森のなかの海賊船
こそあどの森の物語③
「森のなかの海賊船」岡田 淳
こそあどの森にも秋がやってきました。
大好きなこそあどの森シリーズ第3話を少し前に読み終わったのであらすじと私のぐっとポイントをご紹介します。
ネタバレはしていませんので、安心して読んでみてください。
第1話と第2話のお話、感想が気になる方はこちらも読んでみてください。
①ふしぎな木の実の料理法
②まよなかの魔女の秘密
ちなみに今回のお話は①ふしぎな木の実の料理法とつながるシーンもあるので、①を読んでから読んでみた方がおもしろいかと思います。
まずは、こそあどの森に出てくる人たちのおさらいです。
主人公は右上のスキッパー。
さて、今回はどんなお話になっているのでしょうか。
それでは、秋のこそあどの森をのぞいていきたいと思います。
森の湖には、オレンジ色や黄色に紅葉した岸の木々がうつっています。秋の午後、すみきった高い空ときもちのいい風、ヨットに乗るには最高の日です。 湖のまんなかには、小さなヨットがひとつ浮かんでいました。乗っているのはスキッパーとふたごの女の子たちです。
スキッパーはふたごのおしゃべりに付き合いながら湖の上でヨットの舵をにぎっていました。
夏にふたごに教わってからヨットの操縦ができるようになったのです。
ヨットの向きを変えてだいぶ岸に近づいたころ、岸から聞き覚えのある笛の音が聞こえてきました。
笛を吹いていたのはナルホドとマサカ。
①で出てきた二人組の旅人でした。
「その海賊船は、どこへ行くところだ?」
マサカはスキッパーとふたごの乗ったヨットを見るなりこう言いました。
どうやら2人は海賊の話にやたらと反応するようなのです。
さらになにかを探しているようなのでした。
ナルホドとマサカに再会してからスキッパーは海賊のことが気になり始めました。
家に帰ってスキッパーが書斎から取り出した一冊の本は『海賊物語』。
100年以上前に本当にいたという海賊フラフラのお話です。
良い噂も悪い噂もあるフラフラですが、莫大な財宝があったらしいのでした。
フラフラがどのように死んで、その宝はどうなったのか、わかっていないことが多く、謎多き海賊として語り継がれているのでした。
作家のトワイエさんのお家にも海賊フラフラに関係する本がありました。
その名も『フラフラ劇場』。
スキッパーはトワイエさんとこの本を読み進めていくうちにあることに気づきました。
思いがけずフラフラの生き様とその秘密を知ることになるのでした。
ナルホドとマサカがさがしているものとは?
海賊フラフラの真相は?
『フラフラ劇場』に隠された秘密のお話とは?
秋のこそあどの森で起こる不思議なお話。
ぜひ「森のなかの海賊船」を読んで確かめてみてください。
さて、今回のお話でぐっときたポイントはこちら。
「わたしは料理番に不満はないわ。でもわたしはわたしがいちばんいいの」(155ページ 1行目より)
というトマトさんの言葉です。
これは訳あって料理番役になってくれと頼まれたトマトさんが、気が進まない中言った言葉です。
話の本筋とはあまり関係のないセリフではありますが、この言葉が素敵だなと思いました。
理想のだれかではなくて、まぎれもないわたしがいちばんいいのとはっきり言えるトマトさんはかっこいいです。
こんなセリフがあったなんて、小さいころ読んだときは気づきませんでした。
大人になって児童文学を読むのもまたおもしろいですね。
それにしてもあらすじをまとめるのが難しい!!!
迷い迷いですが、「森のなかの海賊船」について書いてみました。
気になった方はぜひ本編を読んでみてください。