見出し画像

内定者へのフォロー

先日、ある企業様から今年度新入社員、及び来年度入社予定の内定者に対するフォローの検討でご相談を受けました。やはり、今年2月以降の環境変化要因は大きく、これまでも様々なフォローを行ってきたものの、さらに強化していきたいということでした。

同社様で、直近の新入社員の皆さんに意識調査を行ったところ、苦手な思考・行動として「自発性」が挙がったそうです。この自発性の不足度合いは、例年以上に顕著な傾向だそうです。そして、この認識は新入社員本人、新入社員を受け入れ・指導する側の事業部門担当者や人事部門双方で、共通しているということです。

そのことが現れる事象としては、以下のようなことが挙げられるそうです。新入社員の側も、これがよい状態だと思っているわけでもなく、どうしてよいかわからないというのが実態のようです。同様の会社も多いことでしょう。
・上司や先輩に対し質問や相談したいことがあるが、発信しきれずあきらめる。
・仕事に取り組める自信が持てず、無断欠勤する。
・自分に都合が悪くなると通信手段を「オフライン」にしてしまい、閉じこもって出てこない。

背景として様々な要因が想定されますが、オンラインベースのコミュニケーションの比重増加が大きな一因になっていることは間違いないでしょう。特に今年度は着任時からテレワークという、新入社員にとって従来にない環境でした。本人も受け入れ側も、試行錯誤の中このことへの対応がしきれていない現状が伺えます。

また、来春入社予定の内定者に対して、例年の対応もできないまま今に至っているそうです。それは、同社様で従来行われてきた、内定者向けの対面・実地での交流会、合宿研修などです。そのことにより、今年度入社の新入社員以上に上記傾向が強まることに危機感を持たれているようです。オンライン内定式を実施するなど可能な対応をしてきたものの、効力不足を感じているようです。やはり対面・実地だからこそ満たされやすい要素もあると言えるでしょう。

とはいえ、オンラインを介してできる工夫の余地はあります。これらのことを受けて、今年度の新入社員及び来年度入社予定の内定者に対し、私も参画させていただき、1年目フォロー研修・内定者フォロー研修を行うことになりました。

内定者フォローについては、4月入社までの期間中、連続性のある複数回のセッションを実施することになります。上記を受けて今回のフォローセッションで網羅したいポイントは、大きく以下の3つになりそうです。

・本人に対する会社の承認(期待されている)を伝えること
・実務に近い場面を想定し、自ら思考し発信する練習をしてもらうこと
・質問・相談することに対して安心感をもたせて、質問・相談する具体的な方法を理解し身につけること

連続性のある複数回の実施にするのは、承認欲求の充足を目指して頻度の高いコミュニケーションを重視するためです。

新入社員が対面・実地の就業経験をもてないのは、受け入れ側が想像する以上に、本人たちにハンデとなっていることを認識するべきだというのを、改めて感じた次第です。例えばテレワークも、社会人・組織人経験がある程度ある人にとっては、いわゆる社会人基礎力を身に着けた上でのテレワークになります。

他方、新入社員は社会人基礎力を身に着ける前です。社会人基礎力の養成に限りませんが、何かについて学習するプロセスでは見聞きするすべての情報がインプットする知識の対象となります。意図しない情報、例えば、「ふと目に入った先輩の動き」「何気なく聞いてしまった隣の上司の電話対応」などが、すべて社会人基礎力を育てるインプット要素になり得ます。こうしたインプットが全くできない環境下で業務に取り組んできたことによる影響が、冒頭の事象につながっていると言えます。1年目フォロー研修も、この点を踏まえた上で自発性の認識と向上につながるセッションを企画することになります。

<まとめ>
質問・相談することに安心感をもたせる


いいなと思ったら応援しよう!