見出し画像

古典文学お手軽読本その15 和泉式部日記編

はじめに


 和泉式部日記とは、単なる日記文学だと思っていたのですが、どうも違うらしいのです。それは、相手の男性側に関する記述まであると言うことです。そう言われてみれば、相手の男性の家の様子などがなぜ分かったのだろうと思いますよね。ということは、この作品は、和泉式部が記述したのでは無く、第三者の作者が、両者に取材をして日記風に書き上げた、ノンフィクション作品という可能性もあると言うことです。あなたはどう思いますか?

1.現代語訳


◎『ビギナーズクラシック 和泉式部日記』
 川村裕子:編 KADOKAWA 角川ソフィア文庫
(日記の内容を、それぞれ場面場面に分けて、現代語訳と原文、解説と記述しているので、話の流れがよく分そういえばそういえばそうですよね、相手の敦道親王の家の中の様子や、北の方との様子も書かれていて、どうして知ることができたのでしょうか。直接親王に聞いたのでしょうか? 巻末には略年表などもついていて良いですね。)

◎『紫式部日記・和泉式部日記』
 与謝野晶子:訳 KADOKAWA 角川文庫
(紫式部日記と比較すると、こちらの方が読みやすい訳になっていると思います。与謝野晶子さんの見解では、和泉式部日記は日記文学では無く、私小説では無いかということです。ビギナーズクラシックの本と併用して読むと理解が深まるものと思われます。)

2.小説


◎『今 ひとたびの和泉式部』
 諸田玲子:著 集英社 集英社文庫
(和泉式部の物語ですが、赤染衛門の娘の江侍従という人の語る話として始まります。終わり方もちょっとびっくりします。)

※和泉式部が出てくる小説としては、紫式部について書かれた、杉本苑子の『散華 紫式部の生涯』という作品に、子供の頃の和泉式部が登場してきます。そこでは、和泉式部と為尊親王と敦道親王は実は幼なじみで、三人で鴨川の河原で遊ぶという場面が出てきたりします。

3.漫画


△『和泉式部日記』 (マンガ古典文学6)
 いがらしゆみこ:著 中央公論新社 中公文庫
(和泉式部の本を整理していたところ、この本を購入もしていないし読んでもいないことが分かりました。読んだ気になっていたのは、何回かブックオフで立ち読みしていたからのようです。手に入れて読みましたら、コメント入れます。)

扉の写真
 JR沼津駅の南口の駅ビル。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?