あのときあの場で観てました!
みなさん、おはようございます。
経営のパーソナル・トレーナー、フジガッキーです!
今週は「コーチングのプロが教える『ほめる』技術」(鈴木義幸著)
から、これまで3回にわたり書いてきました。
人には4つのタイプがある。なので一律ではなく、タイプごとにそれぞれ
異なるアクノリッジメントで相手に接する必要がある、ということでした。
そして、昨日の投稿「ほめてほめてほめまくれ!」の最後に、
4つのタイプごと以外にも素晴らしい、役立つアクノリッジメントを
ご紹介しますとお約束しました。今日はそのお話になります。
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慶應義塾大学上田監督の場合
慶應義塾大学ラグビー部の名将といわれた、上田昭夫監督です。
現役時代もスクラムハーフで大活躍しましたが、なんといっても記憶に残るのが、1986年1月15日に行なわれた日本選手権で、当時自身も在籍していたトヨタ自動車を18-13で下し、日本一に輝いたことだと思います。
実はあのとき、私はあの場(国立競技場)でその試合を観ていました!
私の大学卒業翌年、社会人1年目の年でした!震えるほど感動した記憶がいまでも甦ります。
話しを戻します。この本の著者鈴木義幸氏もラグビー経験者で、慶應義塾大学ラグビー部を目指しましたが、そのあまりの練習のきつさについていけないと、入部をあきらめたほどだそうです。
当時低迷が続いていた慶應義塾大学ラグビー部の再建を託された上田監督のアクノリッジメントをご紹介します。
上田監督が、再び監督としての要請を受け現場に戻ってみると、選手たちがすんなり自分の指示を受け取りません。(中略)
でもそこで上田監督がすばらしいのは、「なんだこいつら」と相手を否定するのでもなく、「どうも時代は変わったみたいだ」とすぐに思ったことです。やり方を、戦略を変えなければ今の選手は動かせない、そして実際に彼はやり方を変えました。
まず、練習の準備の仕方や合宿所での過ごし方、果てはどんな練習をするかにいたるまで、ある程度学生に任せるようにしたのです。(中略)
そこに「お前たちの考え方を大事にしている」というメッセージを多く込めました。
また、どんな些細な練習でもただ一方的に上からやれというのではなく、生徒の視点に回り、彼らがその重要性を理解するために必要な説明を丹念に伝えました。
つまり、「最上位」の監督として「重さ」を演じるのではなく、自身の行動の隅から隅にいたるまで、「お前たちの存在を認めている、価値を認めている、大事にしている」という想いを入れ込んだわけです。新生慶應ラグビー部の日々の「営み」には、アクノリッジメントがたくさんありました。
いかがですか。いまでこそ選手主導のやり方はそれほど目新しいものではありませんが、当時としては画期的な指導方法だったと思われます。
そんな上田昭夫さんも病に倒れ、2015年に62歳の若さでこの世を去りました。改めてご冥福をお祈りします。
まだまだあります!
最後に、私がいいなと思ったアクノリッジメントをいくつかご紹介して終わりにしたいと思います。
◆「自分で答えずに相手の意見を求める」
相手の答えを求めるということは、たとえ結果としてこちらが望むような答えが返ってこないとしても、答えを求めたというその事実自体に価値があります。それは、俺はお前の答えを大事にする用意がある、お前の答えや考え方に関心がある、というメッセージになるからです。
◆ノーという選択権を与える
一方的なアドバイスにはアクノリッジメントがありません。相手のことを考えているとか、相手を心底大事にしているというよりは、自分にはそれだけの知識があることを誇示したいという、アドバイスする側のニーズを満たしているに過ぎないことが多いのです。
だからアドバイスするときには相手に選択権を与えたいものです。「僕はこう思うけれども、君はどう思う?」と。別にそれに対してノーといっても構わない、その権利が君にはある、ということを明示してアドバイスしたいものです。なぜなら選択権を与えるということはアクノリッジメントだからです。そこには相手に対する承認があります。
◆修飾せずに観察を伝える
とにかく観察です。部下を見ることです。見ていないと何も言えません。今日部下がどんなネクタイをしていたか覚えていますか。どんな靴を履いていたか知っていますか。髪型がぱっと思い浮かびますか。部下が話しをするときに好んで使う表現を知っていますか。家ではどうでしょう。奥様を、旦那様を見ていますか。お子さんを見ていますか。
本当に見ていますか。
◆本気のあいさつ
一度で良いですから「本気」であいさつしてみてください。まず、鏡の前で何回も何回もその「本気」を練習してみましょう。そして朝、部下に会ったときには、しっかりとした、それでいて穏やかな眼差しを向けながら、少し声を低く落として伝えます。「おはよう」と。
もし部下にそんなあいさつをし続けたら、その部下もいつかディズニーランドのスタッフのように、周りにあいさつをし始めるかもしれません。もし奥様にそんな風にあいさつをし続けたら、いつの日か料亭の女将のように、心の底から労をねぎらうような声であいさつをかえしてくれるかもしれません。あくまでも可能性ではありますが。
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いかがだったでしょうか。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
マイ・コーチに勧められて読んでみた本でしたが、胸に刺さる言葉がちりばめられていました。書棚の見える位置に置いて、いつでも取り出せるようにしたいと思います。
それではみなさん、どうぞよい日曜日をお過ごしください。
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