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野菜を野菜室に入れちゃダメ?!鮮度維持する保存のコツとは

こんにちは、ソノリク農作物劇場スタッフの平川です。

みなさんは野菜や果物を買ったあと、どんな風に保存していますか?
ぜんぶ野菜室に入れこんで、気づいたときにはカピカピになっていた…という方も多いのではないでしょうか。

実は農作物にはそれぞれにに適した温度があり、野菜室が最適の保存場所とはかぎりません

農作物の輸送に特化した物流企業である福岡ソノリクは、独自の保管技術を持っています。たとえば鮮度を維持できる期間が収穫後から3~4ヵ月ほどだった安納芋を、約1年間も鮮度を保ちながら長期保管することに成功しています。

野菜や果物の鮮度維持を得意とする福岡ソノリクが、本日はご家庭でできる農作物の保存方法をお伝えします。

家庭での食品ロスNo.1は野菜

冷蔵庫の奥でパリパリに乾いた大葉やシナシナになったごぼう…。食べものを無駄にしてしまうと申し訳ない気持ちでいっぱいになりますよね。

農林水産省の食品ロスに関する統計調査によると、家庭で発生する食品ロスのうち、最もロスが多いのが野菜類で全体の約半分を占めるという結果に。

主な食品別の食品ロス量割合(世帯計)(平成26年度 農林水産省 統計調査)

ハウス食品グループ本社が行った調査でも、家庭で捨てられている食品の約6割が野菜類という結果でした。

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実は野菜って保存が難しいのです。

なぜ野菜や果物は傷むのか?

まずお伝えしたいのが、野菜や果物は収穫後も生きているということ。腐敗するまで呼吸を続けており、エチレンガスを放出しています。

エチレンガスは農作物の自らの熟成を促進する成分があるため、エチレンガスを吸った農作物は追熟され、腐れの原因になってしまいます。

エチレンガスを多く出すものがあれば、少ないものもあります。また、エチレンガスの影響を受けやすいもの、受けにくいもの…とそれぞれ農作物ごとに違っているのです。

◆エチレンガスをよく出す農作物
りんご、桃、メロン(ネットメロン)、西洋梨、トマト(完熟)ブロッコリー、アボカド
◆エチレンガスの生成量が少ない農作物
キウイフルーツ、トマト(緑熟)、馬鈴薯、カリフラワー、キャベツ、キュウリ
◆エチレンガスの影響を受けやすい農作物
バナナ、桃、キウイフルーツ、メロン(ネットメロン以外)、西洋梨、カリフラワー、ブロッコリー
◆エチレンガスの影響を受けにくい農作物
トマト(完熟)、メロン(ネットメロン)、馬鈴薯

エチレンガスは空気より軽いため、エチレンガスをよく出す野菜や果物は冷蔵庫の上部に置くのがオススメです。

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エチレンガス以外にも温度、湿度、光、微生物の影響などさまざまな原因で傷んでしまいます。

福岡ソノリクの倉庫で保管する際は、農作物ごとの最適な温度帯と湿度に合わせて冷蔵庫を区分けし、エチレンガスによる影響が出始める前に冷蔵庫内のエチレンガスを換気することにより農作物の長期保管を実現しています。

とはいえ、家庭の冷蔵庫でここまで細かく設定するのは難しいですよね。
でもちょっとしたコツを知るだけで、みなさんのおうちでもぐっと鮮度を長く保つことができるんです。

冷蔵庫の上手な使い方をご紹介

鮮度を保つためには、野菜や果物の特徴を知ることがポイントです。冷蔵庫の場所ごとに適した野菜をみていきましょう。

◆冷蔵室(0〜5℃)がおすすめの野菜
ほうれん草、にら、ブロッコリー、きのこ、キャベツ、レタス、白菜、にんじん、大根、かぶ、にんにく
◆野菜室(5〜10℃)がおすすめの野菜
トマト、なす、ピーマン、オクラ
(寒さに弱い野菜を冷蔵庫に入れると低温障害を起こすことも)
◆冷暗所(14℃前後)がおすすめの野菜
じゃがいも、さつまいも、しょうが、きゅうり
(夏場は野菜室がおすすめ)

意外と野菜室よりも冷蔵室の方が長持ちする野菜がたくさんありますね。

また、冷蔵庫で保存する際に、野菜が育った環境に近づけると長持ちします。ほうれん草、小松菜、にんじん、アスパラなどは立てて保存してみてください。

他にも保存の際にひと手間加えるとぐっと長持ちしてくれます。

◆根元を水に浸して保存がおすすめの野菜
ブロッコリー、カリフラワー、サニーレタス、アスパラ、クレソン、長ねぎ、かいわれ大根、パセリ、大葉

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◆水につけて保存がおすすめの野菜
ニラ、もやし、豆苗、ミニトマト、みょうが
※2〜3日に1度を水を替えてください

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◆ペーパータオルに包み、ポリ袋に入れて保存がおすすめの野菜
オクラ、ピーマン、きゅうり、なす、トマト、にんじん、きのこ類、にんにく

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すぐに食べないときは冷凍しよう


コツを知ることで長持ちできる冷蔵保存ですが、すぐに食べないときは冷凍保存もおすすめです。

ほとんどの野菜は、生のまま食べやすい大きさに切って冷凍保存する「ダイレクトフリージング」ができ、解凍せずそのまま料理に使えて栄養価もほぼ変わりません。

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きのこ類にいたっては冷蔵保存よりも冷凍保存することで栄養価がアップすることがわかっています。

日持ちしづらいオクラも冷凍がオススメです。丸ごと冷凍すれば、凍ったまま切れるので料理にしやすく便利です。

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◆下茹でしてから冷凍がおすすめの野菜
絹さや、ブロッコリー(キレイな緑色が保てます)
◆丸ごと冷凍がおすすめの野菜
オクラ、じゃがいも、里芋、しいたけ、エリンギ、ミニトマト、ピーマン、なす(切らない方が長持ちします)


冷凍する際は、冷凍用の保存袋を使って、空気をしっかり抜いてから保存してくださいね。

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いかがでしたか?
農作物の特徴を知って保存すれば長く楽しむことができ、食品ロスの削減にもつながります。ぜひご家庭でお試しください。

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福岡ソノリク
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