詩のレストラン 福岡にて世界初詩のフルコースを味わい尽くす
最近またポチポチと始めたtwitterで呼びかけられた気がしました。ミユキさん、福岡で何かあるの?
世界初「詩のレストラン」が福岡で開催されるとのこと。
会期:6/19(土)-27(日)
時間:平日 11−17時 土日 11−19時
入場料:無料
場所:103photo_studio(福岡市西区橋本2−9−9)
◆最寄り駅は地下鉄七隈線橋本駅です。駐車場は最寄りの木の葉モールにてお願いします。
ポエジオ食堂さんのことは「赤毛のアン スナップえんどうのポタージュ」、「とるにたらないもの」などいくつか読んでいたので、展覧会ではどのようなイメージになるのか、興味がありました。
地下鉄に乗り、目指すは「地下鉄七隈線橋本駅」
googlemapに登録し、木の葉モールに沿って歩き出します。アトリエは住宅地の一角にありました。
後から気づきましたが、木の葉モール橋本 サンリブお花売場側の小さな出入り口からすぐのところです。
こちらのポスターが目印。
靴を脱いで上がると、そこでフルコースのメニューを手渡されます。やわらかな白のテキスタイル、優しい陰影の中、植物に囲まれ、今日のコースが始まります。
詩からインスパイアされた料理でフルコースを展開。一編の詩と料理、そして植物が彩りを添えます。
めぐみさんの考えるレシピは詩の内容、作者、年代などを深く調べ、その全てから受ける点をつなぎ合わせて作られています。
例えば赤だからトマト、といったそのままのイメージではなく、見る人や食べた時の味を想像してもらえるように、あえて余白を感じさせる食材や調理法を選んでいるそうです。
色や香り、見た目の部分だけでなく、宮沢賢治の繊細さ、ぐみの赤を考えると決してトマトとにんにくを使った赤いソースには結びつかない。赤やひかる水玉のイメージから生み出されたのが「すいかとトマトの冷製スープ」なのだそうです。
塩味やコクを加えるために使われた食材や、味のふくらみを作り出すものにも驚かされました。
多くの方に詩を味わっていただきたいので、写真はこの位に。
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めぐみさんは小さなころから詩にふれていたそうです。一番最初に読んだのは4歳の時「トマト」という詩に感動し、紙に書き写して楽しんでいた、と。
4歳のとき何してた?うちの子今4歳だけど詩なんて存在知らないよ、と戸高さん夫妻が
ご近所のマダムも「私だって詩なんて知らなかった」
もちろん私も同意。
料理と出会ったのも早く、当時NHK教育テレビ(現Eテレ)「ひとりでできるもん」を見ていたのでそれなりに興味はあったと言います。中学生の頃からお弁当を作ることもあったそうですが、イマジネーションを膨らませた料理を作るようになったのはここ最近とのこと。
詩を読んで受ける印象から食材や味を考え、料理を作りますが、先に美味しそうで見栄えの良い料理が出来上がり、この料理に合った詩を探そうと思うとうまく見つけられないと言います。
「食材を見て作者や詩のインスピレーションがわき、この素材をこの詩に合わせて使おうと思うことはあります。たまたまうまく出来た料理に詩を当てるのは順序が逆になってしまい、イメージがつかめないんです」
詩や作られた時代の背景、作者の生きてきた道、ひとつひとつのピースがかみ合った時に生まれる詩のための料理。私も自分の手で作り、味わってみたいと思いました。
気になる方はブックレットにレシピが載っています。
そして今回めぐみさんと話し感銘を受けた言葉。
「4冊から5冊読んでみても、気に入る詩はひとつかふたつ」
「食べている時は笑顔、詩で戦うよりも詩と料理で笑顔になってほしかった」
有名な詩、薦められる詩を読んでもピンとこないことが多々あります。なぜ私はこの詩が良いと思えないのだろう、良さを受け止めきれていないのか、理解力が足りていないのかと悩むこともありました。
「感じ方は人それぞれ、その詩人のすべてを好きにならなくてもいい、歳を取るにしたがって洋服の好みが変わるように、読む時期によって気に入るものが変わる。昔好きだった詩も今読むとあの頃と同じ思いではなくなることもある。
だから難しく考えなくていいんですよ」
思いのままに書いてみてください、その言葉に背中を押されました。
戸高さんが撮ってくれた写真。あまりにくせの強いポーズで思わず二人とも大笑い。「いいね、いいねその表情」とその場から笑顔が途切れることなくあたたかい時間が続きました。
2021年6月27日 日曜日が最終日です。
ぜひ皆さまも詩のレストランでフルコースを味わってみませんか。