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我が身を振り返るより、見限るのです。
#20230809-192
2023年8月9日(水)
夏休みがはじまってすぐ、ノコ(娘小4)が通っている小学校で面談があった。
子どもを預けることができない家庭は子ども同伴となる。
かつて1度だけ、ノコも連れて面談をしたことがある。担任教諭とノコの耳を気にすることなく話せるよう、わざわざむーくん(夫)の休日にお願いしたのに、ノコがお留守番を嫌がり、親子3人での出席となった。
そりゃあ、自分がいないところで先生と親が話すなんて気になるに決まっている。
ノコははじめこそ教室の片隅にいたが、じりじりと寄ってきて面談は上っ面だけのものになった。1人あたりの時間枠はたった15分だ。込み入った話をするなら、別途時間を作っていただいたほうがいい。
そこはノコが一緒に来る時点で諦めたので、未練はない。
今回の面談は、ノコが習い事の合宿中にしていただいた。
むーくんは勤務があるため、先生と私の二者面談となった。
まずは通知表の補足からはじまり、続いてノコの学校での様子を先生が語る。
「はじめの頃は、よくほかの子のことをいいに来てたんですが」
自分のことを棚に上げて、ノコは「○○君(さん)がこういうよくないことをしてました」と先生に告げる。それは1日に何回も。
低学年の頃、ノコが直接当人にいうためーーしかもキツイ口調で!ーートラブルが絶えなかった。当時は「直接お友だちにいうとケンカになっちゃうから、先生にお伝えするといいよ」と確かにいっていた。
学年が上がった今もそれが続いている。
「人のことをいう前に、自分ができているか考えてからいいに来るよう話したら、最近はいいに来なくなりました」
先生が歯を見せて笑う。
「チラッとこっちは見るんですけどね、自分がどうだったか振り返れるようになりました!」
あぁ……
その情景があまりにもリアルに目に浮かび、思わず力なく笑ってしまう。
「いい続けたかいがありました! わかってくれたようです」
先生の声はどこまでも明るい。
あぁ……
その笑顔に水を差したくなくて、いいよどんでしまう。
帰宅後、仕事から帰ったむーくんに面談のことを話す。
「先生はそうおっしゃったんだけどね…… 私は違うと思うんだよね」
ノコは先生を見限ったのだ。
この先生に訴えても動いてくれない。
私の味方になって、よくないことをしている○○君(さん)を叱ってくれない。
先生の顔をうかがうのは、我が身を振り返っているのではない。「私側」についてくれる顔かどうかを確認しているのだ。
こういっちゃあなんだが、乳児院や児童養護施設といった大勢のなかで育ったノコの嗅覚はするどい。だれが私の味方で、だれが私の敵か。すぐ見極める。あくまでノコ基準なので、かなりノコに都合のよいものだが、わずかな表情や仕草で察し、すり寄るか拒絶するかを決める。
現にノコがいう。
「あの先生、ダメだわ」
ここにおけるダメは、どんなときもノコの味方になってくれる存在ではないという意味だ。決してクラスにおける先生の指導が悪いという意味ではない。
まだ自分の身を振り返り、自分を正してから、人を批難することはノコにはできない。
いや、これはノコに限ったことなのだろうか。
小学4年生。
思っているほど幼くないが、思っているほど大人でもない。大人でも難しい「我が身を振り返って」なんていうことが果たしてできるのだろうか。
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