![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/122393988/rectangle_large_type_2_381ca644bd524ec2159cee78c5feab88.jpeg?width=1200)
「親に従いたくない!」と娘小4は叫ぶ。
#20231120-296
2023年11月20日(月)
ちらちらと壁の時計を見上げてしまう。
口にするのを堪えると、どうやら目が動いてしまうらしい。
――学校の宿題とお風呂が済んだら、録画してある映画を見ようね。
そうはいったが、それは就寝時刻も含んでの話だ。21時就寝として、映画が2時間弱となると19時までに宿題と入浴を終えねばならない。
宿題と入浴が済めば、何時であっても映画を見せるとはいっていない。
ノコはシャープペンシルをカチカチ鳴らしながら、ペン先から芯を引っ張ったり押し込んだりしている。
そんな時間はない。
私はまた壁掛け時計に目をやってしまった。
「寝る時間は変わらないよ。9時にはベッドだよ」
「わかってるし」
ノコがシャープペンシルの先を凝視しながらいう。
「映画はCMを飛ばしても1時間半はかかると思ったほうがいいよ。7時までにお風呂と宿題が終わらないと無理だからね」
「いわないで!」
ギロリとノコが睨む。
いや、私とていいたくない。
でも、ちっとも宿題が進んでいるようには見えない。
時間は過ぎ、もう映画を見せることはできなくなった。
それでも何かTVは見せてあげたいと、むーくん(夫)と小声で相談する。まだどのくらいかかるかわからないが、録画してある番組に30分から1時間のものがあるか尋ねる。むーくんがいくつか番組名を挙げ、「そのあたりかな」とつぶやいた。
机に向かっていたノコは私たちのやりとりを聞いていたらしく、バッと振り返った。
「映画、見るからね!」
机に向かっているものの、ノコは消しゴムの屑を集めたり、シャープペンシルの芯を並べたりしている。
「いや、もう7時過ぎたし。映画は今度ね。今日は無理だよ」
「ヤダ! 映画見るから! 映画じゃなきゃヤダから!」
涙を浮かべて怒鳴り散らす。
「なんで勝手に決めるわけ! サイテーサイテーサイテー!」
「そんな夜更かしさせられないよ。それでも何かは見せたいと思うから、パパと相談しているの。ノコさんは宿題を頑張って」
ノコはギリギリと歯を噛みしめて、私たちを睨む。
「親に従いたくない!」
どうやらこれが本音らしい。
実にはっきりいう。
そうはいわれても、夜更かしをしても朝パッと起きられるのならいいが結局難しい。
ギリギリまでベッドから出られず、朝食をとらないまま学校へ向かうことになる。こちらも今のノコに必要な睡眠時間を模索しており、一方的に就寝時刻を決めているわけではない。学校がある平日は難しいが、翌日に用事がない週末の場合は夜更かしを許すこともある。
朝起きられないから、遅くても21時就寝。
これは話し合ってできたルールだ。もっと遅くまで起きていても朝パッと動けるのならば、また就寝時刻については相談することになっている。
ノコだって成長する。
永遠に21時就寝だといっているわけではない。
結局、映画にノコは執着し、たとえ最後まで見られなくても映画を見たいといい張った。
途中で再生を停止するのは、ノコの気持ちが宙ぶらりんになりそうだが、本人がそれを望むのだから仕方がない。
今夜は幸いにもむーくんがいる。
私と2人だと甘えが出るのか、停止ボタンを押すのでまたひと悶着ありそうだが、むーくんだとこじれが少ない。
映画を21時まで見てから、ノコは自室へ向かった。
恋愛コメディ映画だったが、ノコにはちょっと通じないやりとりが続き、おもしろいのかは不明。笑うところではないが、ケタケタ笑っているのだから、まぁいいのか。
「明日着る服を用意してから寝てね」
「はーい!」
ご機嫌で手を振って居間を出ていったものの、就寝前にノコの部屋を覗くと服は用意されていなかった。
したいことをするのなら、すべきことをする。
そんなこたぁ、見ちゃえばどうでもいいのか。
いいなと思ったら応援しよう!
![森谷はち🐝里母&子育て&読み聞かせ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/96888576/profile_94ab5a8e92e97ccc95167ed2590a86bd.jpg?width=600&crop=1:1,smart)