娘と同じドラマを見ながら、まったく違う景色を見ていた。
#20230615-137
2023年6月15日(木)
現在放送中のNHKの連続テレビ小説「らんまん」を楽しく見ている。
ノコ(娘小4)は朝にやるべきことをすべて終えれば、見てから登校できる。むーくん(夫)は勤務時間によるが、大抵早朝出勤のため難しい。
3人そろった夕飯時に私は今日の「らんまん」のあらすじを語る。
植物学雑誌を完成させた万太郎は、お世話になっている大畑印刷所の大畑夫妻に仲人をお願いする。お相手は菓子屋「白梅堂」の娘・寿恵子。万太郎から釣書を託され、大畑夫妻は大いに張り切る。夫妻の娘・佳代だけが早とちりをし、万太郎から自分へ結婚の申し込みがあったと思い込むドタバタがあるが、ドラマを見ていれば万太郎が誰に恋こがれているかわかる。
今朝はノコも放送を一緒に見た。
ノコはクッションを抱きしめてソファーの上でひっくり返り、キャアキャア騒いでいた。
恋だの、愛だの、結婚だの、それらがからむとノコは甲高い声をあげて身をよじる。
今朝の回を見ていないのはむーくんだけだ。
「印刷所の娘さんが勘違いして、万太郎の結婚相手が自分だと思ってたんだよね」
「そうそう! おもしろかったよね!」
ノコが興奮して前にのめりながらいう。
「返事しちゃってさぁ、本当は違うのに!」
大笑いしながら、ノコが手を打つ。
「これで間に合うといいよね。万太郎、無事寿恵子と結婚できるかな」
ノコの目が丸くなり、動きが止まった。
「え?」
「え?」
思わず、私もオウム返ししてしまう。
「万太郎、誰と結婚するの?」
「まだ本当に結婚できるかわからないけど、寿恵子さんに結婚申し込んだでしょ」
「え?」
朝食や身支度が済んでいなければ見られないので、ノコは毎朝見ているわけではない。
「ノコさんは、万太郎が誰と結婚すると思ったの?」
「印刷屋のおじさん」
…んんん?
仲人をお願いした大畑印刷所の工場主?
奥田瑛二さんが演じている?
結婚は異性同士とは限らないことを日頃からノコに伝えている。
だから、同性同士の結婚を自然に受けて入れていることはいい。
呆然としたのは、物語の筋の読めてなさだ。
今朝の「らんまん」を見て、ノコはそう思ったのか。
ソファーできゃあああと照れまくり、私と目を合わせたりしていたけれど、同じドラマを見ながら、ノコはまったく違う気持ちで笑っていたことになる。
とらえ方は人それぞれ。
とはいえ、ビックリ仰天。
むーくんが天井を仰いだ。