家では集中できない。その後。
#20231011-257
2023年10月11日(水)
学校から帰宅したノコ(娘小4)は、担任教諭との話し合いのことをどう話すだろう。
担任教諭からの電話の内容を心のなかで振り返りながらノコの帰りを待つ。
「あぁ!」
インターホンが鳴り、玄関ドアを開けた途端、ノコが腹立たし気に叫んだ。
「〇〇がいなければ、私が代表委員になれたのに!」
クラスメイトの名前を挙げ、ノコは黄色い通学帽を三和土に叩きつける(ダジャレ発見!)。
代表委員というのは、どうやら私の時代の学級委員のことらしい。ノコは毎学期律儀に立候補しているが叶ったことがない。私の代表委員の認識が合っているのならば、宿題を毎日やってこないクラスメイトが支持されることはあるのだろうか。そこに気付いていない点がなんとも幼いというか。
手洗いうがいを済ませると、すぐにおやつを食べようとする。
「まずは出すものを出してくださいな」
連絡帳、音読カード、学校からのお便りがあればお便り、それから給食セット。4年間毎日いっているのに、なかなか定着しない。
ノコが学校に居残って宿題をすることを口にしない。担任教諭には家の人とどうするか話し合うよういわれたはずだ。
「宿題をやらずに登校したから、先生に何かいわれた?」
「あ…… 今度から学校で宿題やることにしたから」
決定事項かい。相談するんじゃないのかい。
「あら、そうなの。毎日?」
「習い事のある日以外は」
「じゃあ、明日からなの? 帰りが遅くなるねぇ。これから、どんどん日が短くなって暗くなるのが早くなるけど大丈夫?」
ノコはぼんやり窓の外へ目をやる。おそらく日の短さをまだ実感していない。
「いつまで?」
「わかんない」
事前に担任教諭からの電話がなければ、頭の中が疑問符でいっぱいになっていただろう。心のなかで感謝する。
今日は習い事がある。早めの夕飯を済ませ、2時間半後には家を出る。
「明日からなら、今日は家で宿題をするんだよね?」
ノコはうなずいたものの、おやつを食べると自室へこもってしまった。
こもるといっても部屋のドアは開いたままだ。私が洗濯物を取り込んだりと家事のためにノコの部屋の前を通る度に、ベッドの上にいるノコはバッと何かを隠す。本か漫画なのは明白だ。
そんなに脅えなくていいのに。
でも、隠すということは、後ろめたさはあるのだろうか。
確かに今日の学校の宿題をする様子もなければ、まだ済んでいない夕方からの習い事――学習塾の宿題をする様子もない。やらねばならないことは自覚があるのか。
私はノコに家を出る時刻を告げる。そして、一応出発までにそれらに少しでも手をつけることをオススメする。
いうことはいった。
それ以上は、い・わ・な・い。
ノコは2時間半ベッドの上で読書にいそしみ、夕飯はしっかり食べ、学習塾へ向かった。学校でも学習塾でも宿題を済んでいないのに、「行かない」といわない点はすばらしい。でも、どんな心境なのだろう?
学校同様、学習塾の先生にもアプリでノコの状況を伝える。
宿題をしていないこと。
親はそれを把握し、声掛けはしているが、動かないこと。もしノコの気持ちが見える言葉やふるまいがあれば、教えてほしいとお願いする。
先生から返信があり、宿題をしていなかったため居残りになる、お迎えは20分遅くとのこと。学習塾の宿題については塾側が指導するので、今のように最低限の声掛けだけで構わないとあった。
2学期に入ってから、ノコの学校と学習塾の宿題への取り組みが悩ましかった。
子どもの性格によると思うが、ノコの場合、親がやいのやいのいえば、極端なことを口にする。
「勉強しない子なんていらないんでしょ」
「私が出ていけばいいんでしょ」
「私はどこにも居場所がない!」
おそらく一般家庭で育った子どもなら、簡単に口にしないことをいう。第三者からの声掛けのほうがノコを追い詰めない。また家庭だけではない環境の整備が必要となる。
まぁ、これも一歩進んだかと思えば、ズサーッと十五歩引き下がるくらいの心構えでいたほうがいい。
しばし様子見。
しばし、しばし。