心脳迷宮ANNEX

心脳迷宮ANNEX

マガジン

  • 発達特性摂食系

    発達特性としては自閉系が男児に多いのに対し、女児には摂食系が多いのではないかと考え、整理を試みる。

  • 地質に関する資料

    日本各地700箇所以上の砂のサンプルを博物館で撮影するなどして、地質に関する映像資料を提供します。

  • エッセイ

    タイトルの写真は,放散虫です。

  • フィネアス・ゲージ by A.Damasio

    鉄道工事中の事故で鉄の棒が左頬から頭部を突き抜ける重傷を負い、一命をとりとめたが、人格が変わってしまったフィネアス・ゲージ。彼に何が起こったか、脳科学者であるアントニオ・ダマシオが探求して記した「生存する脳」から抜粋して紹介する。腹内側前頭前野の機能を考えるために不可欠の事例である。

  • 絶食療法の科学

    飢餓という生命の危機に直面することで、身体にもともと備わっている危機対応の仕組みが発動し、生命維持のシステムが省エネモードに切り替わる。行き過ぎた免疫機能の結果である自己免疫疾患やアレルギーなどは、省エネモードでは免疫機能が抑制されて、病状が改善されるようである。絶食には、ヒトの潜在力を引き出す様々な力が潜んでいる。

最近の記事

摂食系 11

摂食系の発達特性について思いつくままに書いてきました。まだまだ深めたり広げたりする必要があると感じていますが、このシリーズは一旦終わりになります。最後に、24時間監視できる体制での摂食障害に対する取組みの例をご紹介しておきます。 生成AIによる記事の要約を下に掲載しておきます。 <<< この記事は、北九州医療刑務所で行われている摂食障害の受刑者に対する治療について、ジャーナリストの江川紹子氏がレポートしたものです。**刑務所という「逃げられない」環境を逆手に取り、食事制限

    • 摂食系 10

      今回は摂食障害に関係する遺伝子について考えてみます。これまでの見てきたとおり、摂食障害は様々な生きづらさを抱えている人において発症に至りやすいものですから、単一の遺伝子に起因するものではないでしょう。とすると、摂食障害の人の遺伝子を調べれば、摂食障害の人が発症以前から感じていた生きづらさ(発達特性)に関係する遺伝子が見えてくるのではないかと思います。 <<< Q 拒食症のリスクが高いとされる遺伝子の特徴は調べられていますか? A はい、拒食症のリスクが高いとされる遺伝子の

      • 摂食系 9

        摂食障害を発症している人は、発症以前から睡眠に関する問題等の変調を抱えている可能性が高いのではないかと思っています。摂食障害を発症していないけれども生きづらさを感じている人の中にも睡眠の悩みを抱えている人は少なくないでしょう。 <<< Q 拒食症と睡眠との関係については研究されていますか? A はい、拒食症と睡眠との関係については、研究が行われており、いくつかの関連性が報告されています。 拒食症患者によく見られる睡眠の問題: 不眠: 多くの拒食症患者が不眠を訴えます。こ

        • 摂食系 8

          昨日、腸内細菌叢の中の炎症性細菌が拒食症(または摂食系の発達特性)に影響することについて触れました。この点について、もう少し突っ込んで見ていきます。 <<< Q 炎症性細菌はリーキーガットを引き起こすのですか? A はい、炎症性細菌はリーキーガットを引き起こす可能性があります。 リーキーガットとは、腸管壁の細胞同士の結合が緩み、本来は通過しないはずの大きな分子や細菌などが腸管壁を通過してしまう状態を指します。 炎症性細菌は、腸管内で炎症を引き起こし、腸管壁を傷つける可

        マガジン

        • 発達特性摂食系
          13本
        • 地質に関する資料
          19本
        • エッセイ
          13本
        • フィネアス・ゲージ by A.Damasio
          12本
        • 絶食療法の科学
          5本
        • 東日本大震災翌日の朝刊
          1本

        記事

          摂食系 7

          今月18日に「発達特性摂食系 無番」で、発達特性を改善させるための方法の一つとしてラクトフェリンの投与を紹介しました。一部を引用しておきます。 <<< 出生時の体重がIQや抑制性といった特性に影響するという研究結果を紹介したものです。出生時の体重によって遺伝子が変化することはありませんから、生まれてくる子の特性は遺伝子以外の要因にも影響されるということです。低体重の以外の要因として、母乳で育ったか否かによって特性に変化が出るという話も出てきます。母乳にあってミルクに不足して

