マガジンのカバー画像

詩世界

33
2021年2月11日(木)〜の詩をまとめたマガジン。
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

あお空島

あお空島

空に浮かぶ 巨大な雲の正体は あお空島

月が浮かび 星が煌めいても

昼間であり続け

人々はこの島を 不夜島 と呼んだ

この島が通った土地は もうすぐ朝を迎えるという話がある

文明が生まれた時代に

この島を見た 灯台守や城の門番が 初の記録者とされ

各地に口伝や壁画も存在している

時代が進むにつれて
 
人々の交流が活発さを増す中で

地域の文献が 様々な土地へ伝えられると

この島

もっとみる
黄金の船

黄金の船

今日も星の時間が訪れようとしている

空も柔らかくなって来たから

そろそろ 出港の準備をしよう

出港は定刻にて行われ

それまでの間 

乗組員は 出発前の設備チェックをする

少しすると出港の 合図として

鐘の音が からーん からーん からーんと 

空に響くと

船はエンジンをかけ 星の港を出発する

10時間に及ぶ 周遊の始まりだ

船は出港から少しすると 黄金色になる

この船の仕事

もっとみる
リトルシティ

リトルシティ

ここは もりの国

3,000年もの間

人々は 森と共に暮らし 街をつくりあげてきた

人々は

森の恵みで 料理を作り

時には 舟を造って

「名前だけ知っている土地」に冒険へ向かった

機械仕掛けの湯気を上げても

コーヒーを毎日のように嗜んでも

森と共に暮らしてきた

今日 もりの国 に新しく街が生まれた

街の名前は 「リトルシティ」

この街は 世界にいくつも存在する

場所によっ

もっとみる
弥生

弥生

バスに乗っての帰宅中

星が輝く時間にあっても

案外 人は結構 乗っていて 

私は立って 最寄りのバス停を目指している

乗っている時間は少しくらいだし 

健康の増進を浮かべると 良いかもなと思う

バスは電車のように進む

絵巻物のように景色は動く

パラパラ漫画のように この路線の物語を描く

何か建物を造ってる

建物が出来上がった と

バスは次第に 家の近所へ来る

歩道に街灯があ

もっとみる
Garden garden

Garden garden

高き丘のにある 広大な庭園

人々は そこを 空中庭園 と呼ぶ

ここは一年中 季節が春の場所

ここには いくつもの春の花が咲いており

心地の良い暖かな空気が漂う

ここへ来るのは久しぶりだ

ここへ来るまでに120の階段を登った

全ての階段を登り 空中庭園に足を踏み入れると

私を白桃色の空気が包みこむ 

私がここへ来た事を心から歓迎するように 空気が踊り

若草色の大地の柔らかい感触が

もっとみる