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中国で食材と戯る。(27) イカ

私が中国という国、土地で扱ってきた食材たち )
ある時は店の為、ある時は自分の食事・好奇心の為。
ある時は、海外からの輸入物、日本からの輸入物、もちろん現地の魚、肉、野菜。
ある時は ”試行と錯誤”、ある時は ”創意と工夫”、そんなこんなで続けてきた、自身の調理と撮影。
仕事であり、趣味であり、日常であった 私のライフワークアーカイブです。

寄稿にあたっての自身のコメント  


” イカ "                        

 中国語でイカのことを " 鱿鱼 you yu ヨウユュ "と呼ぶ。
中国のこの20年間を見ても、ずっとイカの扱いがぞんざいで、透明感のあるイカは普通の市場に並んでいなかった。

 種類はスルメイカ、500−600g / ハイ の結構大ぶりなイカだが、15kg 一塊で冷凍され、レジャーシートのようなビニル素材を編んだような生地の袋に入っているもの。その塊のイカを割りほぐすようにして解凍しながら、焼き物や揚げ物に使う。
 刺身にしたくなるようなイカがなくて長らく苦労した。
時折入る中国の氷鮮のアオリイカ(墨イカ)は使えた。だいたい1kg前後のモノ。これはネットリした食感と甘みがあって美味しいのだが、日本人、どうしても透明感のある、少しコリっとした食感を求めて小型のイカが欲しくなる。

 回転寿司や食べ飲み放題の日本食店に供給するような、加工した真空パックものの綺麗な切り身のイカ( 寿司ネタサイズ)はあったが、それを細く切って” 刺身 ”って出すのはどうかと思っていた( 国外だし、食べたい人の為にはそれさえメニューにしておく必要があったのかもしれないが )。

 ▲  右は日本の冷凍スルメイカ。
 中国の市場は上記の塊冷凍をひっぺがしながら、売り場に必要分を自然解凍して並べている感じで、この写真のような皮目の光、透明感は全くない。

 ▲   左は外資系大型スーパーだったか、ネットで購入したか忘れたが、アルゼンチン産の赤イカ系だと思われる。こちらも冷凍物。


 氷水を使いながら作業にあたるが、このような感じ。日本のイカを手早く扱っても既に赤味はある。

 刺身にした状態。一皿に2色のイカをのせている。
味と、鮮度に関しては全く問題なく。十分に店で提供できるレベルだ。

 二つのイカのゲソを鉄板で焼いて。
刺身でOKを出せれば、後はイカようにでも。


日本 青森産の船凍ヤリイカ         2021.  1月 / 7月

 少し値が上がるが、日本のヤリイカを仕入れてみた。
日本 枪鱿鱼 ri ben qiang you yu リーベン チャンヨウユュ "。

少し小振りになるが一人前には丁度いい。透明度はスルメイカよりもある。
良い感じ。


” ヤリイカの鳴門造り ”



" ヤリイカの握り3貫 "


    このヤリイカを、コロナ以降の風天メニューの定番にしておりました。


                               以上

                            

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