第一回 福井酒蔵めぐりディナー イベントレポート
イベントレポート Vol.1
取材・文:品川結貴
福井酒蔵めぐりディナーの始まり
「福井酒蔵めぐりディナー」はふくい南青山291「Cultive291」が企画する福井の食材を使った特別なお食事と共に1回につき10蔵の日本酒をペアリングし、全3回ご参加いただくことで福井県酒造組合に加入している酒蔵をめぐることができるディナー会です。
「日本酒とディナーを組み合わせたイベントがしたい」
そのような漠然としたことを初代Miss SAKEの森田さんと会話をしており、福井県内には37の酒蔵があり、福井県酒造組合に加盟している30蔵元ということを知り、1年間ですべてを制覇できると面白そうということでこのような会が生まれました。
さらに日本酒とペアリングするのには、あえて和食ではないものとして、日本酒の新しい提案をすることでファンを増やしたいと考えました。
そこで福井の食材を良く知っていらっしゃる福井のイノベーティブレストランL'aisanceの吉川シェフに第一回を一緒にやれませんかとご相談をして、開催に至りました。
今回はそれぞれのお仕事や、イベントの背景などをそれぞれにお聞きしました。
L'aisance吉川シェフへのインタビュー
1. レゾンスはどのようなレストランですか?
福井を『知って』味わう地産”知”消を掲げるレストランです。
福井のまだ知られぬ食材にスポットライトをあて、枠にとらわれない薪火の石窯を熱源にして料理をしていきます。
県外のお客様も多く、地元の方も福井の新しい発見や食体験ができるレストランです。
2. シェフの自己紹介をお願いいたします。
私はホテルや地方のレストランを経て、2022年故郷の福井でレゾンスを立ち上げました。
レストランを運営するだけでないフレキシブルな食のお仕事を目指して様々なことにチャレンジしています。福井の食の担い手不足をレシピ開発や、監修業務で解消したり、地域のイベントにも積極的に参加しています。
業界の未来世代、子供達への食育活動も毎年行っていて、キラキラした眼差しに元気をもらっています。
3. 今回のイベント開催にご協力いただいた背景はどのようなお考えからでしょうか?
イベントのお誘いをいただき、地酒を新しい角度からブランディングしようという試みをするSAKETOPIA(サケトピア)を初めて知りました。
普段から地酒を取り扱うので地酒の情報には疎くないのですが、福井にいながらもなかなか出会うことのなかったお酒。
また、首都圏のゲストの皆様にお料理を振る舞いたいという気持ちが一番でした。
4. 今回のイベント開催にて難しかったことはどのようなことでしょうか?
SAKETOPIAに合わせる料理を一皿で表現したら?というテーマでしたね。
各酒の個性とリンクする部分をテイスティングを重ねて一皿構成しました。
またなんといっても現場の皆さんも初体験の会場のキャパシティが最大人数となるコース料理提供。
提供するお酒の温度帯を森田さんも気を遣われていたので、それに応えようと各料理の提供は慎重に連携をとりました。
5. 今回のイベント開催をしてみて周囲やお客様の反応はいかがでしたか?