          摂食系 6

          拒食症につながる可能性のある特性として、幼少時の偏食と人見知りについて生成AIに質問してみました。 <<< Q 幼少時からの偏食という特徴はないのですか? A はい、幼少時からの偏食も、拒食症の病前性格または発症リスクを高める要因として考えられています。 偏食と拒食症の関係 食へのこだわり: 幼少期からの偏食は、特定の食べ物への強いこだわりや、新しい食べ物を受け入れられないといった特徴を示すことがあります。これは、拒食症における極端な食事制限や特定の食品への拒否につなが

          摂食系 5

          前回取り上げた社交性や外面(そとづら)の良さの続きになります。外面が良いということは、内弁慶であるということでもあります。家族等にとってはわがままに思えることも多いかもしれませんが、わがままと決めつけて厳しく接すると内面を傷つけたり、関係がこじれたりすることになりがちです。 <<< Q 「完璧主義」で細かいところまできちんとしなければ気に入らないという側面がある一方で、家族やパートナーとの約束等にルーズでわがままといった特徴もあるでしょうか? A はい、ご指摘の通り、拒食

          摂食系 4

          発達特性の自閉系と摂食系の決定的な違いとして社会性の有無を挙げました。ただし、摂食系の発達特性を持つ人の社会性は、その人の抱える潜在的な特性のために、十分に機能しないことが少なくありません。 <<< Q その子のこだわりの強さ等を知る家族にとっては手がかかるものの、外面は良いというタイプが多いでしょうか? A はい、ご指摘の通り、拒食症の患者さんの中には、家族にとっては手がかかるものの、外面が良いというタイプが多い傾向があります。 家族にとって手がかかる理由: 食事への

          摂食系 3

          今日は拒食症の治療について考えます。 まずは薬物療法についてです。 <<< Q 拒食症の薬物治療には何が用いられることが多いですか? A 拒食症の薬物治療においては、残念ながら特効薬と呼べるものはまだ存在しません。しかし、拒食症に伴う症状や合併症を緩和するために、いくつかの薬剤が用いられることがあります。 主な薬剤 抗うつ薬(SSRIなど):拒食症患者によく見られる抑うつ症状や不安症状を軽減するために用いられます。特に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が広く

          摂食系 無番(心脳迷宮20240818掲載)

          本来なら今日は「3」とするところですが、もともと思っていたのとは違うことを書いておきたくなったので、「無番」としました。以前のシリーズ物で、「番外」を使ったことがあるのですが、番外のあとに数字を入れる(「番外3」など)ようになってしまい、番外なのに番号が入るのはおかしいとの自己ツッコミが入って無番となりました。無番が増えてくると整理がつかなくなるかもしれませんが、とりあえずそのようにしようと思います。 さて、今日は遺伝的とか生得的というあいまいな言葉でここまで表現してきたこ

          摂食系 無番(心脳迷宮20240818掲載)

          摂食系 2

          今回は、拒食症の病前性格について取り上げます。 参考までに・・・ <<< 病前性格とは、精神障害の発症前に患者に見られる共通の性格傾向のことを指します。この概念は、特定の性格特性が特定の精神疾患の発症リスクを高める可能性があるという考えに基づいています。 >>>(Perplexity) と定義?されています。 発症するまでは普通の人ということですが、どこまでが病前でどこからが発症後かは明確ではありません。発症することなく、しかし生きづらさを抱えたままで一生を終える人もいるこ

          摂食系 1 (心脳迷宮20240816掲載)

          昨日プロローグを書きましたが、とりあえず発達特性摂食系と名付けて整理しようとしているものは摂食障害に限定するものではなく、むしろ摂食障害という症状が見られないけれども摂食障害と共通する特性を持っている人を想定したものです。自分が何に苦しんでいるのかよくわからず、どうすればいいかも見当がつかないで困っている人の中には、摂食障害のリスクが高い人と共通する遺伝子を持つなどしており、それに起因して程度の差はあれ何らかの困難を抱えている人が多いのではないかという整理の仕方です。自閉系の

          摂食系 1 (心脳迷宮20240816掲載)

          発達特性摂食系

          かつて発達障害として整理され、現在は障害ではなく特性であるとされている自閉的で他者とのコミュニケーションに円滑さが乏しいタイプは、数十年を経て徐々に社会に認知されるようになってきました。そのように整理されることで、さまざまな角度からのアプローチによって理解が深まり、対処方法の幅も広がっています。 こうした自閉系の発達特性とは異なり、社交的でコミュニケーション能力に不足はないものの、偏食に代表されるようなコダワリを持ち、その人にとって嫌な事柄が迫ると我慢出来ないほどの不快感に

          発達特性摂食系

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          富士淺間神社付近

          富士淺間神社付近

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          (まとめ)神奈川の海岸の砂 真鶴から観音崎まで

          (まとめ)神奈川の海岸の砂 真鶴から観音崎まで

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          小田原 早川河口付近

          小田原 早川河口付近

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