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古典文学お手軽読本その19 大鏡編
はじめに
『大鏡』という本は、藤原道長の栄華を讃える本であると言われています。二人の翁の語りの形で書かれているので、比較的読みやすくなっています。千年前の政治評論という感じの本です。平安時代の政治の動きを知る上では、よい本です。今で言うと、政治の裏側を解説した政治暴露本という感じですかね。
平安時代というのは、藤原氏の時代という感じですよね。日本史では、藤原氏の祖は「藤原鎌足」と言うことになっているのですが、「藤原氏」の間では、「藤原不比等」が祖であると伝えられているそうです。これは、僧侶で作家であった、今東光さんの『毒舌日本史』という本に書かれています。今東光さんは、藤原氏の方々と親交があったそうで、『藤原氏』では代々そう伝えられているそうです。その理由は、『藤原不比等』が天皇の子供だったからだそうです。
そういえば、『竹取物語』で、藤原不比等がモデルと言われている人物の名前は『車持皇子(くらもちのみこ)』になっていて、天皇の子供であることを示しています。
内容自体が物語風になっているので、小説とか漫画などはつくられていないようで、二冊のみの紹介となります。
現代語訳
◎『ビギナーズクラシックス 大鏡』
武田友宏:編 KADOKAWA 角川ソフィア文庫
(大鏡の中の、ポイントとなる話を中心に、現代語訳しています。解説だけで無く、地図やイラスト、関連する資料も豊富で、話の量は多くはないのですが、全体を読んだ気になれるという優れものの本です。全部読むのは大変そうと言う人は、この本で満足できると思います。)
◎『大鏡 全現代語訳』
保坂弘司:著 講談社 講談社学術文庫
(大鏡の原文を忠実に現代語訳した本です。各話の後に、《史実》と言うことで、用語の解説や登場人物の生年や略歴などが入っています。解説的なものは少ない割に、600ページぐらいあるので、結構読み応えはあると思います。内容を詳しく知りたい人は、こちらをどうぞ。)
扉の写真
近くの神社に咲いていた、ガクアジサイ。