古原貴大

大阪生まれの寅年。 酒と料理と旅を愛する男。関西20年、北海道10年、そして近く遠い国…

古原貴大

大阪生まれの寅年。 酒と料理と旅を愛する男。関西20年、北海道10年、そして近く遠い国ー中国に20年。 出会って別れて50年、気がつけば、ほんまにフーテンな人生。 2024年ノート始めます。宝塚在住。#旅 #料理 #ギター #イラスト

マガジン

  • 料理の旅人 再現中華料理

    2023年、既に風天を閉め、会社の清算、廃業申請の認可待ち。
帰国寸前に20年間に及んだ中国との関わり、生活の集大成。
ネガティブな問題の蓄積、結果として離れる中国だが、無駄にせずポジティブな経験とすべく、ギリギリまで中国旅をして郷土中華料理に親しみ、中国の素材を使った料理、日頃距離を置いた( 日本食を扱う仕事の為 )中華の技法を独自に学ぼうと試みた。
仕事と違う側面。日本人料理人による、中華への取り組みを記事にする。
日本人的なアレンジは多少あるが、食べて舌から学んだ料理を再現したもの。
旅の料理人としてのアーカイブ。

  • 中国で食材と戯る。

    ( 私が中国という国、土地で扱ってきた食材たち ) ある時は店の為、ある時は自分の食事・好奇心の為。海外からの輸入物、日本からの輸入物、もちろん現地の魚、肉、野菜。 ”試行と錯誤”、ある時は ”創意と工夫”、そんなこんなで続けてきた、自身の調理と撮影。 仕事であり、趣味であり、日常であった、私のライフワークアーカイブです。

  • 餃子を語る。

    餃子。肉+野菜+炭水化物の基本にして最強の食べ物。日本人も大好きな餃子、その歴史由来、遊び心で作るアレンジなどをご紹介。中国で食に関わり20年、少し語ります。

  • 単騎千里を行く。ー中国旅ー

    2010年−23年。常州で店をやりながら、連休に旅した時の記録。世界遺産、名山、地方ごとの特色ある料理の数々など。

  • 伝説の居酒屋 風天

    それまでの仕事の流れから、純日本人の私が中国という国、常州という街に小さな会社を作り、小さな居酒屋を作った。開業から、コロナの終焉、廃業に至るまで(2010-2023)の記録。奮闘記。

最近の記事

  • 固定された記事

はじめまして。

”フーテンのkidai”、 こと古原貴大と申します。 例にならい、この初回記事をもってプロフィールコメントよりいくらか濃い目の、自己紹介とさせていただきます。特殊な経歴、長めの文、興味と時間のある方はどうぞご覧ください。 経歴 ’74年の寅年。大阪府豊中市に生まれる。 ’93年 18歳〜 美大受験失敗から始まる人生の旅。  単身バイクで北海道へ渡る。美術や工芸方面の興味が強く、アイヌ民族の親方のもと土産屋の売り子をしながら木彫師の見習い生活を送る。閑散期である冬の午前中

    • 【料理の旅人 再現中華9】 剁椒蒸鱼 duo jiao zheng yu / 湖南地方の蒸し魚

      部屋からの眺め 川魚を買う。 目奈陀 いろいろな魚で作られている料理、" 鲢鱼lian yu " = レンギョを探したが、大きく一人では食べきれない。見たことないのないコイツがいたので、買って帰った。  鱗の柄、全体的な雰囲気が” ボラ " に似ている。その流れで検索してみたら、やはりボラ目の " メナダ ( 目奈陀 ) "という日本にもいる魚らしい。 海水、汽水域、河川にいるよいうだが、これは菜場の扱いから見て、淡水養殖物。 目が赤いので " 红眼 hong

      • 【料理の旅人 再現中華8】 孔府豆腐 kong fu dou fu / 孔子の里の豆腐料理

        2023年3月に、常州から約600kmをドライブに出て、 世界遺産、曲阜の三孔 …孔子廟、孔府(子孫一族の住む屋敷)、孔林(一族の墓群)を訪れる旅をした。旅については別に記事を書く予定だが、この地で食した料理の一つを再現してみたので紹介しよう。 孔府の燻し豆腐 孔家に代々豆腐を納めていた農家の豆腐屋に、韓という姓の兄弟がいた。 ある天気の悪い日に豆腐が売れ残り、彼らは無駄にしないために豆腐を小さく切り分けて、高粱 ( 白酒の主原料となる穀物 )の藁でできた簾に広げて乾かし

        • 【料理の旅人 再現中華7】 孔家红鱼 kong jia hong yu / 孔子の里の鯉料理

          2023年3月に、常州から約600kmをドライブに出て、 世界遺産、曲阜の三孔 …孔子廟、孔府(子孫一族の住む屋敷)、孔林(一族の墓群)を訪れる旅をした。旅については別に記事を書く予定だが、この地で食した料理の一つを再現してみたので紹介しよう。 孔家红鱼 2023.4.8 山東省曲阜、かつて” 魯 "の国であったこの地域では、” 鯉 "

