「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その7 薬大国な日本
日本では抗生物質の過剰使用が問題となっている。
その背景には「薬を出してくれる医者がいい医者」という文化が日本には根強く広がっていることが影響していると思われる。
(一時的だとしても短期間で効率良く病状を抑えて仕事復帰!という日本人特有のクソ真面目な国民性ゆえなのか、はたまた製薬会社の陰謀か・・w)
医者が薬を処方しないで「このまま様子をみましょう」というと、多くの患者が不満そうな顔や怪訝そうな顔をするという。
「せっかく病院に来たのに」
「体調が悪くて来たんだから何かしら出す薬があるはず」
「もしかして何の薬を出せばいいか分からないからなんじゃ?」
という表情をする患者が多いそうです。
すると医者も、患者さんに満足してほしい、納得してほしいという「責任感」や不信感を抱かれたまま薬を処方しない理由もないので、ほとんど効果のない「お茶濁し」処方をすることも多いのが実情だそう。
実際、日本では抗うつ剤、睡眠剤がかなり安易に処方される傾向にある。
かつてのアメリカでもそうだった。しかし現在、アメリカでは副作用、依存性の面から、また患者がより自然なアプローチを望んでいるためその傾向がが変わりつつある。
例えば、日本でうつ病患者に処方されるアルプラゾラムなどはアメリカではまず使わない。アメリカでは、うつ病への効果がなく、依存性が高いといわれているからだ。
処方するとなれば、SSRIなどが一般的。またカウンセリング、マインドフルネスを組み合わせた自然療法が主流となっている。
薬一辺倒の精神医療がもはや時代遅れとなっている。
睡眠剤にしても、依存性のない、睡眠のメカニズムに即したものが使われている。メラトニン受容体に作用するラメルテオンやオレキシン受容体に作用するスボレキサントなどだ。
ハルシオン、レンドルミンといった従来の睡眠剤に比べるとこれらは薬物依存の危険もなく、より害がすくない。
アメリカで薬物治療を避ける動きがあるのは、「薬物に対する抵抗」が関係しているようだ。
【最高の休息法(久賀谷亮)ダイヤモンド社】
実際、妻が病院でパニック障害で処方されている薬がアルプラゾラムだ。
だからといって、アメリカではこうだから、と医者に言ってわざわざ「自分は知っているアピール」をしないでも、信頼できると思った先生が勧めてくれた薬を現在服用している。
ただ、「そういう研究結果、実情がある」というのを知っているだけでも今後何かの役に立つかもしれない。
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