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烏のカア太郎がいつもの電線に止まっていると、すうっと見慣れない烏が飛んできた。 口に…
どこで住所を調べたのか、幼馴染みが家にやってきた。 「懐かしいなあ」 オレは彼をリビン…
佐藤君の目が虚ろだ。 キーボードの上に手を置いているが、さきほどから指がぴくりとも動…
オレの給料は二十万ほど。手取りはもっと少ない。 もっとも、給料はすべてキャッシュカー…
バスの中である。隣の小柄な女性に声をかけられた。 「お願いがあるんですが」 「なんでしょ…
岬の先の灯台は、今夜も煌々と光を発している。 陽の落ちた海岸から親子が灯台を眺めてい…
二十名ほどの小学生と引率の先生を乗せたバスが専用駐車場に到着した。 ここはお台場にある資源庁。 天然資源や循環資源について管理している役所である。 小学生たちの目的は、付属のテーマパークだ。 世界の稀少資源コーナーには砂利が展示してあった。 「せんせー、これ、珍しいの」 「ああ、そうだ。昔は川から勝手に救っていたものだけど、人間は川も海も山も、ありとあらゆる砂利を取り尽くしてしまったんだ」 級長のアリサが質問する。 「砂利ってコンクリートに必要なんじゃないですか」
「親分」 と怖い顔の男に向かって、神崎部長が声をかけた。 「親分っていうな」 「社長」 「…
夕方近く、私は近くのスーパーに買い物に行った。帰り道は通学路と重なっている。 娘が制…
段差を飼っている。 透明な段差で姿は見えない。 息子と一緒に公園に行ったときに、私は…
本屋に立ち読みに行くと、雑誌に新しいコーナーができていた。「即興」である。かなりの数の…
南の島の飛行場に到着した。 観光ガイドのライルさんが迎えに来てくれていた。 「カトウさ…
「ようこそ、いらっしゃいました。お疲れでございましょう」 法被を着たおじいさんが下から…
「歳とったなあ」 と私は妻に言った。 「ふたり合計で170歳か」 「こんなに生きるとは思ってなかった」 私と妻は顔を見合わせた。 「そろそろ、あれに行くか」 「そうしましょう」 私たちは杖をもって家を出た。向かう先は区役所と提携した病院である。 建物に入ると総合受付がある。 事務の女の子に、 「合成をお願いします」 と言った。 「こちらの書類をお読みください」 長大な書類にはいろいろと特記事項が書いてあった。 記憶が混ざること。 どんな体型になるか予測できな