マガジンのカバー画像

プノンペニスト

15
東京在住の在宅勤務会社員が書いています。
運営しているクリエイター

記事一覧

ラーメンと祖母

 僕はラーメンが好きだ。年間何杯食べているか分からないし、数えてしまうとラーメンは身体に悪いと一点張りのアンチラーメニストに食べ過ぎだというもはやテンプレート化した文言で僕は説き伏される。だから数えることはしていない。一風堂や一蘭、家系から二郎系、日本全国に展開しているチェーン店からこじんまり経営している中華料理屋。どんなお店が提供するラーメンも好きだ。  僕はふと考えることがある。僕はいつからこんなにラーメンが好きになったのだろうと。誰しも何かにハマる時、その今の楽しさを

ぼくらの秘密基地

2020年。この年はきっとどこの誰にとっても特別な一年になっただろう。見えない敵によって生活が一変した。それによってその人の生き方、働き方、遊び方、さまざまな生活様式がその敵と共存するように”最適化”された。 人と会わなくなると自然と1人で過ごす時間が増える。それにも慣れてきて最近は苦ではないのだが、どうしてもたまに何もすることがない時間がある。そんな時間にはきまって僕は過去の思い出を脳の奥底から取り出してみる。 小学校四年生の時の話だ。僕は大阪の田舎で生まれ育った。学校

コロナになって気づいたことがある

ぼくは新卒1年目のサラリーマン。サラリーマンという肩書をもらった学生という表現の方が適切なんだと思う。まずはあなたが抱くサラリーマンを想像してほしい。もちろんオフィスレディーでもいい。いいやこの時代そういう表現はふさわしくないと感じる人は、あなたが思う会社員像で考えてみてほしい。 まだ眠気がのこる月曜日の朝。春夏秋冬問わずなぜか布団から出られない朝6時半。温度だけじゃないぬくもりを内にこもらせる毛布を出社という義務が投げ飛ばす。起き上がって寝ぐせを水で濡らしてその間にパンを

サイレン

 僕はいまは東京の郊外で一人暮らしをしていて、平日は在宅勤務で働いています。基本的には1人で過ごすことが多くなったが、だんだんその生活に慣れ始めてきました。ただ人と会うことがやっぱり好きだと最近再認識した出来事があって、1人だけで過ごすことに慣れすぎるのもきっとよくないのだなと思ってもいます。またそんな話も書ければいいな。  これから書く話は、なんだか結論があるようでないようなそんなはっきりとしないものです。僕が書く言葉のどれか1つが読んでくださる方の心に響けばいいなと思っ

レンズ

レンズ 僕はカメラが好きです。 上手くはないしこだわりとかもないけど 瞬間を後世にまで伝えることができるって 素敵だなって思うから 景色を撮るのもポートレートを撮るのも好き あ、撮られるのはあんまり得意じゃないから 不気味な笑みでカウンターするけど あとレンズが好きです 外から見ると円柱に丸い透明のガラスが 貼り付いてるだけかもって思うですが でも内部は複雑な構造になっていて いかにも男心をくすぐるんですよね 高いけど 単焦点レンズ ミクロレンズ マク

Curious  Diver.

夏になると僕は海に繰り出して シュノーケリングをつけて 海に全速力でダイブする。 いったん海に入ると、2時間は上がってこない。 自分なりに海にある神秘を見つけるまでは 意地でも上がってこない。 もしデートだとしても僕を一旦潜らせてしまえば 彼女はきっと止めることはできない。 疲れも忘れて無我夢中で、海と交流したい人間だ。 そして海から這い出てきて、辟易としている彼女のもとに 満足げな顔をして、戻ってくるのだろう。 本当に自分勝手なやつだ。シュノーケルをつ

名付け親。

世界中にはいまだに名前がついていないものがいっぱいありますよねー。 その中でも特に今回はとある現象について その名前をつけようかなーと思っています。 その現象は 普段、スポットが当たるものではなく 時に笑われたりもする でもその本質には光り輝く美しいものがあるもの なんです。 はぁ? ってなりますよね。笑 さぁ、なんのことかさっぱりわからないと思います。 これからその現象の世界へ招待します。 さぁ、以下の3つの情景をゆっくり時間をかけてイメージしてみてく

