古典文学お気軽読本その5 古事記編
はじめに
古事記は、色々な説を勝手にまとめてみると、原案(天皇記・国記)を作ったのが聖徳太子(厩戸皇子)で、それを基に歌物語に再構成したのが柿本人麻呂で、稗田阿礼とは藤原不比等のことで内容を女帝(持統天皇=天照大神)中心に書き換え、太安万侶が文章化したと考えているのですが、最近すごく面白い小説が出ていて、ちょっと考えてしまいました。
1.現代語訳
◎『ビギナーズクラシックス 古事記』
角川書店:編 KADOKAWA 角川ソフィア文庫
(用語の説明もあって、良いです。)
◎『田辺聖子の古事記』
田辺聖子:著 集英社 集英社文庫
(神話に出てくる神様の名前は、漢字の意味で考えるのでは無く、正しく読んで音で考えるものだそうです。)
◎『古事記』
梅原猛:著 学習研究社 学研M文庫
(古事記の大まかな流れをつかむのには、良い本だと思います。)
◎『古事記 全訳注』(全三冊)
次田真幸:著 講談社 講談社学術文庫
(古事記の全体像を知るには、この本が最適ではと思います。辞書的な使い方の本ですね。)
2.漫画
◎『マンガ古典文学 古事記』(上下全二冊)
里中満智子:著 小学館 小学館文庫
(古事記について、漫画でわかる良い本だと思います。)
◎『水木しげるの古代出雲』
水木しげる:著 KADOKAWA 角川文庫
(何でも、夜寝ているときに夢枕に古代出雲族の青年が立ち、本を書くように言われて書いたとのことです。古代出雲というと荒神谷遺跡で大量の銅剣や銅鐸が見つかったことで、古代出雲王国が存在していたといわれています。本当? 実はこの大量の銅剣や銅鐸は大和朝廷が西日本各地から集めて、わざとここに埋めたのでは?そして、各地の神話を基に出雲神話というものを創作したのでは?等と勝手に思っています。←こう考えると、出雲風土記に出雲神話が載っていないことの説明にはなるのでは?)
3.小説
◎『蘇我の娘の古事記(ふることぶみ)』
周防 柳:著 角川春樹事務所 時代小説文庫
(古事記の内容を覚えていた稗田阿礼に当たる人物は、蘇我入鹿の娘。太安万侶が作ったと発表したのが多人長という人物で、有名な古事記の前文は後世の創作であるという内容の小説です。なるほどと考えさせられてしまいました。)
◎『高天原 ~厩戸皇子の神話~』
周防 柳:著 集英社 集英社文庫
(「天皇記・国記」を厩戸皇子がどのように作り上げていったのかを書いた小説です。なるほどとは思いましたが、蘇我氏に片寄りすぎた記述が気になるところではあります。)
※扉の写真
静岡市にある、プラモデル風のホテルの看板。