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フリーランス編集者、2年目になります

すっかり忘れていたけど、今日5月11日は、僕がフリーランスになって1周年だった。
決して志高く「よし、今日からフリーで行くぞ!」ということではなく、前に勤めていた職場が立ち上げのときとはすっかり方針が変わってしまったため、これ以上この場所でがんばり続けることはできないと思っての、やむにやまれぬ独立だったし、そもそも僕にフリーランスで生き抜くほどの根性があるとは思えなかったので、すぐに別のところに就職するつもりだった。

でも、そんな矢先にすごい仕事の話をもらってしまったんだよね。これを断ったら二度と機会はないかもしれない。もし最後までやり遂げたらきっと僕が死ぬまで誇りに思える仕事になるだろうと言えるような。それをなんとかやり遂げたくて、でもその仕事をサラリーマンやりながら片手間にできる気はしなくて、こりゃしょうがない、というわけで僕のフリーランス生活がはじまった。

その仕事は、無事に昨年末にやり遂げて、本当に忘れられない仕事になった。
そこでもうフリーランスを卒業してもよかったんだけど、なんと「商品が好評なので、第二弾をつくりましょう」というお話をもらってしまって、もう1年延長することに(笑)。
それは約1年がかりの大きな仕事ではあるけれど、とはいえそれだけで1年食べていけるようなものではなく、さて困った。
去年まではまだ、前の職場でサラリーマンをしていたときの給料やら失業保険やらが辛うじてあったのだけど、今年はそういう収入はなんにもない。本当にゼロ。一年先の大きな仕事をちゃんとやり遂げるために、それ以外の仕事を探して、それもちゃんとやらなくちゃいけない。

毎月決まった給料が振り込まれる、という人生から外れてみて、例えば「10万円稼ぐ」ということがどれだけたいへんか身にしみて感じた。仕事をもらうことも、実際に実行することも、次の仕事につなげることも、あまりにたいへんすぎる。でも、10万円じゃ食べていけない。まともに生活するには、そういう仕事を1年間に「30個」も!! ちょっと気が遠くなりそう。

僕はそもそもADHD傾向がかなりあって、得意なことと不得意なことの差が激しいのが特徴だ。得意な方はそのまま僕の強みになっていて、だからこそ仮にもフリーランス企画者・編集者として「僕にはこんなことができます! 任せてください」と言えているところはあるのだけど、問題は不得意なことの方。いわゆる「先延ばし癖」とか「集中力が続かない」とか「時間管理が苦手」とか……一人でコツコツと仕事をしなくちゃいけないフリーランスにはかなり致命的!

発達障害としても、メンタルの弱さとしても僕はいつでも「グレーゾーン」で、「無理してがんばればできなくはない」みたいなところをぎりぎりで綱渡りしながらやってきたから、今もどうにか仕事をやれているけど、正直今は、出勤していればとりあえずはお金がもらえるサラリーマンがうらやましいと思いはじめちゃってます(笑)。

ただね、これは僕がいつも思っているところだけど、「僕は○○に向いているから、××はするべきじゃない」なんて風に、決めつけることはないと思うんだよ。人生は一度きり、やってみなくちゃわからない。あれ、違ったなと思ったら軌道修正方向転換したっていい。だからといって、やってきたことが無駄になることは絶対にない。

僕はこれまで、大企業の営業マン、編集プロダクションの編集者、町づくりベンチャーの企画屋と、関連性も全然よくわからない仕事をしてきた。出世や、キャリアアップとかを目指している人にとってはなんて遠回りで無意味な生き方だ!と目を回してしまうかもしれない。でも僕が今やっているすべてのことは、この、へんな経歴があってこそだ。僕には僕にしかできないことがある。仕事だけじゃなくて、僕自身の生き方も。こんなにも心から大好きな人がたくさんいて、僕のことを大好きだと言ってくれる人もたくさんいる人生、自分が20才のころには想像もできなかったからね。
だから、いくらでも、何度でも回り道しよう。方向転換もしよう。
だから今はフリーランスをがんばってみる。5年後どころか、来年、どこで何をしているか、自分でもさっぱりわからないけれど。

ただまぁ……経済的には、これまででいちばんピンチです(笑)。やっぱり僕、自分で自分を売り込むのは得意じゃないみたい。自分で仕事を選べると思うと、やっぱり世の中のためにならないと思う仕事は軒並み断っちゃうしね。
というわけで、みなさんのご支援、いろいろお待ちしております(笑)。

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文月 煉
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