてくれるのはまず家族だと思うから、大事にしあわなきゃなとも思った。
手に取ってよかった。
最近買った私のお気に入りの本棚へしまって、また漠然とした不安に襲われた時、見直すべき時に読み返そうと思う。