テレビの現状

 高度経済成長期、長州力と力道山の熱い試合を、日本にいる全ての人が画面に食いついた、そんな時代があっただろう。 ドリフターズのコントが人気を博し、決まった時間にお茶の間に集まってみんなで1つの画面を見た、そんな時代があっただろう。 ワールドカップで日本代表がベルギーにカウンターで負けた。日本国民は1つの画面を見て肩を落とした、そんな時代も最近あった。 そんなシーンを考えてみると、1つの画面には、「みんな」を集める力があった。 その力を持っているものが、「テレビ」である

雪と手袋

1月がものすごいスピードで過ぎ去って もう2月になった あたりまえのように恵方巻きを食べて あたりまえのように豆をまいて あたりまえのようにバレンタインに心を躍らせる そんな2月の始まりだ そして今日は、2月8日 僕はいま家(シェアハウス)にいる 同世代の学生や社会人の男女5人が1つ屋根の下で みんなで和気あいあいと暮らしているのだが そんな温もりに溢れたシェアハウスのリビングのこたつで 1人で座っている みんな出かけているのだ 金曜日の晩は家には人

僕は「大人」になった

ぷしゅ、カッ。 新幹線に乗っていると どこかしこから缶を開ける音がなる。 ぐびぐびぐび 仕事終わりのサラリーマンが やっと腰を下ろして、缶を口元へ持っていく 勢いよく空っぽの胃の中に放り込まれるものは 至高の黄金の液体だ。 それを人は「ビール」と呼ぶ。 今、僕の手元には銀色に光る アサヒスーパードライがある。 そんなに深く考えずに売店で購入したものだ。 飲みたいと思って買ったわけでもないのに つい買って飲みたくなってしまった 小さい頃は、そ

JINSEI DOMINO

パタパタパタパタパタパタパタパタパタ。 ドミノが倒れる音ってこんなかんじかな? 途中で倒れればその音は この世で最も不快な音になる 完成して倒せば この世で最も心地よい音になる 不思議なものだね。 ドミノを眺めてて思ったことがあるんだ。 今日はドミノにまつわる話をしていくね この世に生まれた時から始まる 特別なドミノのことを。 それは どんな並べ方をしてもいい 色も自分で決めてもいい 誰にもそれを止める理由はない 自由なものなんだ。 ただ、1

逆襲

世の中には無くても良いものがある。 蚊だ。 夏になると不快な音を立てて飛び、 人間の血を吸って生きる、小さな悪魔だ。               僕は町中の蚊を撲滅するべく 虫あみとアースジェットを持って 街を駆け回った。一日中街中を走り回り 数えきれない蚊を退治してあげた。 僕はたちまち街のヒーローだ。 みんなは気づいてくれないけどね。 気がついたら日が暮れていた。 家に帰ると疲労からか、 すぐに寝込んでしまった。 ここからは夢の話である。 ふわ

幸せの本質って?

「幸せ」 物質的に豊かな国である日本にいて、それを感じることが少なくなってきた。日本人がつい見失ってしまう幸せの本質って一体何なんだろう。ありきたりなテーマかもしれませんが、その本質に深く向き合う機会がありました。これは、全国スペイン語弁論大会に出場し、2位を獲った時の原稿です。ご覧ください。(スペイン語版はこちら。) あなたは今「幸せ」ですか? 思い切って「幸せ」と言える人がどれだけいるでしょうか。中には自分は幸せじゃないと感じている人もいると思います。 では、幸せ

僕はちんちんを持っていない。

僕はちんちんを持っていない。  僕は男だ。トイレは青い方に入るし、もちろんちんちんだってある。  ある日温泉に行った時の話。ランニングをして汗をかいた身体を流すために、一人でいった。休日なのもあって老若男がこぞって湯につかっている。そして僕はサウナに入って体内の水分を一気にかきだし、水風呂に入ろうとした。しかし水風呂というのは冷たいものだ。リンパとか血流とか余分な中途半端な知識が邪魔をして入るのに躊躇してしまう。  水風呂に飛び込む子ども時代が僕にもあったものだと回顧し