中国で食材と戯る。(38) 鶏-2 料理屋のラーメン
鶏もも肉の仕込み 2022.1
冷凍の鶏もも肉。
” 手枪腿 shou qiang tui ショウチャントゥイ "( 手枪=ピストルに似た形状から )と言われる品。
それまでブラジル産とか、中国みたいに廉価な国産鶏がたくさんある国が、地球の反対から肉を輸入している謎があったのだが、これは、常州産( 加工出荷が常州で純産地はわからない )。
中国産であるなら、当然、店を置いて生活の拠点である常州産を使いたいところ。
10 kg / 箱、30枚ぐらいを一気に開く。肉の厚み、透明感が良い感じ。
悪い品は、この時点でドリップが多めに出て、その匂いで肉の餌の良し悪しなんかも感じとれる。これは良い。
朝締めでも常温置きの市場 vs 急速冷凍の超新鮮
この構図は、海鮮でも同じであったが、最高は活けの超新鮮、2番目は速凍の超新鮮の順で間違いない。冷凍モノにも良い品がある。
まとまった量を仕込む時には、副産物もまとまった量が取れるので、
良い品なら捨てずに有効活用したい。
" 鶏油 "
" 鶏 チャーシュー "
もも肉を巻いて、オーブンで柔らかに火を入れる。
” 鶏スープ "
この仕込みで出たもも肉の骨だけで取ったスープ。シンプルだが営業用ではなく
あくまで、仕込み後の自分お疲れメシ用だ。材料の素性を理解するにも丁度いい。
” 軟骨 "
スープを取った後の骨から、膝部の軟骨だけを分けて。
ゴリゴリの酒のつまみを作る、軟骨の甘辛。
” 鶏 醤油ラーメン "
コストではなくて、その過程が贅沢な一品。ダリヤメの一杯。
鶏を焼く 2022.7
コロナ禍でカウンターのみの仕事。炭や揚げ油を使えない中、フライパンで焼く焼鳥などを試行するも、炭からのぼる煙を受けていない串差しの鶏は、魅力薄いのでボツ。
バーナーで炙っても、オーブン入れても大事なのは” 遠赤外線 "と " 煙 "であることの再確認。これなら、やはり塊肉でオーブンの方が良い料理になる。
鶏を。 2022.11
自宅で。
家で中華を作るために、市場で醪( 米酒のもろみ )を調達した。その残りを活用すべく、鶏の唐揚げとする。面白い仕上がりになる。いい感じ。機会あればさらに進化させてみたい。
おまけ。
▲ これは冷凍では無い市場の朝締め鶏。もも肉だけのために、丸鶏をいくつも仕入れるとロスが多くなるのだが、この頃は『ももをくれ』というと、鶏の腰から下だけを切り分けてくれるようになる。
M字-開脚 状のそれを3つ買えば、左右一対、6枚の新鮮な鶏もも肉を仕入れたことになる。1日の使い切る量を、毎朝調達する、鮮の鮮で勝負。
時折、オーダーを受けたお客様の前で肉を開き、骨をとることも( 衛生に十分な配慮が必要 )。
基本の基本に戻ること、一番シンプルなことだが、
魚も含めあらゆるものを一人で管理し、調理する中ではちょっとした苦労ではある。
風天を廃業終了する前の営業スタイルがここに辿り着いた状態であったことを自分は誇りにしている。