初めて食した福井の食材があってよかったとお声をいただいたことです。
旬のものや食材の組み合わせ。これを地酒と合わせて食せてよかったゲストの皆様がとても多かったことが驚きでした。
SAKETOPIAのイベント地元福井で開催して欲しいと私の周りや、参画している蔵元さんからも反応いただきました。
6. 今後のやってみたいことなどありましたら教えてください。
今後はこういった地酒と料理を楽しむ会ぜひ続けていきたいです。
県外のシェフとのコラボレーションも福井ではやらせていただいておりますが、東京でやってみたいでしし、さらに他ジャンルのシェフ共演もチャレンジしてみたいです。
初代Miss SAKE森田さんへのインタビュー
1. Fam Lab.さんはどのような会社ですか?
日本酒に関連する事業を中心に様々な取り組みをしています。
かつては閉ざされ、門外不出のモノやコトが多かった業界だからこそ橋渡しができる存在が必要になっています。
Fam Lab.のミッションは「架け橋」になるということ。酒蔵を招いた試飲イベントなどを通して飲み手との架け橋の創出、輸出事業を通して海外との架け橋、SNSや様々な媒体を通して多くの方との架け橋を創出しています。
2. 森田さんの自己紹介をお願いいたします。
私は埼玉県川越に生まれ、幼い頃からお祭りが大好きでした。日本の文化、日本酒の原体験はそのお祭りから全て始まっています。
いつか日本文化に携わるお仕事がしたいと願っていましたが、その大きなきっかけとなったのが2013年に日本酒のアンバサダーである初代Miss SAKEに選出されたことでした。
振袖を着て活動をするのですが、海外で振袖を着用すると想像以上に喜んでくださり「日本酒のアンバサダー」という枠を越えて「日本文化のアンバサダー」としての意識で各国を回りました。
2年ほどの活動を通し、世界2周した経験は今の私の価値観に大きく影響を与えています。
私にとって日本酒は世界を広げてくれたとても大切なもの。
だからこそ日本酒業界に恩返しができることをしたい!と思い会社を設立し、小売免許、卸免許、輸出免許を取得し自分自身ができるスタンスで取り組みをしています。
「まずはやってみる」というチャレンジ精神と、度胸と根性で活動を広げています。
また「乾杯と美味しいは国境を越える」というテーマで海外での活動も行い、世界中の人たちと乾杯をするのが喜びです。
3. 今回のイベント開催にご協力いただいた背景はどのようなお考えからでしょうか?
今年の2月にご縁があり福井の酒蔵5蔵と共にSAKETOPIAというブランドを立ち上げました。
このブランドは「日本酒の新しい楽しみ方をボーダレスで提供したい」という想いでプロデュースをしており、福井と東京の広がりだけではなく、広く世界へ日本酒を届けていこうという想いも込めています。
それぞれ全く味の違う5種類の日本酒を通して日本酒の魅力や面白さを感じていただけるラインナップになっています。
そんな中、福井のレゾンスさんと共にイベントができるとご提案いただき喜んで取り組みをさせていただきました。地元のシェフがどのようなお料理を合わせられるのか、どのような表現をするのかとても興味深かったです。
4. 今回のイベント開催にて難しかったことはどのようなことでしょうか?
シェフがどのようなお料理を提供されるのかとても興味深かった一方で無理難題を言ってしまっているのではと少し心配でした。
レストランでの多くはシェフのお料理にお酒を合わせていくというのが王道のやり方ですが、今回はその逆でお酒に料理を合わせるという方法でした。どんなお料理を提案いただけるかとても楽しみにしていました。
5. 福井の日本酒はいかがですか?
福井の日本酒を一言で表すと「ほっとする中にキラっと光る味わい」というイメージです。
毎日でも呑みたい、味わい深く旨みのある味わいでお料理との相性が抜群なのが特徴だと思っています。しかしその中でも新しいチャレンジをされていたり、福井県オリジナルの「さかほまれ」という素晴らしいお米を積極的に使っていたり、地元を大事にしながら展開している酒蔵さんも多くいらっしゃる印象です。
6. 今回のイベント開催をしてみて周囲やお客様の反応はいかがでしたか?
「日本酒ってこんなに味わいの幅があるんだ」というお声や、「お料理との相性が最高」という反応をいただけたのは非常に嬉しかったです。
あくまでも日本酒はお料理と共に相乗効果で美味しく感じるものであります。
今まではお酒単体での感想を伺うことが多かったのでお料理と共に合わさることで更なる魅力を発見いただけたように思います。
7. 今後のやってみたいことなどありましたら教えてください。
次回は是非福井のレゾンスさんでSAKETOPIAを絡めたイベントをさせていただきたいです!
ホームでのレゾンスさんの本気のお料理と共にペアリングイベントができたら最高の会になること間違いなし。そしてそこに蔵元もお招きすることでより深みのあるイベントにしたいです。
店舗概要
<ふくい南青山291>
〒107-0062
東京都港区南青山5丁目4-41 グラッセリア青山内
・電話番号
Cultive291:03-5778-0291
Connect291:03-5778-0290
・営業時間
Cultive291(カフェ):9:00-21:00 (フードL.O.20:15/ドリンクL.O.20:30)
Connect291(ワークスペース):9:00-21:00
※シェアオフィスのご入居者およびコワーキングデスクをご予約の方は24時間出入り可能です
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