        • 固定された記事

        はじめまして。

        • 【料理の旅人 再現中華9】 剁椒蒸鱼 duo jiao zheng yu / 湖南地方の蒸し魚

        • 【料理の旅人 再現中華8】 孔府豆腐 kong fu dou fu / 孔子の里の豆腐料理

        • 【料理の旅人 再現中華7】 孔家红鱼 kong jia hong yu / 孔子の里の鯉料理

        マガジン

        • 料理の旅人 再現中華料理
          10本
        • 中国で食材と戯る。
          51本
        • 餃子を語る。
          12本
        • 単騎千里を行く。ー中国旅ー
          13本
        • 伝説の居酒屋 風天
          36本

        記事

          中国で食材と戯る。(49) 山羊肉−2 

          ▲ 2023年、4月。帰国前に山羊の塊肉を購入し、あれこれ戯れています。 山羊肉で作る小籠包          2023.4.23 山羊の筋身の部分をよく炊いて、煮凝りができたので、小龍包に挑戦する。 山羊肉の小龍包は見たことも、食べたこともないが煮凝りを扱う上では作り方は同じ。 普通のものも作ったことないのに、変わったことをしてしまうが、まぁ。 肉を細かく、刻んで刻んで、念入りに叩く。具材は山羊とタマネギのみ。 少し甘い味付けで。 皮は頑張って、餃子より気持ち薄

          中国で食材と戯る。(49) 山羊肉−2 

          【料理の旅人 再現中華6】 羊肉水饺 yang rou shui jiao / 羊の水餃子〜ギョウザの起源

          ギョウザの起源 ” 祛寒娇耳汤 " 山羊を捌く                2023.4.11 ” 羊肉水饺 yang rou shui jiao "2023.4.14 起源とされる餃子が、山羊であったはずなのに。。。 中国といえど、日頃見かける餃子は、牛や豚のものばかり。せっかくの機会なので山羊の水餃子を作ろうと思った。 漢方こそ処方しないが、山羊でとったスープを使い、山羊肉の水餃子を作る。 文献では、” 茹でた肉を刻んで小麦粉で作った皮で

          【料理の旅人 再現中華6】 羊肉水饺 yang rou shui jiao / 羊の水餃子〜ギョウザの起源

          中国で食材と戯る。(48) 山羊肉-1

          山羊を捌く。                  2023.4 " 羊肉 yang rou ヤンロウ "= 山羊肉を大人買い、いや料理人買いした。 マンションの向かいにできて気になっていた、” 新疆人 xin jiang ren シンジャンレン "=ウイグル人による山羊肉専門店にて。 中国には二毛作のレストラン、食堂がある。 春夏はザリガニ専門店、秋冬は山羊料理専門店。同じ場所、同じ店だが設備や客席のレイアウトはそのままに、季節で扱う食材とメニューが完全に変わ

          中国で食材と戯る。(48) 山羊肉-1

          【料理の旅人 再現中華5】 北京烤鸭 bei jing kao ya / 北京ダック再び

          モンゴル産 北京ダック用のアヒル          2023.4.2 2023年の3月末に第一回自家製北京ダック制作を行ったばかりだが、北京ダック用のアヒルは通常のアヒルと違うものを使うということを知り、すぐに取り寄せを行った。 モンゴル産。風味の良い餌や管理生育環境で作られたアヒルは色白な。 一羽 約2000円ほど。内臓は綺麗に掃除されていて、副産物無し。冷凍モノ。  ポンプで皮下に空気を送って膨らませ( 皮を身と剥がしておくことで皮がパリッとしやすいとか)、今回は

          【料理の旅人 再現中華5】 北京烤鸭 bei jing kao ya / 北京ダック再び

          【料理の旅人 再現中華4】 北京烤鸭 bei jing kao ya / 北京ダック

          アヒルの購入 1日目 下ごしらえ 2日目 燻し焼く 皮と胸肉を一緒に包丁で削ぎ取る。一枚削ぐごとに左右に互い違いに重ねて盛り付けるのが基本らしい。 これは、しっとりとした皮と肉を一緒にいただく北京式のローストダック。 日本人がよく知る、パリッとした皮だけを薄皮で巻いて食べるのは、実は南方の広東式のローストダックであるという。 薄皮を作る 北京ダックの完成 内臓の冷製 副産物も色々。心臓、レバー、砂肝、は柔らかく火が入るように茹でる。 手羽と、足の水掻きは2

          【料理の旅人 再現中華4】 北京烤鸭 bei jing kao ya / 北京ダック

          【料理の旅人 再現中華3】 苏州松鼠鱼 su zhou song shu yu / 🐿️のようなリス鯉

          松鼠鱼                     2023.4.28 中国料理系統、” 苏菜 su cai スーツァイ "(=江蘇省の料理)の中でも有名な伝統名物料理の一つ。 リスの姿に似た料理で、いろいろな魚で作られることがあるようですが、蘇州にもと元々あったという鯉の” 松鼠魚 " を作った。 この前日に、蘇州を一日観光して常州に戻ったばかりで、食べて記憶に新しい料理の再現に取り組む。 朝から白酒39度。 いい天気の朝。菜場に行き食材を調達。マン

