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佐藤満春さん『凡人の戦略』に震えた読書感想文

昨夜届いた本を一気に読んだ!
楽しみにしていた。
タイトルだけしか知らなかったし、詳しく内容を把握していた訳ではないけれど、なぜかきっと面白いだろうと思い、早いうちから予約していた。
なぜだろう? 直感かな。

サトミツさんを知ったのは、「オードリーのオールナイトニッポン」。
なので、にわかと言えばその通りで。
でも知れば知るほど、共感することが多く、出役としての魅力や説得力のある話し方から目を奪われる存在だなと思っていた。
オードリーの東京ドームライブの前座ラジオもすごく面白かった!

ということで、到着ホヤホヤの本を深夜から読み始めたのだが、とにかくすごい本だった!

ここまで、仕事のスタンス、手の内を明かしていいの?という所まで、ご自身の考え方、仕事の取り組み方を赤裸々に記されていた。
想像以上だった。

そして、たいへん読み応えのある一冊だった。
もっと、ライトなものかと思っていたので。

本当に、私なんかが言うのはおこがましいし、サトミツさんは、全然凡人などではないし、私と比較するなんてとんでもないことではあるけれど…。25年以上、本の編集者として働いてきた私が行き着いた考えと、かなりの共通項があり驚愕した。

編集者も放送作家さんの仕事とかなり似た所があるように思った。
一つの作品(テレビ番組、ラジオ番組、雑誌、本など)を作るために、企画を立ち上げ、構成を考え、原稿を起こす。タイトルを考えたり、わかりづらい部分を補足したり…。

私自身も若い時は、華やかな世界に憧れがあったし、自分より他人の評価を重視していたし、自分の得意不得意を理解せず、やりたいことだけをやることをめざしていたし、とにかくお金が必要だから自分だけが我慢してお金を稼いでくればいいとか、ごく最近まで思ったりしていた。

でもさすがに、40代のラストイヤーになり、体調も思うようにならないし、そもそも体力がないほうなんだからできることは限られているし、家族のためにお金を稼ぐだけのための仕事は嫌だし、仕事のストレスを発散するためのお金を稼ぐ仕事も嫌だし、結局自分自身は凡人で、すごい原稿を書いたり、いい写真を撮ったりできないし…。

でも、周りにいる才能ある素敵な人達の力を世の中に発表するお手伝いをしたい気持ちは人一倍あるのかも!
そしてそれは、とてもすばらしいことなのかもしれないと気がついた。
まさに「暗躍するってすてきなことだ」と思っていた。

そんな思いを巡らしていたところに出合ったこの本!

今、私が考えていること、ようやく行き着いた考え方のほとんどが、この本に書かれているのではないかと思うぐらいだった。

自分と同じ考えだと思う部分に付箋とマーカーを付けていたら、すごいことになった。

また編集者として、私もこういう本を作れたらよかったなーと、うらやましく思った。本当に。

この思いがどうか、佐藤満春さんと本の編集者の方に伝わると嬉しいです。
これからも何度も読み返したいと思いました。
(読んだ勢いのまま書いたので、急にですます調になってしまった!)

そして私も、本の中に出てきた星野源さんのような人に、お会いしたことがあります。
なので、すごくよくわかりました。
「日陰にいても。探しに来てくれる人」の章は、涙なしには読めませんでした。

源さんが好きというのもあるけれど、暗躍している所をそっと見ていてくれて、そっと声をかけてくれる人は必ずいることを私も知っています。
それを娘達にも伝えていたので、この章は本当に刺さりました。

また、私も源さん側の人でもありたいなと思いました。
暗躍する人を見かけたら、静かに近づいてよかったよと伝えたい!
というか、伝えるようにしています。

この本を読んだタイミングが、ちょうど今の自分の環境に刺さりまくりで、こういった形の本との出合いは、なかなか望んでも簡単にはできないと思うので、幸せな時間でした。
ありがとうございました!


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