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通勤中に音楽を聴かなくなったら、ディラン効果がひどくなった話
「ディラン効果」をご存知でしょうか。
「ある瞬間から頭の中で同じ音楽が繰り返し再生されて止まらない」状態を指します(イヤーワームとも言うそうです)。
さて、私は電車通勤中に音楽を聴くのをやめて1年以上になります。
やめた理由は「人身事故による遅延」のような重要車内アナウンスを聞き逃したことがあって耳を塞いでいるのが不安になったのと、やはりイヤホンの長期使用は耳に悪いのではと思ったからです。
これはこれで軽快なので良かったのですが、最近ふと「もしかしてディラン効果が増えてない…?」と思い始めました。
ディラン効果の不思議なところは「ぜんぜん好きでもないし、何の思い出もなく、高く評価しているわけでもない音楽に限って止まらなくなる」ところです。
山手線の発車メロディとか。
昔のCMソングとか。
ふと目にしたプロ野球中継の「千葉ロッテマリーンズ・ポランコ選手の応援歌」とか。
最近はネットで「急上昇ワード」という文字を見ただけで、広瀬香美の『ゲレンデがとけるほど恋したい』が止まらなくなりました。
まあ私の場合、「ああディラン効果だな」と思うだけでとくに苦痛だとか生活に支障があるとかではないので別にいいのですが、人によっては耐え難いかもしれません。
通勤中に音楽を聴かなくなったこととディラン効果が増えたことの因果関係はわかりませんが、仮説としては「好きな音楽を聴く頻度が下がったことで脳内に余白ができ、そこに好きではない音楽が入りこんできた」というのはありえそうです。
なにしろ通勤中に聴いていたのは私が厳選してライブラリに保存していたお気に入り曲です。脳もそちらに集中していたに違いありません。それが急になくなったことで手持ち無沙汰になり、ディラン効果の侵入を許してしまったのかもしれません。
これは音楽以外にも当てはまりそうです。
好きな本を読む時間が減ってくると、まったく好きでもない広告コピーとか、とってつけたような名言風のフレーズとか、意味不明のつぶやきとか、ジャンクな言葉が脳内に浮かぶことが増えてきます。
これは人間の精神にとって危機的状況と言えます。
とりあえず、通勤中ではないにしても好きな音楽を聴く時間を増やそうかと思っています。
このままでは、私が命を終えて眼を閉じる最期の瞬間に脳内で流れているのが「ポランコ選手の応援歌」になりかねません。