          【料理の旅人 再現中華3】 苏州松鼠鱼 su zhou song shu yu / 🐿️のようなリス鯉

          【料理の旅人 再現中華2】 香辣小龙虾 xiang la xiao long xia / ザリガニのシャンラー

          ザリガニ                       2023.5 ” 小龙虾 xiao long xia シャオロンシャ "= ザリガニのこと。 ” 大龙虾 da long xia ダーロンシャ " はちなみに、海のロブスター系の呼び名。 2000年代、中国全土で爆発的な大流行を産んでいたザリガニ。 私が、中国で初めて=人生で初めてザリガニを口にしたのは、2004年或は2005年のこと。 夏になるとそこら中に、ザリガニ屋が現れ、炒めて辛く濃厚な味つけで提供している。

          【料理の旅人 再現中華2】 香辣小龙虾 xiang la xiao long xia / ザリガニのシャンラー

          【料理の旅人 再現中華1】 红烧鲈鱼 hong shao lu yu / スズキの紅焼

          スズキのホンシャオ                2023.3 ” 海鲈鱼 hai lu yu ハイルーユュ” 。 淡水魚の鲈鱼 もいるので、日本人にとっての”スズキ”は中国でこのように呼ばれる。養殖物だが、近所の菜場 で氷鮮のモノなら日常的、活けにも時折出会う。 30cm強ぐらいの大きさが出回っている、日本なら出世魚で、” セイゴ " と呼ばれるサイズ ( 60cmオーバーが鱸となる。ここでは広義のスズキ )だ。 未発達の鰭であったり、自然なものとはやはり姿が違う。

          【料理の旅人 再現中華1】 红烧鲈鱼 hong shao lu yu / スズキの紅焼

          世界遺産 廬山〜陶器の郷 景徳鎮。 (後編) 2015.10

          廬山 天候に恵まれていなかったのもあるが、ふとすると深い霧が立ち込め、数メートル先が全くみえなくなったりする。まるで、ここにいる人間達全てが水墨画の中にとり込まれてしまうような感覚。。。  この辺りはすでに山の上にあるので、峰に向かって登山というよりかは、散策に出るという感じ。公園内にはいくつかの景勝スポットが点在するが、雨も振り出し、視界が広がっては、また霧に閉ざされるの繰り返し。 それでも少し歩き数箇所、散策してみたが特に写真もうまく撮れず、これは割愛したい。 廬

          世界遺産 廬山〜陶器の郷 景徳鎮。 (後編) 2015.10

          世界遺産 廬山〜陶器の郷 景徳鎮。 (前編) 2015.10

           2015年の秋、国慶節の連休を利用し江西省九江市、廬山へと旅をしました。この年の夏、風天開業から5年経ち、やっとマイカーを購入するに至りました。 まだ走行の少ない、慣らしを終えたぐらいの車ですが、少し遠出をしようという試み。常州からは片道で500km走ります。 廬山のその雄大な景観は古くから評され、李白や白居易など多くの文人墨客が訪れて多くの作品を残した場所。山水詩や山水画の発祥の地と言われる中国名山の一つ。 国立公園として、世界遺産にもなっている。 まず常州から南下、

          世界遺産 廬山〜陶器の郷 景徳鎮。 (前編) 2015.10

          五岳独尊ー山東省 泰山へ。 

          中国五岳の一つである " 泰山 tai shan タイシャン "へ。 2013年4月30日〜5月2日。二泊三日の小さな旅。 泰山は、” 五岳 " = 東岳 ( 泰山 )、西岳 ( 華山 )、南岳 ( 衝山 )、北岳 ( 恒山 )、中岳 ( 嵩山 )のトップと言われる山岳。 海抜1545m、程よい高さで日頃の運動不足で鈍った体でも登山を楽しめるように思った。 ” 岳”の概念だが、古代中国において天に聳え立つ高山を崇拝の対象として” 岳 " と呼んだことに始まる。春秋時代

          五岳独尊ー山東省 泰山へ。 

          中国で食材と戯る。(47) オーストラリア産 黒毛和牛

          " 澳大利亚产黑毛和牛 ao da li ya chan hei mao he jiu "  中国産の牛肉は、” 黄牛 huang niu ホァンニュウ " 、と呼ばれる毛が黄土色した褐毛牛が多く肉質は赤身質のもの。脂肪分がサシとなって入るタイプではない。 日本人にしてみれば、痩せた硬い肉だと感じる。 筋がかんだ部位であれば、一定時間の加熱において柔らかく加工が可能だが、脂のない赤身は火を入れただけパサつき硬くなる。  中国の人たちは、そういう肉質の牛を極薄切りにしたシャ

          中国で食材と戯る。(47) オーストラリア産 黒毛和牛