野口聡一さん『どう生きるかつらかったときの話をしよう』が道標に
昨年から予約していた本が、長い順番待ちを経て、ようやく手元に届いた。
次の予約待ちの人がいるので、一気に読んだ。
今の私が読むべき本で、驚くほどベストタイミングで舞い込んだものだと思った。
私が昨年2月のオードリーの東京ドームライブ後に、すっかり抜け殻になり(スタッフでも何でもないのに)、燃え尽き症候群になり、中年の危機に直面し、自暴自棄になっていたとき、この本の存在を知り、予約していた。
買えばよかったのだが。
たまたま今週、本当につらいことがあり(仕事で)、また挫けていたところで、柄にもなく今回は、心を無にせず、「このままじゃいけないと思う」と、本人や周りに訴えるということをして、心身共に疲弊していたところだった。
でも、貸し出し期限があったし、この本から元気をもらおうと思い、読んで本当によかった。
この一年で私が感じたこと、細々とやってきたこと、それから得た幸福感、今後どうすべきか思考したこと、その中での挫折感などに似たものが、全て詰まっていたような気がした。
もちろん、私は宇宙に行った経験も行く予定もないし、そこまで命懸けの環境にいるわけではないが。
先日の成人の日で、長女が成人式を迎え(行ってないけれど)、「私の虚無感は娘が成人したことも関係あるだろう」という考えに至っていたことも影響していたと思う。
他人軸ばかりを気にして、自分軸を忘れていた私が、この一年で自分軸を意識し始め、50歳を目前にして危機感を覚え、少しずつ動き始めたものの、結局何も手放せず、動けなくなっていた。
まさにそんなときに起きた仕事での三回目の傷。
同じことが三回も起きて、もう無でやり過ごすことができなかった。
でもそれが、スイッチだったのかも。
自分がどうして不安を捨てきれないかをもっと徹底的に突き詰めていく必要がありそうだ。
「今いる部屋のドアを閉める勇気がなければ、新しい部屋には入れない」
この言葉が、忘れられないものとなった。
先日、体調を崩した成人(長女)が気になり、ずっと家にいて、これまた一気に読み終えた、小川糸さんの『小鳥とリムジン』。
この本を読んで、いっそう私が進むべき道も見えてきた、気がした。
弱い立場の人が、我慢しなきゃいけない、声をあげられないままの世の中では、幸福感は得られない。
たとえ、見た目がいくら整っていたとしても、心が満たされず、危うい環境にいる人がいる。
けれど、どうすべきかの答えが見つからない。
それでも、自分ができることを少しでも、目の前にあることから少しずつ、動かしていけたらと思う。
そんな力を得た一冊だった。
そして、「自分が経験したこと、そこで感じたことは唯一無二であり、それらが今後の人生の支えになる」というメッセージが、強く心に響いた。
今後の私の人生の道標になるような本だった!