2度あることは3度あるっていうけどさ。
#20230511-101
2023年5月11日(木)
このところ、体調が悪くて寝込んでいた。
さすがに明日はむーくん(夫)も出勤せねばならない。今日は体慣らし。寝ずに家事をしよう。
ノコ(娘小4)とむーくんが外出中の夕方、台所に立った。
ずっと眠り続けていたので、体が縦になっているだけで違和感がある。
ひき肉があるので、おかずは電子レンジとオーブントースターだけでできるスコップコロッケを作ろう。それとサラダ、ポタージュ、発芽米。
じゃが芋を洗い、皮をむき、薄く切って水にさらす。
玉ねぎはみじん切り。
牛乳と調味料を合わせる。
それらを耐熱性のガラスの器に入れる。
食器棚からサイズ違いで重ねてあるその器を出そうとしたら、手が滑った。
電子レンジもオーブンも使用可能な頑丈なガラスが今日は呆気なく割れた。お気に入りだったこともあり、じんわり悲しくなる。
あーあぁ。
後片付けはあとにまわし、取り急ぎ今使うガラスの器を出して、具材を入れる。
ぼん!
電子レンジで加熱中に嫌な音がした。
扉を開けると、牛乳があふれ出て、庫内の床面が一面白くなっていた。
あーあぁ。
鍋つかみで熱い器を救出し、黙々と電子レンジ内を掃除する。
加熱されたひき肉とじゃが芋をつぶしながらよく混ぜる。調味料入りの牛乳があふれてしまったけれど、味付けは大丈夫だろうか。
ガラスの器を割り、電子レンジ内を汚してしまったので、すっかり気持ちが沈む。
ノコとむーくんが帰宅した。のろのろと玄関まで迎えに出る。
「ママを慰めてください」
しんみりした声でいうと、ノコが駆け寄ってくる。
「ママ、どうしたの?」
「ガラスの入れ物、割っちゃった。それから、電子レンジはぼん!しちゃった」
むーくんは怪我してないかと心配し、ノコは大変大変と騒ぎ、惨状を見たがる。
パン粉にサラダ油をかけてよく混ぜ、先程のじゃが芋とひき肉の具材の上に敷く。
オーブントースターできつね色になるまで焼く。
じゅっ!
蒸発する音に慌ててガス台を見ると、ポタージュが鍋からあふれ、ガス台を汚していた。
あーあぁ。
「なんか焦げ臭いぞ」
むーくんの声にぎょっとする。オーブントースターは高いところに置いてあるため、踏み台を持ってこないと焼き加減が見えない。大抵ワット数と時間を目安に焼いている。
背の高いむーくんに様子を見てもらう。
「真っ黒だよ?」
慌てて、オーブントースターを切る。
きつね色を通り越して、炭化している。
あーあぁ。
心のなかでしくしく泣きながら、焦げをスプーンですくい取る。
焦げを除いたら見た目はなんとかなったけど、今日っていったい何? 久し振りに台所に立ったら、失敗だらけ。
テーブルに夕餉を並べていく。
あーあぁ。
しょげている私を尻目にノコとむーくんがスコップコロッケに手を伸ばす。
「ママァ、おいしいよ。私の好きなじゃが芋がいっぱいだし!」
「うん、うまいよ。焦げ臭さも気にならない」
疲れたよぉ。
病み上がりにはこたえるよぉ。
なんでこんなに失敗だらけなのぉ。
そっとコロッケを口に運ぶ。
あれ。
本当だ。
味は悪くない。