マーケティングを"神対応"やCSから考える
あなた、"神対応" できますか?と聞かれると「え~?私そんなのできないぃぃぃ!」と思っているのは私だけでは無いはず!日頃、B2Bマーケティングにも向き合いながらお仕事しているえとやんです。
実はここ5年ほど、ずっとモヤモヤしていたことがあります。マーケティングってプロモーションして人を「集める」などして、最終的には売上UPさせることでしょ?というギモンです。
でも、辺りを見渡すと「本当にそれだけが大事なのか?」と思うことがあり、私の中のそのギモンも徐々に解消しつつあります。その解消されていった経緯を、ちょっと書いてみようと思います。
「集める」と「集まる」
これまでのプロモーションをイメージすると、それは全て「集める」だと思います。それはリアルであっても、デジタルであっても、どちらかといえばプッシュ型で何らかの情報が発信され、それがしつこく(苦笑)なって、ある意味力づくで集める行為をずっとしてきました。
でも、それだとどうしても頭打ちします。
モノやサービスだと、知っているか知らないか、欲しいか欲しくないか、気にいるか気にいらないか、そして安いか安くないか、判断軸はただそれだけ。これだけ情報が溢れる今の時代には、それ以上に響くことをするのがなかなか簡単ではないのです。
一方、有名なブランドや、それこそ有名人の周りには、人は勝手に「集まる」のです。当然ながらモノやサービス、有名人であればコンテンツなどはしっかり魅力のあるものが提供されているのですが、この「集まる」現象はどうやって生まれるのか?
プロモーション以外に何ができることがあるのかと考えたとき、何だか本当にすべき事を大きく間違っていたのかも?とさえ思ったこともありました。
私は5年ほど前に知り合った髙野一朗さんから、この事を考えるキッカケをいただきました。
コロナで気づいた「ブランディング」の重要性
そんなモヤモヤした状況が、コロナになってさらに加速していきます。
これをお読みの皆様も、コロナによって「人と会えない」苦しみを、嫌というほど味わったのではないでしょうか。勿論、オンライン会議といった超便利技術もあるわけですが、この時に「集まる」現象が起きたのは、最初の頃だけだったオンライン飲み会くらいかと(苦笑)。
ちょうどその時、時間も結構余っていたので、たまたま佐藤可士和さんの本を何冊か読む機会がありました。佐藤可士和さんと言えば、ユニクロやセブンイレブン、日清食品やくら寿司といった、誰もが知っているブランドのコミュニケーション戦略、ロゴデザインなどを手がけておられます。
そのブランディングって、単にデザインだけの話ではなく、何の会社で、どういう事をしてて、何が得意で、何を目指してて、といったところが、多くの人の中で「共通認識」として持ち続けてもらえる状況であれば、それはブランディングとして成功しているといえます。
仮にコロナであっても、ブランド力の強い企業は、「自分たちは何をすべきか」とか「このブランドには何がお願いできるか」といった「共通認識」を持ち続けてもらえたはずなので、たいして影響を受けなかったり、プロモーションしなくてもやり繰りできたりする強さがあったのではないかと感じています。
そう考えると、ブランディングには人が「集まる」力があると気づきはじめたのです。
"神対応"とかCS(カスタマーサティスファクション)とか
様々なブランドを思い返すと、基本的には製品やサービスだけでなく「人」の対応が左右するのかもしれません。いまや、製品やサービスは "良くて当然" であり、世界一こまかい日本市場で良くなければ生き延びられません。そう考えると、結局は「人」の対応であり、ここの繋がりでどれだけ良い対応をしてもらえたかで今後の関係性が決まるものと思います。
では、どんな対応だと有効なのか?
最近 "神対応" という言葉をよく聞くようになりましたが、定義としては「感心するほど、行き届いた対応してもらえたこと」「手際の良さや配慮に満ちた、最大級の好評価」などというものです。
こう書くととてもハードルが高く感じられるのですが、シンプルな例だと「(スポーツ会場で)ファンが目の前に沢山いたので、選手が手を挙げて反応してくれた」などです。ほんのちょっとしたことが大事で、実は当たり前のことを当たり前のように丁寧に対応することにヒントがあるのかもしれません。
もう少し深掘りしていくと、CS(カスタマーサクセスではなく、この場合「カスタマーサティスファクション」です)という言葉に出会いました。直訳だと「顧客満足」であり、この言葉で十分意味は通じると思います。
ただ、実際にはこのCSをどのように対応するかは色々と検索すれば出てくるので書きませんが、少なくとも「人(相手)と繋がり続けること」「人(相手)を相手以上に関心を持つこと、好きになること」という状態であることが必須条件なのかもしれません。そのためにも、この行為は何度も繰り返されることで関係が保たれます。これって「気がつく」以上に「気が利く」ための "気づかい" こそがポイントになってきそうな気がします。
時間はかかったのですが、私の中ではかなり「何をすべきか?」の整理ができました。世の中的にはB2Cにおいてかなり実践されているのですが、B2Bではまだまだといった感触を持っています。
先の書籍紹介にもあります株式会社BOKURAさんも、B2Bにおいては自社でファンミーティング(交流会)などを実施しているとのことでした。
ブランド構築には「人との繋がり」が重要であり、相手とどう「相思相愛」になることができて、そして「継続」できるか。これは決して生産性の高い効率的な話ではありませんが、忘れてはいけない "当たり前" かつ"丁寧に"すべきことなのかもしれません。
目先の「やること」に埋もれてしまうと気づきにくいのですが、ここまで辿り着くのに色々とヒントを下さった関係者の方には本当に感謝しかないえとやんでした。
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