料理は誰のために作るのか? #人生を最高にする料理
先日、田村浩二さんと樋口直哉さんのトークイベント「人生を最高にする料理」<note creator meetup> に参加してきた。
はじめに:軽食付が嬉しい!夜のnotemeetup
田村さんのチーズケーキ、そして樋口さんのサンドイッチを食べながらのイベントは、仕事帰りで疲れていた頭と体に沁み渡った。
特に樋口さんのサンドイッチがとてもおいしくて、具材になっていたドライマンゴーとニンジンのラペは、昨日実際に作ってみた。
作りたてで味見し、一日寝かせて今日改めて実食。
しかし、あの日のサンドイッチの感動には及ばず、またトライしてみようと思う。
田村さんの本は当日持参し、サインもいただいた。
手始めに、肉じゃがを作ってみた。作り方を学んだので、次は自分好みの味付けをしてみようと思う。
前置きはさておき(笑)イベントでは、いろんなお話をされていたけど、専門的な話ではなく誰にでも共通する話を「人生を最高にする料理」という主題に沿って3つに絞り紹介したいと思う。
1.料理は「誰のため?」〜おいしい料理の呪縛から解放されよう
「プロでない限り、料理は「自分のため」もしくは「家族のため」に作るもの。一番大切なのは、食べる人のことを考えて作ること。」と田村さん。
誰の舌を基準にしているのかわからないような「おいしい料理」という幻を作ろうとするのではなく、目の前の食べる人のことを考えて、食べて喜んでもらうため、そして、一緒に食べることを楽しむために作ればいいのだ。
イベントで「おいしい料理を作るコツは?」といった質問があがる中「料理は誰のために作るものか」という田村さんの問いかけには、立ち止まって考えさせられた。
料理がうまくなりたい、料理のスキルをあげたい、と追求し始めると、いつの間にかそれが目的になり、「誰のために作るのか」という非常にシンプルな本質を失念していってしまうようだ。
自分がおいしいと思うものを作るために、家族の健康や笑顔を作るために、料理を作る。そんな料理の原則に立ち返ることができた。
2.料理は「瞑想」〜集中して嫌なことを忘れよう
田村さんいわく「料理は集中しないとできない。料理をしていたら、その時間は嫌なことを忘れられる。料理は瞑想に近い。特に働く男性にオススメ」とのこと。
確かに、私も料理をするとストレス解消できるなあと思っていた。また、夫が料理や片付けを手伝ってくれることがあるけど、手伝われると逆にストレスが溜まることがあり、なんでだろう?と思っていたけど、自分のペースで「集中」して進められないからだったのかと思い至った。
また、樋口さんも、田村さんの話を受けて「悩みは過去と未来にしかない。料理は今やるもの、だから悩みがない」と話していて、なるほどと思った。
疲れていると、つい外食や買食で済ませたくなるが、嫌なことがあった日ほど、自分が食べたいものを作ることで、ストレス解消したいものだ。
3.料理は「文化」〜手をかけて豊かになろう
イベントの最後に「家庭のキッチンの未来はどうなっていると思うか」といった質問があった。
それに対し、田村さんは「キッチンなしの物件がデフォルトになっていて、料理をしたい人だけがキッチン付きの物件を借りるようになっていると思う」と答えていたのがおもしろかった。
「料理をする人が増えるといいと思っているけど、やらなくても生きていけるもの」と田村さん。そういうと、料理の未来は明るくないようにも聞こえる。
しかし、その前の質問に対して、樋口さんが「料理は文化、文化は生活に必要かという議論。絵画や小説がなくても生きていけるが、あった方が豊かになれる。」と話していたように、料理は豊かになる手段のひとつ、と考えれば、もっと気軽に料理と付き合えるのではないかと思った。
実際、料理をしなくても生活できる便利な世の中だ。けれど、料理でストレスを解消でき、料理で自分と家族の健康と笑顔を作ることができるのならば、忙しい現代人こそ手をかける価値がある営みなのかもしれない。
おわりに:何を選び、何をやめるのか
限られた人生の中で、何に時間を使うのかは、一人ひとり違う。イベント中、田村さんが「やめる力」の重要性について話していたことを思い出す。
仕事も人生も、本当に好きなこと、得意なこと、やりたいことに時間を割き、最大限アウトプットするために、何かを諦める、捨てる、やめることから始め「時間がない」を言い訳にしないようにしたい。
参考:おふたりの書籍はこちら▼
ちなみに、4月に田村さんは待望のチーズケーキ本を出版されるとのこと。樋口さんの本はまだ買っていないけど、イベントまでに購入したい。