古典文学お手軽読本その18 日本霊異記編
はじめに
日本霊異記は、日本最初の仏教説話集とのことですが、この本の話から、何か悪いことをすると罰が当たるとか、「罰当たり」っと言う言葉が使われるようになったのでしょうか? 最近は、罰当たりなことをしても、罰が当たらないからと、罰当たりなことを平気でやるような人が、増えているような気がしますね。残念なことです。
今回は、水木しげるの本を紹介したくて、書いたようなものです。是非、読んで欲しい本です。
1.現代語訳
◎『日本霊異記』
原田敏明・高橋貢:訳 平凡社 平凡社ライブラリー319
(現代語訳として、一冊にまとまっていて、注も最小限しか入っていないので、さらっと読めていいです。話の全体をつかむには最適です。注が最小限の本は、読みやすくて良いです。)
◎『日本霊異記』(上中下全三巻)
中田祝夫:訳注 講談社 講談社学術文庫
(原文の読み下し文、現代語訳、語釈という構成になっています。語釈が結構分量が多いので、研究者には良いと思います。さらっとは読めません。)
○『日本霊異記』(上中下全三冊)
多田一臣:校注 筑摩書房 ちくま学芸文庫
(原文の読み下し文、語注、現代語訳、補説、解説の構成になっています。絶版らしく、上しか今のところ手に入れていません。伊藤比呂美さんは、この本が素晴らしいと言っています。)
2.漫画
◎『水木しげるの日本霊異記』
水木しげる:著 KADOKAWA 角川文庫
(似たような内容の話は、まとめて一つの話として構成しています。「がごぜ 元興寺」「どくろの怪」「閻魔大王の使い」「牛になった話」「蛇執の怪」「鷲にさらわれた赤子」「不思議な観音像」の七話からなります。最後に多田克己さんの「元興寺とガゴゼ」という解説が載っています。このような不思議な話は、水木しげるの得意とするところで、非常によく書けています。)
3.小説
◎『日本ノ霊異ナ話(ニホンノフシギナハナシ)』
伊藤比呂美:著 朝日新聞社 朝日文庫
(日本霊異記を素材とした小説と考えましょう。あまり子供向けの内容ではありません。)
※河出文庫から、伊藤比呂美さんが日本霊異記の現代語訳を出版しているようですが、まだ未確認なので確認したらコメント入れます。
扉の写真
とある家の屋根にあった、天文台? ドーム? UFOではないよね?
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